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世界製油所関連最新情報(月次レポート)

本資料は、一般財団法人 石油エネルギー技術センター石油情報プラザの情報探査で得られた情報を、整理、分析したものです。無断転載、複製を禁止します。

平成28年(2016年)2月

1.北米

  • 米国の独立系精製企業Tesoroは、バイオ系原料油を既存の精製設備で処理することを検討している。自社でバイオ系原料からバイオ燃料を製造する方法に比べて、設備投資を抑えながら、炭素強度の低減などの恩恵を享受することを目指している。
  • 米国では2014/2015/2016年の再生可能燃料の使用義務量が、昨年11月にようやくEPAから公表された。米国のバイオディーゼルに対する税額控除が延長2016年末まで延長された。
  • 原油価格の下落による超低硫黄ディーゼル(ULSD)価格の低下で、バイオディーゼルが相対的に割高になっている。一方、バイオディーゼルの輸入量は増加しているが、輸入品の配合に対する税額控除は不合理であるとの見方が提示されている。
  • カナダ燃料協会が国内製油所の配置と、製品需給を分析した報告書を公表した。ケベック州・アトランティック地域では精製量が需要を上回り、ブリティッシュコロンビア州では精製量が不足し、オンタリオ州・プレーリー地域では均衡している。
  • カナダではガソリン中の硫黄分濃度を30ppmから10ppmに引き下げられる予定で、精製業界は今後も投資が必要である。

2.ヨーロッパ

  • フランスTotalは、La Mède製油所をバイオリファイナリーに転換する計画であるが、プロセスには油脂からイソパラフィン系燃料を製造するAxensのVegan技術を採用する。
  • ヨーロッパでは、ドイツのバイオディーゼルの輸出量が大幅に減少している。特にオランダ・フランス・ポーランド向けの輸出量が減少している。これに対してオーストリア向けが輸出量は増加を伸ばし、輸出先として欧州3位につけている。
  • ドイツのバイオ燃料生産量の推移をみると、バイオディーゼルは2012年に、エタノールは2011年に減産している。EU目標達成には増産が必要であるが、間接的土地利用変化(ILUC)の評価が定まっていなかったことが影響したと解釈されている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアのLukoilが、東欧圏の燃料販売事業から撤退する動きを見せている。2014-2015年にチェコ・スロバキア・ハンガリー・エストニアの事業縮小・撤退を行ったが、このたびリトアニア・ラトビア・ポーランドの給油所の売却が発表された。背景には、東欧圏でロシアの影響力を敬遠する動きがあることが指摘されている。
  • ロシアGazprom NeftのMoscow製油所では拡張・近代化プロジェクトが進み、2015年にはEuro-5ガソリンの大幅増産を達成している。今後も2020年を目標にFCCの更新などが進められる計画である。

4.中東

  • オマーンの石油・天然ガス事業の状況をEIAに基づいて解説している。同国ではEORを駆使して原油の増産を図っている。原油輸出に関しては、ホルムズ海峡の外側のアラビア海沿岸に原油ターミナルを建設している。同国は、国内需要にほぼ見合った精製能力を保有しているが既存製油所の拡張近代化と新設を進めている。国内需要の増加でLNG輸出能力が減少傾向にあるが、開発やイランからの天然ガス輸入を図る。
  • サウジアラビアSaudi Aramcoと中国SinopecのJV YASREF製油所の開所式が両国首脳の列席で挙行され、両社間で共同事業の拡大が合意されている。
  • 原油価格の下落の中で、クウェートが石油・天然ガス事業をはじめとする積極的なプロジェクト投資計画を発表した。Al Zour製油所新設プロジェクトの継続も発表されている。
  • 中東湾岸石化化学協会(GPCA)が、これまでのプラスチック産業の成長と今後の増産計画を発表している。中東湾岸会議加盟諸国のプラスチックの製造量は、2020年末まで年平均3.2%で成長する見通しである。

5.アフリカ

  • エジプト石油・鉱物省が、適正価格の実現、エネルギー源の多様化・効率利用、石油・天然ガス政策を発表している。
  • エジプトは外国企業による石油・天然ガス投資の拡大を目指しているが、なかでも大規模な埋蔵量が期待される地中海のZohr天然ガス田の開発に期待している。
  • エジプトのMIDOR製油所の拡張・近代化プロジェクトはフランスの金融機関からの融資を確保し、プロジェクトの前進が期待されている。
  • エジプトの大手投資会社Qalaaが主体に進めている新設ERC製油所が2017年第1四半期に稼働予定と発表された。MIDOR製油所とともに燃料自給力アップが期待されている。
  • ナイジェリアでは、燃料価格の適正化のためにガソリン価格の基準値が設定され、違反者への罰則規制も制定された。

6.中南米

  • 原油価格の大幅下落の影響に直面しているブラジル国営Petrobrasは、昨年発表した2015年-2019年投資計画を見直している。上下流部門の投資額がさらに削減されることになり、2020年の原油生産量の目標値も既に大幅に引き下げられた280万BPDから270万BPDに引き下げられている。
  • メキシコ国営Pemexがクリーン燃料プロジェクトの推進計画を発表している。既設製油所の新設設備建設や改造に40億ドルを投資し、ディーゼルの硫黄分を15ppmとする計画である。

7.東南アジア

  • インドは自動車排ガス規制BS-VIを2020年4月1日から施行する方針を発表した。これに対し国営IOCは、BS-W対応に加えて1,300億ルピーの投資が必要と見積もっている。
  • インドの国営精製会社IOC・HPCL・BPCLの3社が共同で西岸地域に製油所を建設する計画が浮上している。規模は、世界最大級を目指すと報じられている。
  • インドIOCのオリッサ州の新設Paradip製油所の開所式がModi首相の臨席で挙行された。なお、同製油所の設備はBS-VI基準に対応済である。
  • 世界各地で資産の見直しを進めているShellが、マレーシアのPort Dickson製油所を保有するShell Refining Companyの株式51%を中国のMalaysia Hengyuan International Limited(MHIL)への売却することを発表した。MHILは燃料品質向上に必要な投資を計画している。
  • 国内の天然ガスの需要増に対応するためにLNGの輸入を計画しているインドネシアの国営Pertaminaが、TotalからLNGを輸入することに合意している。供給量の一部はPertaminaの米国Corpus Christi LNGの契約分が充てられることになる。

8.東アジア

  • 脱水素オレフィン製造プラントの建設が進んでいる中国で、Henig Petrochemical が大連に世界最大級のプロパン/ブタン脱水素プラントをCB&IとClariantのプロセス技術を採用して建設することが発表されている。
  • 中国の国営石油化学・化学会社ChemChinaによるドイツの大手プラスチック・ゴム加工機メーカーKraussMaffeiの買収が発表された。ChemChinaでは、スイスアグリビジネス企業Syngenta AGの買収、スイスの商社Mercuria Energy Tradingへの出資など欧州企業を傘下に収める動きが続いている。
  • 中国の大手エネルギー企業ENNが、TotalおよびChevronからLNGを長期契約で輸入することに合意した。ENNは浙江省に建設中の民間初のLNG輸入基地にLNGを2018年から受け入れる計画。
  • 中国政府は民間精製会社に輸入原油の処理と原油の輸入を認めたことがアジアの原油・製品需給に対する影響に関心が集まっている。こうした中で商務部は1月に新たに4社に対して原油の輸入権を与えたことを公表している。

9.オセアニア

  • オーストラリアのクイーンズランド州のCurtis IslandではLNGプロジェクト3件が進んでいるが、LNGプラント全6トレインの建設を請け負ったBechtelによると1月のAPLNGの稼働で既に4トレインが稼働したことになり、残りの2トレインも2016年中に稼働する見通しである。
  • 西オーストラリア州沖の天然ガスを開発するGorgon LNGの稼働が近づいているがオペレーターのChevronは昨年12月のChina Huadianに続いて、1月に中国ENNとの間でLNGの供給に合意したことを明らかにしている。

平成28年(2016年)1月

1.北米

  • 米国は原油輸出禁止策を解除したが、Turner Masonによる分析によると総輸出量は170万BPD程度で、輸出先は欧州・中南米に限定され、総体的に輸出解禁の影響は小さいと予測している。
  • カナダ西部から東部に重質原油を輸送するEnergy East原油パイプラインプロジェクトの環境対策が見直されTrans Canadaが建設計画の修正案を提出した。
  • Marathon Petroleumの2016年の設備投資で、テキサス州の2製油所の統合、子会社によるアルキレート製造・ガソリン調合設備の建設を計画している。

2.ヨーロッパ

  • ポーランドのGdańsk製油所の近代化プロジェクトEFTAでコーカーを新設したGrupa LOTOSはコーカーナフサの精製能力を拡大するために水素プラントの増設を決定した。EFTAでは中間留分の増産を図り、精製効率の改善を目指す。
  • スウェーデンPreem ABは、Lysekil製油所の近代化プロジェクトで目指すVGO増産に必要な減圧蒸留装置の改造工事のEPCm業務をAmec Foster Wheelerに発注した。
  • 欧州委員会のJRCは、EUのEU-ETSなどの諸規制が欧州の精製業に与える影響を評価した結果を公表した。それによるとコストインパクトは0.47ユーロ/バレルと見積もっている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアRosneftによる一連の大規模な製油所近代化工事が完了し、Euro-5基準の燃料製品の製造体制が整った。同社は2016年にEuro-5のガソリン1,000万トン、ディーゼル1,600万トンを供給する計画。
  • 中国CEFCはカザフスタンKazMunayGasの子会社KMG InternationalからDynefの株式51%を取得したことで、欧州の燃料販売事業に進出した。CEFCによるKMG Internationalの買収の動きも報道されており、実現すれば東欧圏の小売り事業に進出することになる。

4.中東

  • 経済制裁解除を目前に控えたイランは、石油化学プロジェクトへの大型投資を計画し、外国企業も関心を示している。一方、原油油価の下落で製油所の新設計画を懸念する見方に対し、イランは引き続き新設プロジェクトを推進する方針を確認している。
  • クウェートの大手石油化学会社EQUATEは世界有数のエチレングリコール会社MEGlobalの株式をDowから買収し全株式を保有した。
  • 原油の輸出拡大を図るイラクは、南部バスラ港・トルコ経由の輸出ルートに加え湾岸戦争以来閉鎖されているサウジアラビア経由のパイプラインの再開を検討している。
  • 米国EIAがオマーンとUAEのシェールオイル・ガスの埋蔵情報を公表した。オマーンのシェールオイル・ガスの技術的可採埋蔵量は、それぞれ62億バレル、48兆cf。UAEはシェールオイルが226億バレル、シェールガスが205兆cf。

5.アフリカ

  • ナイジェリアの製油所は老朽化が進み補修を繰り返しているが、2015年後半も稼働が停止する状態が続いていた。12月には製油所が稼働を再開し、供給不足に陥っていたガソリンの供給が始まった。
  • イタリアEniがアンゴラのLobito製油所プロジェクトを見直す運びとなった、20万BPDでハイコンバージョン仕様の製油所を建設する計画。また、Eniは上流事業でも協力する。
  • 赤道ギニアでOrphirが進めているFortuna LNGプロジェクトでLNGの取引契約が締結された。これによりプロジェクト資金の目途がつき、開発が促進するとみられている。
  • 米国EIAがオマーンとオマーン・UAEなどと同時に、中部アフリカのチャドのシェールオイル・ガスの埋蔵情報を公表した。チャドのシェールオイル技術的可採埋蔵量は、162億バレル、シェールガスが44兆cf。

6.中南米

  • メキシコ国営Pemexは、既設6製油所の近代化投資計画を発表している。低硫黄(30ppm)ガソリン、低硫黄(15ppm)ディーゼルを製造する計画。
  • メキシコ産原油の輸出は、カナダ産原油に押されて米国向けが減少しているが、その一方で欧州向けの軽質原油、アジア向けの重質原油の輸出量が増加している。
  • 干ばつの影響で水力発電量が低下したことでベネズエラの発電用天然ガス需要が増大し、重要なプロジェクトに位置付けられているベネズエラからコロンビアへの天然ガスのパイプライン輸出の開始が延期されている。
  • Vaca Muerta層で、シェール資源開発が進むアルゼンチンでは、国営YPFと米国Dow Chemicalがシェールガスの共同開発プロジェクトを拡大することが発表されている。

7.東南アジア

  • フィリピンではShellのTabangao製油所でEuro-4対応の設備改造工事が完了し、1月から製造できる見通しである。PetronのLimay Bataan製油所と合わせて、2016年1月施行のEuro-4燃料基準への準備が整ってきた。
  • 精製能力不足で燃料製品の輸入が増大しているインドネシアの政府はこれまで国営PertaminaとのJVを条件としていた製油所建設を民間単独にも許可する方針を明らかにした。なお、製品の販売は引き続きPertamina経由が条件になる。
  • UAE企業とパキスタン政府が、カイバル・パクトゥンクワ州に製油所を建設することに合意した。当初の精製能力は1.5万-2.0万BPD。
  • インドは、天然ガスの輸入拡大目指しているが、イランから天然ガスを海底パイプラインで第3国を経由せずに輸入するプロジェクトが検討されている。また、トルクメニスタンからアフガニスタン・パキスタン経由で天然ガスをインドに輸送するTAPIパイプラインはトルクメニスタン内の建設工事が始まっている。
  • Shellは廃棄バイオマスを原料とする再生可能炭化水素燃料の実証プラントをインドに建設する。プラントにはShellがGas Technology Instituteと開発してきたIH2プロセスを採用する。

8.東アジア

  • 中国国営Sinochemの製油所拡張・石油化学プロジェクトが認可された。福建省泉州市の製油所の精製能力を24万BPDから30万BPDに拡張し、エチレンプラントをはじめとする各種石油化学プラントの新設が計画されている。
  • 中国国営CNOOCとShellは恵州市の石油化学コンプレックスのJVの増強を決定した。

9.オセアニア

  • ニュージーランド唯一のRefining NZのMarsden Point製油所で進められているTe Mahi Houプロジェクトで新設CCRが稼働した。精製マージンの改善、CO2排出量の削減、定期補修期間の短縮などの効果が期待されている。
  • オセアニアでも資産の見直しを進めているShellは、ニュージーランドのMaui天然ガスパイプラインの資産の売却を発表した。Mauiは、同国の天然ガス輸送の基幹となるパイプラインで生産拠点と発電プラントやメタノールプラントを接続している。

平成27年(2015年)12月

1.北米

  • 米国EPAが2014,15,16年の再生可能燃料の最新の使用義務量を公表した。2016年の総量は、2007年の計画より低く設定されているが、2014年比で11%増、先進バイオ燃料は35%増、セルロース系は7倍に設定されている。
  • 今回EPAが定めた数量について、トウモロコシ農家・バイオエタノール業界は当初計画量からの減少は打撃で、一方の石油業界は目標値の見直しは歓迎するものの削減率は不十分とみている。
  • 独立系Tesoroは、Flint Hillsのアラスカ州の販売・流通資産を買収した。同州にKenai製油所を保有するTesoroはFlint Hillsの実質的にターミナルに転用されているNorth Pole製油所の買収を見送ったが、その理由は装置構成が不十分であること、環境対策が必要であることが挙げられている。
  • カナダでは連邦・アルバータ州で中道左派政党が政権を握ったが、ブリティッシュコロンビア州北部沿岸の原油タンカー航行禁止に向かっている。また、ビチューメンを米国メキシコ湾岸へ輸送するKeystone XLパイプラインの建設反対の意向で、アルバータ産のオイルサンド由来の原油類を国外に輸出する計画に逆風となっている。
  • 一方、国内でカナダ産原油を処理し、原油輸送に比べ影響が少ないとする製油所新設プロジェクトの行方も不透明な状況にある。

2.ヨーロッパ

  • 英国気候変動省(DECC)がバイオ燃料の消費統計を公表した。2015年2Qのバイオ燃料の総量は前年同期比で23.5%減、バイオディーゼルが41.1%の大幅減、バイオエタノールは1.5%減に止まった。
  • 英国運輸省が発表した過去10年の国内のバイオ燃料の使用状況によると、バイオ燃料の供給量は陸上輸送用燃料(農耕機などを含む)総量の2.85%相当の37万KLで半分の18.5万KLが「持続可能」基準に合致している。
  • 英国で消費された持続可能バイオ燃料のうち73%がバイオエタノール、25%バイオディーゼル。バイオ燃料の原料の32%が国内調達。消費バイオ燃料のGHG排出削減効果は69%(ILUCを考慮せず)。
  • 原油安を受けてイタリアEniは、資産売却を進めている。Eniは天然ガス供給会社Snam Rete Gas、エンジニアリング会社Saipemに保有する株式の売却に加えて、ポルトガルのGalp Energiaの持ち株の売却を進めている。さらに、モザンビーク沖合の天然ガス田の権益などの売却の動きも伝えられている。
  • ShellはオランダのPernis製油所に溶剤脱瀝装置を建設する最終投資決定を下した。重質留分を削減し、軽質・高付加価値製品の増産を図る。
  • 西側諸国による経済制裁解除を控えたイランがイラン原油を処理する製油所を欧州に単独ないし共同で建設することを計画し、関係国と交渉していることが報道されている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア極東Kozmino港からのESPO原油輸出量が、今年3,040万トンになり、2017年までに3,600万トン/年に到達する見通しで、桟橋・貯蔵施設の拡張が進んでいる。
  • トルクメニスタンのTurkmenbashi製油所の新設CDU(6万BPD)が12月に稼働し、精製能力は23.4万BPDになり、PPフィルムプラントの完成も近づいている。同国では、Seydi製油所の改質装置も間もなく稼働予定である。

4.中東

  • 2015年UAEでは、Ruwais製油所の拡張・近代化プロジェクトの完了、燃料価格制度の規制緩和、ポリマー研究・開発施設の開設など石油関連部門で進展があった。同国では、太陽光発電能力の拡大も進んでいる。
  • オマーンの大型石油化学プロジェクトLiwa Plastics Industrial Complexでスチームクラッカー・ポリマープラント・NGL抽出プラント・NGLパイプラインのEPC契約が締結され、2018年完成に向け建設プロジェクトが本格化する見通しである。
  • 天然ガスの増産、経済制裁解除を控えたイランが、5件のLNGプラントを検討していることが報道されている。

5.アフリカ

  • EIAのCountry Analysis更新にあわせてリビアの石油・天然ガスの概況を報告している。同国ではカダフィ政権崩壊後、政情の混乱から脱却できず原油・天然ガスの生産・輸出の回復が進んでいない状態が続いている。
  • 精製能力不足が懸案の南アフリカ共和国は、制裁解除後イランからの原油輸入再開を急ぐ方針であるが、イランによる製油所建設プロジェクトへの協力や石油製品の輸入、またイランへのGTL(FT)技術の提供などが検討されている模様である。

6.中南米

  • EIAのCountry Analysis更新にあわせてベネズエラの石油・天然ガスの概況を報告している。同国ではチャベス前大統領による石油・天然ガス事業の国営化後、投資不足に影響で生産量の低迷状態が続いている。
  • ベネズエラ国営PDVSAは国内外で精製事業を展開しているが、投資不足で国内製油所の稼働率が低下している。なお、オリノコ超重質原油のアップグレードは外国企業とのJVで進めている。
  • エクアドル国営PetroecuadorのEsmeraldas製油所の近代化プロジェクトでは、CCR・水素化脱硫装置が完成し、高品質ディーゼルが製造可能になった。
  • 天然ガス供給網の整備に注力するメキシコでは、国営電力会社CFEがカナダのTransCanadaとの間でTuxpan-Tulaパイプラインの建設・運営契約を締結した。TransCanadaにとってメキシコで5本目の天然ガスパイプラインプロジェクトになる。

7.東南アジア

  • インドネシア国営PertaminaのCilacap製油所の近代化プロジェクトにサウジアラビアSaudi Aramcoが参加することが発表されている。CDUの更新、RFCCの増能、水素化分解装置などの導入が計画されている。
  • Cilacap製油所では、11月下旬に新設RFCCが正式に稼働している。低硫黄・高ワックス残渣油を処理し高オクタンガソリン基材の増産、プロピレンの製造を図る。
  • インド国営IOCの新設Paradip製油所では、製品(ディーゼル・灯油・LPG)の初出荷式典が挙行された。各種装置が立ち上がりフル稼働に向けた作業が進んでいる。
  • マレーシアの大型石油精製・石油化学プロジェクトRAPIDでは、主要石化プラントの一つであるポリプロピレンプラントのEPCC業務を伊Maire Tecnimontと中国China HuanQiuが受注した。
  • パキスタン投資庁は米国国際開発庁の協力で実施した調査の結果、シェールオイル・ガスの埋蔵量が従来のEIAの数値にくらべて高いことを発表している。

8.東アジア

  • Honeywell UOPが、中国の製油所の今後のアップグレードの方向性を調査した結果を公表している。残渣油アップグレードが最優先で、長期的なテーマであること、中国では水素化脱硫分解技術が有望で、ディーレードコーカーは不向きであるとしている。
  • EIAが、中国のCO2削減政策をレポートしている。中国はCO2削減目標を新たに公表しているが、石炭の消費量の抑制の成否が鍵になる。
  • 中国はインドとともに、石炭輸入量の増大が続いていたが、2014年には21年ぶりに減少に転じた。国産炭の増産、輸入を制限する政策が働いている。

9.オセアニア

  • オーストラリアのノーザンテリトリー政府は、同州とクイーンズランド州を結ぶ天然ガスパイプラインの建設・運営会社に中国系のJemera Northern Gas Pipelineを選定した。
  • ニュージーランド政府はCO2排出量を2030年までに2005年比で30%削減するなど目標を発表しているが、実現には排出権取引制度NZ ETSも活用する方針で、担当機関がETSの見直しを進めている。

平成27年(2015年)11月

1.北米

  • ノースダコタ州では、原油開発の減速でディーゼル需要が伸びず、TesoroのMandan製油所が拡張したことも加わり、今年4月に稼働した新設Dakota Prairie製油所の収益が期待を下回っている。
  • 米国Marathon Petroleumは、原油価格の低迷を受けて、大型投資案件として計画されていたGaryville製油所で残渣油処理能力向上・製品品質向上プロジェクトを中止した。
  • 米国の環境団体EWGは、バイオエタノールの炭素強度を原料別に比較評価し、今後はセルロース系エタノールなどの普及が重要であるとして、RFS2の改訂を提言している。

2.ヨーロッパ

  • 精製能力削減を進めるTotalはフランスのDonges製油所に減圧軽油水素化脱硫装置の導入を検討している。また、敷地内を通過している鉄道の移設を行う計画が合意された。
  • 欧州市場の需要増を見据えてExxonMobilは、オランダRotterdam製油所の水素化分解装置を拡張し、GroupUベースオイルと超低硫黄ディーゼルを増産する計画である。
  • ロシアRosneftは、イタリアのエネルギー会社Saras S.A.に保有する株式の一部を売却する。西側諸国による経済制裁が、Sarasに対する投資に支障が出ていると見られている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアLukoilは、Nizhny Novgorod製油所の第2 FCCの稼働を開始した。減圧原油処理能力が4万BPD増強されEuro5燃料110万d/年の増産が可能になった。同時に、プロピレンの製造能力も30万d/年に拡張されている。
  • カザフスタンでは3製油所で近代化プロジェクトが2016年完了を目指して進行中で、多数の装置が新設され、Euro-5基準のガソリン・ディーゼル、ジェット燃料が大幅に増産されることになる。
  • カザフスタンとイランが共同でカザフスタンに第4の製油所を新設することが合意された。このプロジェクトに中国も参加する意向を示しており、イランや中国への製品輸出が計画されている模様である。
  • カザフスタンとイランの間では、カザフスタンの製油所からイラン北部に燃料製品を輸入し、イラン南部からカザフスタンに原油を輸出するスワップ取引が復活する見通しである。さらに、スワップされた原油を中国に輸出することが検討されている。

4.中東

  • 世界的な天然ガスの生産・輸出国であるカタールの石油、天然ガス事業の概況をEIAの最新レポートを中心に紹介する。
  • COP21会議を控えてサウジアラビアSaudi Aramcoは世界の大手石油会社と共同で気候変動に取り組む方針を明らかにしている。同社は、フレア対策・廃棄物削減・CCS・再生可能エネルギー分野で実績を積んでいる。
  • ヨルダンとエジプトは、イランからの天然ガスの輸入や、エジプト沖地中海の資源開発で連携することで合意した。また、エジプトによるヨルダンへのエネルギー投資の拡大も協議されている。

5.アフリカ

  • 2020年の原油生産を前に、原油輸出パイプラインの建設を計画しているウガンダが、タンザニアルートの検討を進める事でタンザニア政府と合意している。
  • 南アフリカ共和国国営PetroSAの天然ガス開発プロジェクトが不調で、既存天然ガスが枯渇に近づき新規天然ガス供給源がMossel Bay GTLの操業におよぼす影響が懸念されている。
  • 南部アフリカの内陸国ボツワナ共和国で、石炭を原料とするCTL(coal to liquid)・コジェネレーション・肥料プラントを建設するプロジェクトが発表されている。

6.中南米

  • コロンビア国営EcopetrolのCartagena製油所が稼働した。中南米で最先端の設備で、国産原油から高品質燃料製品を製造しコロンビアの環境改善・燃料自給に寄与することが期待されている。
  • メキシコでは米国のシェール開発とパイプラインの整備が進み、大量の天然ガスを米国から輸入できるようになった結果、LNGの輸入量が減少し、LNG輸入ターミナルの稼働率も大幅に低下している。
  • 中断していたトリニダード・トバゴのGTLプロジェクトが、新たな体制の下で再出発することが決まり、建設再開に向けた検討が始まった。
  • ベネズエラ国営PDVSAは、カリブ海アンティグア・バーブーダの石油会社WIOCの株式25%を買収し、同国との共同事業に進出を図る。

7.東南アジア

  • インドネシアの石油・天然ガス下流事業の概況を、EIAの最新レポートを中心に紹介する。
  • 2015年12月開催予定のOPEC総会でインドネシアの再加盟が承認される見通しである。同国は減産と需要増で原油の純輸入国であるが、油田の立地条件から原油の輸出は今後も継続する見通しである。原油の調達などでOPEC諸国による協力を期待している。
  • マレーシアの大型プロジェクトRAPIDの主要装置の一つである水素プラントの改質装置をRAPID全系のFEEDを担当したTechnipが受注した。

8.東アジア

  • 中国国営SinopecのJiujiang製油所の拡張・近代化工事が完了した。プロジェクトの次のステップで国5規格の燃料製品の増産が期待されている。
  • BPは、中国国営CNPCとの間でシェール開発・リテール事業のJV設立、国営電力会社China Huadian Corpとの間で長期天然ガス供給契約の締結など、中国との連携強化を発表している。

9.オセアニア

  • オーストラリア クイーンズランド州のGLNGからLNGが初輸出された。輸出先は、JVメンバー国である韓国。また、パプアニューギニアのPNG LNGプロジェクトでは設計能力以上の稼働でLNG生産・輸出が行われるなど順調な操業が続いている。
  • オーストラリア政府は、クイーンズランド州のCSG(coal seam gas:炭層メタン)開発の社会経済学的評価レポートを発行した。CSG開発の影響が多面的に解析されている。

平成27年(2015年)10月

1.北米

  • 製油所買収に積極的なPBFは、テキサス州Chalmette製油所に続きカリフォルニア州のExxonMobil Torrance製油所の買収を決め、米国のほぼ全域への進出を果たしている。
  • EIAがPADD5(米国西海岸諸州・アラスカ州・ハワイ州)の燃料市場の特性を「製油所立地と精製能力」、「需要と地理条件」、「製品品質・規格」から分析した結果を公表している。
  • 米国EPAが製油所に対する新たな環境規則を発表した。製油所境界のベンゼン濃度モニタリングの義務化が盛り込まれた。定常・非定常時を含めた排出量の監視により、製油所周辺の環境改善を目指している。

2.ヨーロッパ

  • クウェート国営KPCの国外事業子会社KPIのオランダEuropoort製油所の売却先としてトレーダーのGunvorが有力候補に浮上している。Gunvorは買収後、クウェート原油の代替でロシア原油を処理し、アジアに製品を輸出すると見られている。
  • 韓国SK LubricantsとスペインRepsolのJV潤滑油会社ILBOCは、昨年スペイン新設ベースオイル工場を稼働し、同社のGroupVベースオイルの製造能力は欧州市場の40%に上っている。なおSK Lubricantsは、GroupVの世界シェア1位を目指している。
  • 欧州石油環境保全連盟(CONCAWE)が、石油産業の人身事故統計を公表した。事故発生頻度は2007年以降低下を続け2014年は最低を記録している。また事故発生頻度も2009年以降低下が続いている。

3.ロシア・NIS諸国

  • アゼルバイジャンのBaku製油所はEuro-5基準燃料の製造を目指す近代化プロジェクトの一環でビチューメン製造装置の新設計画を発表している。
  • ジョージアが計画している製油所新設プロジェクトへの入札は不適合となり、再入札が予定されている。Euro-5基準の燃料を製造し国内外に供給する計画で、精製能力は最低4万BPD、建設地はPotiが最有力候補に挙がっている。
  • 東シベリアESPO原油を中国に輸送するMohe-Daqing第2パイプラインが完成すると原油輸送量は3,000万d/年になる計画であるが、完成までの間はPetroChinaの製油所はKozmino港からESPO原油をタンカーで輸送される見通しである。

4.中東

  • イランのケルマーンシャー州でAnahita製油所の起工式が行われた。同製油所は精製能力15万BPDの2次装置装備率の高い本格的な製油所で、Euro-5基準の燃料の製造、国産原油の処理量拡大を目指している。
  • イランとオマーン両国は、イランから天然ガスを輸送するパイプラインの建設に向けた具体的な検討を開始した。両国は石油・天然ガス事業で協力する方針を明らかにし、具体的にはイランのSirafコンデンセート製油所にオマーンが関心を示している。
  • サウジアラビアSaudi Aramcoは、ドイツのLANXESSと合成ゴム事業のJVを設立し、国内に大規模な合成ゴムプラントを建設する計画である。
  • アゼルバイジャンSOCARがトルコに建設中のSTAR製油所プロジェクトの進捗度は30%で、10月には港湾施設が完成する。同社は、トルコの石油化学・製油所・パイプラインプロジェクトに2008-2018年に200億ドルを投資する計画で、トルコ最大規模の製造企業に成長することを目指している。

5.アフリカ

  • ナイジェリア国営NNPCは、傘下のKaduna製油所を整備し事業の継続を図る。ナイジェリア政府は民間製油所の新設を進める計画であるが、NNPCは同社が保有するインフラを提供する方針を明らかにしている。
  • 南ア共和国のSasolは、国内の主要製造拠点であるSecundaとSasolburgの今後のプロジェクトの立案にFluorと共同で取り組むことを明らかにしている。
  • 石油天然ガス資源の乏しい南ア共和国は、隣国のモザンビークの天然ガスへの依存度を高めているが、Sasolは国営PETROMOCとの間でモザンビークから天然ガスコンデンセートを輸入することに合意した。

6.中南米

  • 米国エネルギー情報局(EIA)が更新したカントリーレビューを基にメキシコの石油下流事業の現状を概観する。同国は国営Pemexの独占を排し鉱区の入札を始めている。国内製油所が国産重質原油を処理できないことから、米国から軽質原油をスワップ輸入する予定である。精製能力不足には既存製油所の拡張を優先する方針である。天然ガスパイプラインを整備し米国からの天然ガスの輸入を増やし、LNG輸入を無くす計画である。
  • ベネズエラ国営PDVSAが、R&D子会社IntevepPDVSAの技術開発成果をレビューしている。探査・生産・精製・環境分野で技術開発が進み、製品化・実用化に至ったものも多い。Orinoco超重質原油関連の技術開発も進んでいる模様である。

7.東南アジア

  • インドネシア政府のB20(バイオ燃料20%配合)ディーゼルの導入計画の前倒しを受け、国営PertaminaはFAMEの調達を準備している。政府は燃料価格とパーム油市場価格の差を埋めるための基金を設立し、原料のFAMEの調達を促進する方針である。
  • シンガポールの石油精製、石油化学事業を重視しているShellがJurong島に建設していた高純度エチレンオキサイド・アルコールエトキシレートプラントが稼動した。

8.東アジア

  • ロシアは中国と石油天然ガス事業の結びつきを深めているが、中国国営Sinopecは、ロシアの石化会社Siburへ出資することに合意した。Sinopecは同社との中国国内の共同事業に加え、Siburのロシア事業にも参画する方針である。
  • 米中の環境協力事業の一環で、米国Algenolと中国Fujian Zhongyuan Companyが中国南部に大規模に工業排出されるCO2を原料に藻類の光合成を利用してバイオ燃料(エタノール、炭化水素)を製造するプロジェクトが立ち上がった。
  • 中国国営CNPCが、四川省で大規模なシェールガスの埋蔵を発見した。米国EIAによると中国では米国の開発技術を基にシェールガス開発コストが低下している。なお、中国ではもう一つの非在来型天然ガスCBMの開発が行われているが米国・豪州に比べて生産性が低いレベルにある。
  • 中国環境保護部が環境汚染データを公表している。設備改善が進んだ結果、環境汚染指標物質の濃度は減少している。また、74都市の環境基準達成率(日数)も公表されている。

9.オセアニア

  • 製油所閉鎖が続いたオーストラリアから、ExxonMobilのAltona製油所の状況が報告されているが、原油市場の好転や過去の設備投資が功を奏し同製油所の操業は順調で、ビクトリア州の雇用拡大にも貢献している。
  • Caltex Australiaは、メルボルン近郊に同国初の本格的なCNGステーションを開設した。CNG普及拡大を目指している大手電力AGLと共同で設置したもので、両社はCNG車の普及促進を目指している。
  • ニュージーランドでは新燃料基準の導入を前に規則の討議資料が公表されている。燃料中の硫黄濃度を現行の50ppm以下からEuro-5相当の10ppmに、ガソリン中のバイオ系燃料配合率は酸素含有量3.7%(E10相当)とされ、配合基材種の選択幅が拡大している。ディーゼルはB5(バイオディーゼル配合率5%)からB7に変更される。

平成27年(2015年)9月

1.北米

  • 米国CHSは、100%子会社化したMcPherson製油所でコーカー更新、ディーゼル増産プロジェクト、Laurel製油所では処理原油種の多様化を目指した近代化工事を進めている。CHS両製油所で、次期近代化、精製能力拡大計画が検討されている。
  • カナダの製油所、オイルサンド原油アップグレーダー、パイプラインの現状、新増設プロジェクトの概況を解説した。既設の14製油所に加えて少なくとも3件の新規製油所が提案され、アップグレーダーは6基操業している。オイルサンド由来の原油の輸送ではパイプラインの新設・拡張プロジェクトが計画されている。
  • 世界的な原油価格の下落で、北米東北部の製油所にとり鉄道輸送に依存するBakken原油の価格メリットが目減りしている。こうしたことから同地域の製油所では輸入原油を優先する動きが出ている。

2.ヨーロッパ

  • 英国の第1四半期の石油の需給状況は、@ 原油処理量・石油製品製造量が減少、A 原油輸入量が減少、B 製品輸入量は増加、輸出は減少、Cガソリン需要量が減少、ディーゼル/ジェット燃料が増加、D 原油・製品備蓄量は増加、などとなっている。
  • バイオ燃料消費量は、昨年同期に比べ全体で19%減、内訳はエタノールが1.6%減であるのに対しバイオディーゼルは36%減と大幅な落ち込みを示している。
  • TotalとEniは、Eniが開発した重質油分解技術Eni Slurry Technology(EST)のライセンス契約を締結した。両社は、Totalの製油所へのESTの適用を検討することになる。
  • EU加盟28ヶ国のバイオ燃料消費量データが公表された。EU全体で2014年の消費量は2013年に比べ6.1%増加したが、2012年の水準には届かなかった。EUのバイオ燃料に関しては、間接的土地利用変化(ILUC)の評価の問題、消費量統計上では国によっては製造原料によって異なる消費量の換算係数の問題が存在する。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアでは政府の東方重視政策の下で、東部地域のエネルギーインフラ整備が進められている。Rosneftは、極東NakhodkaにESPOパイプラインと連結する製油所・石油化学コンプレックスプロジェクトFEPCOの検討に力を入れている模様で、最近中国のChemChinaの参画も伝えられている。
  • FEPCOでは、ポリプロピレン、ポリエチレン類の製造プロセスにIneos、直鎖αオレフィンにAxens、スチームクラッカーにLummus Technologyの技術が採用される模様である。また合成ゴム関連の技術協力にPirelli、Synthos、全体の技術アドバイザーにKBR、スチームクラッカーのFEEDに東洋エンジニアリングなどが挙っている。
  • 極東のKhabarovsk製油所に原油を供給するESPO-2パイプラインの支線が8月半ばに稼働している。今後、Komsomolsk製油所やFEPCOプロジェクト向けにも支線パイプラインが敷設される予定である。

4.中東

  • オマーンOrpicのSohar 製油所近代化プロジェクトは、オマーン初の水素化分解装置の設置が終わり、建設工事は良好な安全成績かつ順調に進捗している。
  • OrpicのLIWA Plasticsプロジェクトで、ポリマープラント・NGL抽出プラントのEPCの入札が行われ、今後スチームクラッカー・パイプラインの入札も予定されている。プロジェクトの最終投資決定は10月末までに下される見通しである。
  • クウェートKNPCのAl Zour製油所新設プロジェクトで、オフサイトや港湾施設関連の建設契約をイタリアSaipem、インドEssar Eng、韓国Hyundai E&C・SK E&Cが落札したことが発表され、オンサイト・オフサイト全5件の契約が完了している。

5.アフリカ

  • エジプトAlexandria製油所近代化プロジェクトの主要プロセスのライセンサーがHoneywell UOPに決まった。CCRプラントを増設し、低硫黄ガソリンの増産を目指す。
  • 天然ガス需要増に応えるために、LNG輸入拡大を急ぐエジプトではロシアRosneftからのLNG輸入、2基目の浮体式LNG輸入設備の導入などが相次いで発表されている。
  • ナイジェリアの新政権は懸案の石油産業法の制定を慎重に進める方針で、制定までの間は現行法の適用で直面する課題に対応する方針を表明している。
  • 新体制に移行したナイジェリア国営NNPCは、価格が高すぎることなどを理由に自社の製油所向けの原油調達契約を解消し、原油調達契約を見直すことを明らかにした。

6.中南米

  • メキシコが提案したメキシコの重質原油と米国の軽質原油のスワップ輸出・入が、米国商務省より原油禁輸政策の例外措置として認められた。EIAは、各原油性状が製油所の稼働に与える影響を解析し、両国にとってメリットがあると評価している。
  • ブラジルのComperj製油所プロジェクトでは第1トレインの建設が進んでいるが、Petrobrasの投資が抑制されるなかで、民間投資を活用する方針が明らかにされている。
  • エクアドルは近代化プロジェクト完了間近のEsmeraldas製油所に、設備仕様に最適な原油を供給する計画で、重質・高硫黄の国産原油に代わり最適な性状の原油を輸入する計画である。
  • アルゼンチン国営YPFは、石油化学部門を強化する目的で、国内のポリプロピレン製造会社Petroken、Petrocuyoの株式取得を進めている。

7.東南アジア

  • インド国営精製会社IOCの最新の事業状況が公表されている。精製量、国内燃料販売シェアは1位で、販売拠点の約半数を保有し、石油化学プラント、大規模な原油・製品パイプラインシステムを保有している。さらに、国内外の上流資産の取得も進んでいる。原油安を背景に2014-2015年および直近の業績も好調である。
  • IOCのHaldia製油所では、軽油の収率向上を図る近代化プロジェクトが計画されている。既存蒸留装置の増強や、ディレードコーカーなどの新設が予定されている。Punj Lloydが重要な部分の契約を獲得したことが伝えられている。
  • ベトナムDung Quat製油所では精製能力を650万d/年から900万d/年に増強するプロジェクトを計画しているが、2016年第1四半期に着工、2021年間に完成させるスケジュールが明らかにされている。またAmec Foster Wheelerが、プロジェクトの設計業務、プロセスライセンサー調整業務を受注している。

8.東アジア

  • 中国国営石油会社PetroChina、Sinopec Corp、CNOOC limitedの2015年上半期の業績が発表されている。原油価格下落を受け上流事業の収益が悪化し、全体としては減益であるが、精製事業は好調で損失を一部相殺している。
  • ロシアから中国に天然ガスを輸送するパイプラインのうち西方ルートのPower of Siberia 2の建設に向けて両国で調整が進められ、9月中にも契約が締結される見通しが伝えられている。
  • 中国交通運輸部は、中国の主要港湾地域(珠江デルタ、長江デルタ、渤海)で船舶からの汚染物質の排出量を削減する規則を公表した。
  • PetroChinaのHuabei製油所でガソリンエーテル化装置の増強工事が完了し、高オクタンガソリンの増産が期待されている。

9.オセアニア

  • 2014年にKurnell製油所を閉鎖し、3月にChevronによる株式売却が行われたCaltex Australiaの2015年上期の業績が良好であることが発表されている。原油価格の下落、Lytton製油所の高稼動、シンガポール拠点の原油・製品トレーディングが順調であることが伝えられている。
  • 2014年に稼働したパプアニューギニアのPNG LNGの稼動、LNG販売が順調で、オペレーターのOil Searchの業績にも貢献している。
  • オーストラリアのGladstone LNGは、2015年第3四半期の稼動に向けて順調に各工程の準備が順調に進んでいる。

平成27年(2015年)8月

1.北米

  • Totalは、米国テキサス州のPort Arthur製油所の保有株式の半分を売却する。同社は、米国における精製事業からの撤退では無く共同事業体として事業継続を図ると見られている。
  • ExxonMobilは、シェールオイルの増産に対応してBeaumont製油所の精製能力を拡大し軽質原油の処理能力を増強する計画を発表している。
  • ノースダコタ州で、3件目の製油所新設プロジェクトが、Quantum Energy Inc.とNative Son Holdingsから発表された。精製能力は4万BPDでガソリン・ディーゼルを製造する。
  • 米国の国産原油の禁輸政策に関して、禁輸解除の影響を評価した報告書が公表された。
    報告書は、「禁輸措置が燃料価格の抑制に寄与している」「禁輸を解除すると、国内精製業が打撃を受け、貿易収支、安全保障面でもマイナス」と結論付けている。

2.ヨーロッパ

  • スペインの公正取引委員会は、同国の燃料販売市場は新規参入が難しい構造になっているとの見解を明らかにした。大手3社Repsol・Cepsa・BPが製油所を独占し、輸送・貯蔵・配送部門も支配していることから、新規参入者の競争力は相対的に弱い位置にある。委員会は、大手3社の役割を始めとする市場の改善策を提言している。
  • スペインでは燃料販売店舗が2007年の8,900ヶ所から2014年末には10,712ヶ所に増加している。卸売企業19社の店舗数は7,699、大手3社が全体の53%超を占めている。
  • アイルランドのWhitegate製油所は、売却が不調に終わり政府の意向を受けたPhillips 66が少なくとも2016年までは操業を続けることになっているが、同社が売却検討を再開するとの見方が報じられている。
  • 欧州自動車工業会が、EUの代替燃料自動車(AFV)の登録台数を公表している。AFVの2015年2Qの登録台数は昨年2Qに比べ17.4%増加し、14万台を超えた。内訳ではバッテリー電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池車が大幅に増加した。国別では、英国・フランス・スペインの登録台数が多い。

3.ロシア・NIS諸国

  • カザフスタンで製油所新設の計画が報じられている。建設地はMangistau州、精製能力は20万BPD。製油所建設にはイランが関心を示している。カザフスタンには燃料の自給率向上、イランには原油輸出先・製品輸入先を確保の意図があると見られている。
  • ロシアGazprom NeftのMoscow製油所の近代化プロジェクトの着工が当局の認可を受けた。常圧蒸留装置(12万BPD)の追加、2次装置の増設が予定されている。これにより増処理・定期修理の間隔の延長が期待されている。

4.中東

  • 米国エネルギー情報局(EIA)が更新したカントリーレビューを基にトルコの石油下流事業の現状を概観する。同国は経済発展を背景に石油・天然ガス需要が増え、またアジア-欧州を結ぶ石油・天然ガス輸送パイプラインの中継国としての役割が増している。
  • クウェートでは、クリーン燃料プロジェクト・製油所新設プロジェクトが進捗している。Al Zour製油所では、建設に向けた複数の大型契約の締結が発表されている。
  • オマーンは、重質原油の増進回収に必要なスチームを超大型の太陽光プラントで製造する計画で、米国のGlassPoint Solarの技術を採用することが発表されている。
  • イランの天然ガスを海底パイプラインで、対岸のオマーンに輸出するプロジェクトが発表されている。イランは、中東湾岸地域への天然ガス輸出を優先する方針である。

5.アフリカ

  • 石油、天然ガス事業の推進を図るエジプトが、イタリアと上・下流分野で5件の共同事業が合意に達している。精製事業分野ではAssiut・MIDOR製油所の近代化プロジェクトを共同で推進することが確認されている。
  • 間もなく産油国の仲間入りを果たすウガンダのエネルギーインフラ整備計画をIMFが分析している。IMFは、ウガンダの財政状況が健全であること、投資に民間活力を利用すること、プロジェクトのチェック機能が準備されていることを高く評価している。
  • ケニアおよび東部アフリカ諸国にとって重要な、Mombasa-Nairobi石油製品パイプラインプロジェクトの資金調達について金融機関コンソーシアムと合意ができたことが発表され、プロジェクトの実現に向けて前進した。

6.中南米

  • ブラジル国営Petrobrasが、中期投資計画を見直し投資を大幅に削減することを発表している。原油生産目標が引き下げられ投資額が減額、精製部門も昨年に続き投資が縮小されている。背景には汚職による信用低下に対応するための財政の健全化がある。
  • 米国自治領プエルトリコにLNG輸入ターミナルを建設するプロジェクトを政府機関が認可した。発電燃料を重油から天然ガスに転換することで、コスト削減やCO2・汚染物質の排出量カット、周辺海岸地域への油流出リスクの低減の効果が期待されている。
  • メキシコ国営Pemexは、プエブラ州でメタノールを増産し、ガソリン配合基材として利用する計画である。
  • アルゼンチン・ネウケン州が、非在来4鉱区の開発権をアルゼンチンのYPF・Pan American Energy、ドイツのWintershallに与えた。シェール資源開発が進むVaca Muerta地域の生産拡大が期待されている。

7.東南アジア

  • マレーシアからは、ケダ州に製油所を建設する計画が発表されている。サウジアラビアとアジア企業のJVによるプロジェクトで英国Amec Foster WheelerがFSを実施する。 またBASF PETRONAS Chemicalsは、アジア最大規模の反応ポリイソブチレンプラント(5万d/年)をマレーシア半島のKuantanに建設する計画を発表した。
  • シンガポールにSolvayが建設していた非イオン系界面活性剤の世界最大規模の大型プラントが完成した。周辺国から原料油脂、周辺のプラントからエチレンオキサイドの供給を受ける。
  • 稼働に向けたプロセスを進めているインド国営IOCのParadip製油所の関連プロジェクトで、港湾インフラ施設が完成した。原油・製品桟橋、製油所と繋がる原油・製品・用役パイプライン等が稼動を始めている。
  • ニューデリーで、バイオ燃料の普及を見据えた石油・天然ガス省主催のセミナーが開催された。インドは、バイオ燃料普及に向けたロードマップを作成する予定である。

8.東アジア

  • 中国でUOPの新規プロセス技術を採用したアロマプロジェクト(Ningxia Baota Chemical Fiber)、UOPとして中国で5件目のMTO(methanol-to-olefin)プロジェクト(Better Clean Energy)が発表された。中国では、大手国営企業以外によるアロマ・MTOプロジェクトが活発である。
  • 中国は国営企業以外にも輸入原油の処理を認める方針であるが、中国商務部は精製能力、原油備蓄・受入能力、環境基準等の条件を満たした企業に原油の輸入を認めることを発表した。
  • 韓国S-Oilは、蔚山製油所の重油得率を減らし、プロピレン増産を図るプロジェクトRUCPの概念設計・プロセスライセンスをAxensに発注したことが発表され、新設設備の概要が明らかにされている。

9.オセアニア

  • 閉鎖が決まっているオーストラリアBPのBulwer Island製油所で既存施設を利用するジェット燃料ターミナルが完成した。また、同製油所は原油処理を終えた。
  • オーストラリアクイーンズランド州のAustralia Pacific LNGプロジェクトでは、天然ガス田・天然ガス処理プラント建設が進展し、液化プラントでは冷媒注入が始まりトレイン1が2015年第4四半期に稼働する予定である。
  • クイーンズランド州のQueensland Curtis LNGプロジェクトでは、第2トレインからのLNG積み込み作業が開始している。

平成27年(2015年)7月

1.北米

  • 米国エネルギー情報局が、2014年に米国の原油精製設備能力が昨年に続いて微増し1,800万BCD(暦日)に達したことを発表している。米国では設備稼働率も上昇している。
  • 独立系精製会社PBF Energyは、ExxonMobilとベネズエラPDVSAの合弁 Chalmette Refining LLCの全株式を買収する。同製油所は重装備仕様で、PBFの総精製能力は35%増強される。PBFは、買収後に軽質原油処理能力の拡大を計画している。
  • 米国中西部では、Northern Tier Energyのミネソタ州St. Paul Park製油所、Marathon Petroleumのオハイオ州Canton製油所、ケンタッキー州Catlettsburg製油所でBakken原油の増処理に向けた設備投資が進められている。

2.ヨーロッパ

  • 2012年に倒産した旧Petroplusの英国Coryton製油所の跡地にターミナルを建設する計画は実現に至っていないが、製油所跡地の2/3の売却が決定した。
  • 精製、石化資産の売却を進めているTotalは、ドイツのPCK Raffinerieに所有する全株式をロシアRosneftに売却し、Rosneftの持株比率は35%強になる。
  • BPとRosneftは、ドイツにある両社の均等出資会社Ruhr Oel inerie GmbHの製油所の持ち分を両社で再配分することに合意した。BPはGelsenkirchen製油所・DHC Solvent Chemieを完全子会社化し、Rosneftはそれ以外の製油所の持分を引き受ける。

3.ロシア・NIS諸国

  • サンクトペテルブルクで開催された第19回経済フォーラムの期間中にRosneftは多数の重要契約の締結や合意に至っている。天然ガスの自動車燃料利用、原油・石油製品の輸出拡大、中国ChemChinaとの関係系強化などが注目されている。
  • Lukoilが建設していたVolgograd製油所の常圧蒸留装置を稼働したが、同社はNizhny Novgorod製油所・Perm製油所・Stavrolen石化コンプレックスの近代化プロジェクトが完了、進捗中であるほか、発電プロジェクトにも力を入れている。

4.中東

  • 米国エネルギー情報局(EIA)が更新したカントリーレビューに合わせて、イランの石油下流事業の現状を概観する。
  • イランで、コンデンセートを精製するSiraf製油所が着工した。小規模な精製プラントを8基建設するプロジェクトで、アジア向けのナフサの製造を目指している。
  • イランのKermanshah製油所の精製能力を2万BPDから4万BPDに引き上げ、Euro-4/5ガソリンを製造する計画である。
  • イランは天然ガス処理プラントの増処理を進め、石油留分の増産を図る計画である。
  • イランが輸入するガソリンが全量Euro-4仕様になったことが公表された。イランは国内でEuro-4ガソリンの増産に力を入れている。
  • UAEのバイオ航空燃料のロードマップを示す報告書が公表された。UAEでは、塩生植物や都市ゴミを原料に想定している。報告では燃料の製造技術がレビューされている。

5.アフリカ

  • 米国エネルギー情報局(EIA)が更新したカントリーレビューに合せて、エジプトの石油下流事業の現状を概観する。
  • エジプトASORCがAsyut製油所で進めている高品質ガソリン製造を目的とする近代化プロジェクトでナフサ脱硫装置・CCR・異性化装置にAxensのプロセスの採用が決まった。
  • ガーナのTema製油所では、資金不足によるメンテナンス不足で稼働率が落ちていたが、補修工事が進み公称能力への回復が見込まれている。

6.中南米

  • ベネズエラPDVSAとロシアRosneftの間の連携強化が発表され、オリノコ重質原油開発、アップグレーダープロジェクトなどで進捗が期待されている。
  • 南米の内陸国ボリビアと太平洋側のペルーの間で、石油化学・パイプラインの共同事業が発表されている。将来的には南米の大西洋-太平洋間の石油・天然ガス資源の流通に向うものとの見方が伝えられている。

7.東南アジア

  • フィリピンPetronのBataan製油所で製造するガソリンが2016年1月の規制実施前に全量Euro-4規格となった。
  • インドネシアPertaminaとアジア進出を図るロシアRosneftがインドネシアの石油開発と下流事業で連携していくことが発表されている。
  • インド国営BPCLは、オマーンOOCとのJV Bina製油所を現在の拡張近代化プロジェクトの次ステップをOOCの参画無しでも実施する方針であることが伝えられている。
  • インド新・再生可能エネルギー省の資金提供で建設された、インド初の太陽光水素ステーションがデリー近郊にオープンしている。

8.東アジア

  • ロシアから中国に天然ガスを輸送する契約に基づいて計画されたロシア-中国天然ガスパイプライン(東部ルート)の中国国内部分の建設が開始された。
  • 中国にあるBPの高純度テレフタル酸(PTA)プラントの第3フェーズが稼動し、同社の中国のPTA製造能力は世界最大規模の270万トンに到達した。

9.オセアニア

  • ニュージーランドのバイオエネルギー業界団体BANZが、バイオエネルギー政策への意見書を公表した。BANZは、バイオエネルギー導入を経済発展の機会と捉えるべきであるとし、農業廃棄物や都市ゴミを原料とすることから着手すべきと提案している。
  • オーストラリアは、バイオエタノール・ディーゼルに対し段階的に課税することを決定した。業界団体は、段階的課税によりバイオディーゼルプラントの閉鎖が回避されたと歓迎している。
  • クイーンズランド州知事は、米国海軍へバイオ燃料を提供する意向を明らかにしている。

平成27年(2015年)6月

1.北米

  • 米国の製油所では、国産の軽質原油の処理量を増やすために、軽質輸入原油の削減やカナダ産重質原油との混合処理を進めてきたが、これらの対策では今後の軽質原油の増産には対応しきれないという懸念が浮上している。
  • 国産原油の国内処理能力が限界に近づいている米国では、精製業界は依然として全量国内精製の方針である一方、生産業者は有利な価格での輸出を期待している状況にある。
  • 国産軽質原油の国内精製は、将来的には本格的な設備改造が必要になると見られているが、蒸留装置や2次装置の新設には高額な設備投資が懸念材料になっている。
  • 米国ではE15ガソリン適応車両の割合が増えているが、普及には、給油設備に関する諸規則・手続き、非対応車への誤給油対策、夏季の蒸気圧基準等の課題が存在する。
  • 米国では単一給油所経営のSSの比率が多く、E15ガソリン導入に必要な設備投資が敬遠される傾向が強い。また、ブランド銘で販売している形態のSSでは契約などがE15導入の制約になる恐れがある。
  • 技術や品質管理機関によると、既にE10ガソリンが普及している米国ではE15導入に際して、タンクや給油装置に技術的な問題は少ないと見ている。
  • カナダ・アルバータ州で計画されているビチューメンをディーゼル・ナフサまで精製するSturgeon製油所の建設が本格化し、ターミナル施設建設の契約なども行われている。

2.ヨーロッパ

  • 欧州議会は、EU加盟国に入港する5,000トン以上の船舶にGHG排出量の報告義務を課す規則を採択した。2018年1月から燃料消費量の監視が始まる計画で、GHG排出量の 削減効果として2%を期待している。
  • スペインCEPSAはGibraltar-San Roque製油所にGEの製油所副産リサイクルガスを使用する多種燃料型ガスタービン発電の採用を決めた。
  • ブルガリア唯一の製油所Lukoil Neftochim BurgasのBurgas製油所で残渣油水素化分解装置が完成し、精製深度90%とEuro−5基準の燃料の製造が可能になった。引き続き、同製油所では精製能力の拡張が計画され、イラク原油の処理が予定されている。また、Lukoilはブルガリア国内に多目的給油所の設置に力を入れる方針である。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア国営Transneftは、ESPOパイプラインによる中国向けの原油輸出量が目標を満たさない場合、余剰分をロシア極東Kozmino港からタンカー輸出する計画を明らかにし、中国側を牽制する形になっている。
  • トルクメニスタンのTurkmenbashiの精製・石化コンプレックスでは、2015年内に近代化・拡張プロジェクトの第1フェーズが完了する見込みである。計画で、精製能力を現在の24万BPDから4段階で60万BPDまで拡張すると共に、石化装置を増設する。

4.中東

  • 更新されたEIAのレポートを中心にアラブ首長国連邦(UAE)の石油下流事業の概況をまとめる。UAEは世界的な原油の埋蔵・生産・輸出国であり、精製能力の拡大にも力を入れている。天然ガスは純輸入国である一方でアジア向けにLNGの輸出を行っている。
  • 中東湾岸石化・化学協会(GPCA)がGHG排出量削減に取り組む方針を明らかにした。GPCAはCCS/CCU(CO2回収貯留/利用)技術を重視する方針で、最近いくつかのプラントが稼働している。
  • 買電電力の停電による製油所の停止が問題になっているクウェートのAl-Ahmadi製油所は発電プラントを新設し、自家発能力を強化する。

5.アフリカ

  • ナイジェリアのDangote Groupは、製油所プロジェクトの主要な精製2次装置にHoneywell UOPのプロセスを採用することを発表した。同プロジェクトは順調に進んでいる様子である。
  • エジプトの石化会社Carbon Holdingsは、UAEの金融機関から融資を獲得したことでナフサクラッカー・ポリプロピレン・硝酸アンモニアプロジェクトを進める方針である。
  • Sasolが、南ア共和国のSasolburgで進めてきたFTワックス増産プロジェクトの第1フェーズが完了した。天然ガスを原料にFTプロセスの特徴を生かして、固形ワックスなどを製造する大型プロジェクトで、第2フェーズも着工済である。

6.中南米

  • コロンビア国営EcopetrolのCartagena製油所プロジェクトが最終段階に入っている。プロジェクトは既存製油所(7.8万BPD)を更新するもので精製能力の拡大(16.5万BPD)と、最新設備のフル装備を図るもの。
  • 米国向け原油輸出が減少傾向にある南米諸国がアジア向けの原油輸出を目指している。メキシコ・コロンビアによる韓国の製油所向けの輸出や、中国がブラジル最大の原油輸出先になっている現状が報道されている。

7.東南アジア

  • マレーシアの大規模製油所・石油化学コンプレックスプロジェクト(RAPID)では、原油価格の低迷を受けPetronasが見直しを進めている。完成予定時期は2019年半ばに若干延期されている。
  • インドネシアの製油所建設に、諸外国が関与する動きが伝えられている。イラン、オマーンによる製油所プロジェクトへの原油の供給と出資、中国がイランと共に出資する計画などが報道されている。
  • タイ国営PTTは傘下の精製子会社の株式公開を計画している。また、IRPCではプロピレン・アロマ増産プロジェクトなど、TOPではLABプロジェクトが進行している。
  • 天然ガスの増産を目指しているインド石油・天然ガス省がインドのシェールガス埋蔵量の各機関による推計値を公表するとともに、国営開発会社による開発の概要計画を明らかにしている。

8.東アジア

  • EIAが中国のレポートを更新したのを機会に中国の石油下流事業を概観する。原油の輸入量が増える中で増進回収(EOR)やGTL・CTL・バイオ燃料の増産による液体炭化水素の増産が計画されている。石炭依存度には制限を設け、天然ガスの増産やLNG輸入に力を入れている。精製能力は増加する計画であるが、需要の伸び悩みから一時的な供給過剰状態にある。また、環境対応・製品品質改善のために民間製油所を含めた精製設備見直しが必要である。
  • 国営CNPCが中国西北部の陝西省でシェールオイルの埋蔵を発見した。埋蔵量はCNPCとして最大級の1億トン。また、Sinopecは涪(フ)陵区のシェールガスを輸送する輸送能力60億m3/年の大規模なパイプラインの稼動を開始した。

9.オセアニア

  • Chevronは、ニュージーランド唯一の製油所Marsden Point製油所を操業するRefining NZの全保有株式を売却するとともに、販売会社Chevron New ZealandのSSや潤滑油など全事業をZ Energyに売却し、同国の下流事業の大部分から撤退する。
  • 大手企業の製油所閉鎖が続くオーストラリアから、クイーンズランド州に地域への石油製品供給を目指す小規模な製油所(4万BPD程度)を新設する計画が発表されている。

平成27年(2015年)5月

1.北米

  • 製油所買収を進めるPBF Energyは、メキシコ湾岸・西海岸への進出を検討している。また、カリフォルニア州では、北米地域からの原油の調達や重い環境対策負担から製油所を手放す動きが見られていたが、最近の精製マージンの改善で動きは鎮静化している。
  • ワシントン州・オレゴン州のColumbia River流域ではRiverside Energyの新設製油所を始め、北米産原油の処理に関連するプロジェクトが申請されている。
  • ノースダコタ州の新設Dakota Prairie製油所が稼動を始めた。主要製品のディーゼルに関しては、Bakken原油掘削リグ数の減少や、他からの調達増の影響はあるものの、需要は当面確保できていると見られている。
  • AFPMが米国の精製業の20年間にわたる大気汚染物質の排出量の分析結果を公表している。それによると石油製品の製造量が増加する一方で、排出量は大幅に減少しており、AFPMは業界が州・連邦規則を遵守した結果であると評価している。

2.ヨーロッパ

  • 2014年、英国の陸上輸送用のバイオ燃料消費量は、前年比で11.5%増加した。その内バイオディーゼルの比率は54%である。
  • Totalは、フランス国内のDonges製油所の設備近代化、La Mede製油所のバイオリファナリー転換計画を発表している。同社のバイオディーゼル増産に対しては、欧州全域では製造能力が過剰であること、国内の菜種油農家への影響などの問題も指摘されている。
  • イタリアSarasとロシアRosneftの共同貿易会社設立計画は一時解消されたとも報じられていたが、5月に会社設立がSarasから発表されている。

3.ロシア・NIS諸国

  • 中国系のアスファルト企業BBSが、ハバロフスク地区でアスファルト事業拠点を設立する計画、中国Qin Hua An Tszyuとロシア企業によるロシア・サハ共和国の製油所建設計画が報道され、ロシア・中国が結びつきを深めている動きとして注目される。
  • ロシア南部コーカサス地方にあるAfipsky製油所の拡張・近代化プロジェクトの詳細設計・調達業務がCB&Iに発注された。精製能力の拡大、白油化率の向上が図られる。

4.中東

  • イラクのBasra製油所近代化プロジェクトはTechnip等のグループが建設マネジメント業務を受注し、実現に向けて前進した。
  • サウジアラビアの新設YASREF製油所では、各装置の立ち上げが進行中であるが、Saudi Aramcoは4月に、同製油所から初めて石油コークスを出荷した。
  • 中東湾岸地域の石油化学産業は高い成長率を続けている。スペシャリティケミカルなど下流部門への進出が続き、各国で新プロジェクトが完成している一方で、原油安の影響で中止になったプロジェクトもある。また、技術開発を重視する動きも注目される。

5.アフリカ

  • 南アフリカ共和国の概要をEIAの資料をもとに概観している。石油・天然ガス資源が乏しく、石炭依存度が高い同国ではCTL/GTLによる合成燃料の製造が特徴であるが、燃料は自給できず輸入に頼っている。近年、天然ガスの内外供給能力の増強を図っている。
  • エジプト北部地中海沿岸のMIDOR製油所の拡張・近代化プロジェクトの最新の状況が明らかになっている。精製能力拡大・ディーゼル増産・Euro-5対応が目的でHoneywell UOPが設計・プロセス技術を提供する。

6.中南米

  • 再国有化されたアルゼンチンYFPの3年間の業績が公表されている。下流事業は増販、製油所の近代化プロジェクトへの投資も進んでいる。上流部門では、シェール資源開発も進み埋蔵量・生産量とも増加している。
  • メキシコと米国の間で、米国のシェールガスをメキシコ向けに輸送するパイプラインの新設計画、その反対にメキシコの天然ガスプラントで生産されたナフサを米国へ輸送する契約の更新が伝えられている。

7.東南アジア

  • インド国営IOCの大型プロジェクトParadip製油所が稼動を始めた。精製能力はIOC最大の30万BPDで、最新設備仕様を備え、低品質原油処理・高品質製品の製造を図る。
  • インドの3ヶ所の国家戦略原油備蓄施設が完成あるいは完成に近付いている。備蓄能力は500万トンを超えるもので、今年中の稼動が見込まれている。
  • ロシアGazprom NeftがベトナムPetrovietnamのDung Quat製油所の株式取得に向けた動きが前進した。また両社はロシアで上流事業に共同で取り組むことも確認している。

8.東アジア

  • 中国は、ガソリンの品質基準の導入時期の前倒しを発表している。新基準対応で精製企業は設備投資が必要であるが、産業への波及効果も期待されている。
  • 中国は、大気汚染対策としてクリーンエネルギー車の普及を促進する方針を発表している。
  • 中国では、環境政策の一環として水質改善に向けた政策が発表されている。一方、大気汚染が深刻な北京で、昨年と比べPM2.5濃度の改善を示すデータが公表されている。気象条件の変化、石炭燃焼の低減・自動車台数削減などの効果が理由に挙げられている。
  • 中国企業による新たな燃料製品の輸出の動きが伝えられている。CNPCはオーストラリアに初めて国5規格のガソリンを輸出したと発表し、CNOOCもマレーシアにディーゼルを輸出している。

9.オセアニア

  • オーストラリア政府が、2015年版のエネルギー白書を発表した。同国は石炭・石油・天然ガスの世界有数の生産国である。製油所の閉鎖が相次ぎ石油製品の輸入依存度が増加し、今後一層天然ガスの輸出が進み国際燃料市場とのリンクが強まる。再生可能エネルギーに関しては経済性を重視する方針である。また、競争原理に基づいたエネルギー需給市場を目指し、コスト抑制を図るとしている。

平成27年(2015年)4月

1.北米

  • 米国の製油所によるタイトオイル層で生産される超低硫黄・軽質原油の処理能力の 調査の結果、今後2016年までに予測されている増産分は、精製企業の現在の設備対応計画で充分対応できることが明らかになっている。
  • EIAが米国の原油鉄道輸送の月次報告を始めた。主に中西部のBakken原油が鉄道で輸送されているが、第1回目の報告では過去5年間の鉄道輸送の輸送先・輸送量の推移が示され、Bakken原油の輸送量や輸送先が増えている状況が明らかにされている。
  • Motivaは、シェールオイルの処理量を拡大する目的でルイジアナ州のNorco製油所とConvent製油所をパイプラインの連結と設備改造で融合する計画を発表している。

2.ヨーロッパ

  • Puma Energyが、Murco Petroleumから英国のMilford Haven製油所と卸売・流通事業を買収することになった。大手石油トレーダーTrafigura傘下のPuma Energyにとって初の英国進出になる。
  • 英国では、製油所閉鎖・油槽所転換の動きが顕著で石油製品の輸入量が増加していることから、国外の影響力が高まることによるエネルギー保障の脆弱性が指摘されている。
  • イランの政府系投資機関が、核問題に対する経済制裁の解除を見据えて、リビアTamoilが売却を進めているスイスのCollombey製油所を買収するとの見方が伝えられている。
  • ポーランドの政府系石油企業Unipetrolは、Eniが保有しているCeska Refinerskaの株式を買収し、同社を100%子会社化した。

3.ロシア・NIS諸国

  • 原油価格下落と、ウクライナ問題に対する経済制裁の影響を受けているロシアでは、製油所の近代化に必要な資金調達が難しくなり、精製会社は政府に対して近代化計画の期限延長を要請している。
  • ロシア極東のKozmino港から出荷されたESPO原油が累積で1億トンを超えた。アジア市場では原油を高値で取引できること、桟橋の拡張、建設中のパイプラインによる輸送量の増加などの理由で今後もKozmino港からの輸出は増加する見込みである。

4.中東

  • オマーンのSohar製油所の近代化とSRIP石油化学プロジェクトの建設工事は順調で、2018年に両プロジェクトの建設が完了する見通しであることが公式に発表された。
  • 石油化学産業の裾野の拡大を目指すサウジアラビアで大規模なブタノールプラントが今年中に試運転を始める見通しであること、EVA・LDPEプラントが稼働したことが報じられている。
  • UAEの戦略的石油インフラであるフジャイラの石油ターミナルで、原油貯蔵タンクの増設を柱とするBlack Pearlプロジェクトのフェーズ7をスタートした。
  • Qatargasは5,000船目のLNGをRas Laffanから出荷した。現在Qatar GasはLNGトレイン7基、LNG船42隻を保有し、LNGの製造能力は4,200万トン/年。

5.アフリカ

  • 深刻なエネルギー不足に見舞われているエジプト政府は、複数のLNG輸入契約の締結、天然ガス開発の促進、外国とのエネルギー関連の共同事業などを矢継ぎ早に発表している。
  • アンゴラの石油事業の現況を、最近更新されたEIAのレビューを中心に解説する。同国には製品の自給を実現するために大型製油所Sonarefの建設プロジェクトが存在している。また2013年に稼働したLNGプロジェクトはトラブルが続き、安定操業体制が未だに確立されていない。
  • 西アフリカ・リベリアの石油事業の最近の情報を、国営LRPCによる発表を中心に紹介する。内戦後のリベリアでは石油事業の再構築を目指しているが、最近では石油の貯蔵能力の拡大プロジェクトが進展している。

6.中南米

  • 南米の原油生産国エクアドルの石油事業の概況を、EIAの最新資料をもとに紹介する。同国は、精製能力不足対策で既存製油所で近代化プロジェクトが進んでいる。
  • 2012年に再国営化されたアルゼンチンYPFの2014年の業績は上・下流部門とも順調と発表されている。同社は既設製油所の近代化に向けた投資を大幅に増額している。

7.東南アジア

  • 製油所の新設が急務であるインドネシアでは、国営LNG会社PT Badak LNGが東カリマンタン州のBontangに製油所用地を提供し、製油所運営への参画の意向を表明するなど、製油所の誘致に力を入れている。
  • Shellが建設していたシンガポールのエチレンクラッカー増強工事が完了し、精製・石油化学プロジェクト(SEPC)が強化された。増産と共に、エネルギー効率の改善・GHG排出量の削減を達成している。

8.東アジア

  • 中国の大手民間石油精製会社Shandong Dongming Petrochemical Groupに、カタール企業が出資する。今後石油販売事業やLNGターミナルの建設等に投資される計画である。
  • 中国は、原油の国家戦略備蓄について備蓄基地の設置場所や貯蔵能力を公表した。中国は、今後さらに備蓄能力を拡大する方針である。
  • 中国海南航空は、国営石油Sinopecが製造した廃食用油を原料とする再生可能ジェット燃料を用いた初の旅客便の商業フライトを実施した。

9.オセアニア

  • ChevronはCaltex Australiaの株式の売却や、シェールガス探査活動からの撤退などオーストラリア事業の見直しを進めている。
  • BPはオーストラリアのクイーンズランド・ビクトリア・タスマニア州のビチューメン事業を石油トレーダーTrafigura傘下のPuma Energyに売却することを発表した。

平成27年(2015年)3月

1.北米

  • 米国ではE15ガソリンは、規則上は大半の自動車に使用が認められているにもかかわらず普及は進んでいないが、Murphy Oil系列のMurphy USAは、E15の販売をイリノイ州、テキサス州で始めることを発表した。
  • 米国Tesoroは、ワシントン州のAnacortes製油所のナフサ異性化装置とキシレン抽出プラントの新設を決定した。
  • 米国Marathon Petroleumは、ディーゼルの輸出増を図るためにテキサス州Galveston製油所とTexas City製油所で共用する水素化装置の新設などを含む2015年の投資計画を発表した。

2.ヨーロッパ

  • 欧州の精製事業の建て直しを進めているフランスTotalは、英国Lindsey製油所の常圧蒸留装置1基を停止し、人員を削減することを発表した。欧州では小規模で2次装置の装備率の低い製油所ほど操業が厳しい状況に追い込まれている。
  • Totalは、フランスのLa Mede製油所の閉鎖に向けた協議を労組と開始している。
  • スイスのTamoilは、Collombey製油所の閉鎖を計画していたが地元政府の意向を受けて売却先を探している。
  • イタリアの燃料小売業界によると、2014年10月時点のイタリアの給油所数は2003年から3.2%減少し、20,748ヶ所になっている。イタリアの燃料消費量は減少が続いているが、なかでもハイウェーの販売量の減少が顕著である。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアGazprom Neft傘下のOmsk製油所の近代化第1期工事が完了し、ディーゼルは全量がEuro-5に切り替わった。また、ガソリン・船舶用燃料の増産も達成している。
  • 昨年Euro-4対応を終えたアゼルバイジャンのBaku Oil製油所では、Euro-5基準の燃料製品の製造に向けた検討が進んでいる。

4.中東

  • イランは、燃料品質を改善するために製油所の近代化投資を促進する政策を進めている。この動きと連動して製油所の証券市場への上場も計画されている。
  • イランでは、Persian Gulf Star製油所の新設や、既存製油所の近代化・拡張プロジェクトが進み、燃料製品の自給体制、高品質燃料製品の供給体制が整いつつある。
  • サウジアラビアが展開している経済都市整備計画の一つJazan経済都市プロジェクトの状況が報告され、中核になるJazan製油所が計画通り2017年に稼働する見通しが発表されている。

5.アフリカ

  • ナイジェリアの石油産業の最新事情をEIAのレポートから紹介する。同国では原油輸出先の米国から他地域へのシフトが進んでいる。また、精製能力が不足し精製能力の整備が必要であること、武装勢力による破壊・盗難行為への対策、天然ガスフレアが多いことへの対策等の課題が指摘されている。
  • ウガンダの新設製油所プロジェクトをロシアのRT Globalのコンソーシアムが落札した。RT Globalは製油所の権益を保有し、製油所建設のみならず経営までを担うことになる。

6.中南米

  • ブラジルPetrobrasの新設Abreu e Lima製油所立ち上げが進みディーレードコーカーから石油コークスが出荷された。一方、新設Comperj製油所プロジェクトの進捗度は82%であるが、Petrobrasの投資削減により建設計画の遅延の可能性が浮上している。
  • メキシコPemexは、原油価格の大幅な下落を受けて2015年予算の削減を強いられている。上流部門の生産目標が優先されることで、製油所近代化プロジェクトの延期などへの影響が懸念される。
  • Pemexは、天然ガス液化LNGプロジェクトを米国Sempraと共同で進める方針を発表している。また、パイプラインから燃料盗難を防止する為に製品の輸送を止め、パイプラインでは中間製品を輸送しタンクで最終製品に調合する方針を発表している。
  • アルゼンチンは世界のシェールガス・オイルの商業生産4ヶ国の一員で、北米以外で唯一のシェールオイル商業生産国であり、ガスの開発も進めている。同国はシェールガスの商業生産国である中国とシェール資源開発に共同で取り組むことに合意した。

7.東南アジア

  • インドネシア政府は、天然ガスの輸送用燃料としての利用を拡大する方針であるが、国営天然ガス企業PLNが天然ガスエンジンを搭載した世界で初となるCNGタンカーを就航させる計画である。また、国営Pertaminaは、自動車用CNGの移動式充填設備の配備を発表している。
  • タイの石油企業Bangchak Petroleumでは、石油精製部門ではBangkok製油所の原油増処理、太陽光発電電力・バイオ燃料などの再生エネルギーの増産、石油・天然ガス開発への新規参入など事業拡大が進んでいる。

8.東アジア

  • 中国政府は、地方のティーポット製油所に対し、製品品質改善・環境安全対策・一定以上の精製能力を条件に輸入原油の処理を認める新政策を発表した。
  • 中国国営CNOOC傘下のHebei Zhongjie Cangzhou製油所は、重質原油等の処理を目的に、カナダのGenoilから新規水素化分解プロセスを導入する。

9.オセアニア

  • 原油安とKurnell製油所の閉鎖・製品ターミナルへ転換が計画通り完了したCaltex Australiaは、精製マージンの改善とLytton製油所の順調な稼働で良好な営業成績を示している。
  • ニュージーランド唯一の製油所を操業するRefining NZのMarsden Point製油所の近代化プロジェクトは順調に進んでいる。同社の2014年の業績は原油価格の下落で精製マージンが大幅に改善したことで、2013年の赤字から黒字に転換している。

平成27年(2015年)2月

1.北米

  • 原油価格の急落で、相対的に輸送コストが上昇した結果、カナダ東岸では米国産原油のメリットが薄れ海外産原油の処理が増えている。一方で、オイルサンド生産、原油の鉄道輸送の動きは一律ではなく、カナダの原油事情は複雑な様相を呈している。
  • 2014年の米国のエタノールの輸出量は2011年に次ぐ過去2番目で、一方輸入量は前年比で大幅に減少し、輸出入を相殺した純輸出量も2011年に次いで高い水準を記録した。
  • カリフォリニア州のPhillips 66 サンフランシスコ・コンプレックスを構成するRodeo製油所のプロパン/ブタン回収設備建設計画が当局から認可された。なお、回収設備建設に対しては、環境保護団体が原油の鉄道計画を絡めた反対運動を展開している。

2.ヨーロッパ

  • フランスでは自動車排ガスによる大気汚染問題が深刻化し、ディーゼル車への批判が増し、種々の規制や買い替え促進策が提案されている。フランスの燃料販売ではディーゼルが漸増・ガソリンが漸減し、全体では緩やかな減少傾向を示している。
  • ロシアLukoil系列のブルガリアBurgas製油所の重質原油処理能力を増強する近代化プロジェクトで硫黄回収装置が稼働した。
  • クロアチアの精製会社INAの製油所操業を巡って2大出資者であるハンガリーMOLとクロアチア政府が対立している。MOLは採算性の低い製油所の稼働を落としたい意向でありクロアチア政府は稼働の継続やINAのMOLからの独立を求める構図になっている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアでは軽質石油製品の輸出税が引き下げられ、原油輸出・原油開発への課税を増やす新税制が導入された。これにより製油所の近代化(白油化)の促進効果が見込まれている。原油に関しては東シベリア・カスピ海の原油・天然ガスの特恵輸出税は引き下げられアジア向け輸出を重視したものになっている。
  • グルジアで、西部グリア州Supra、黒海沿岸のサメグレロ=ゼモ・スヴァネティ州のNabadi島に同国初となる製油所を建設する計画が報じられている。

4.中東

  • イラクの石油下流部門の最近の状況を紹介する。イラクの原油の生産・輸出量は、増加を続けている。ISの攻撃などの影響で実効精製能力が大幅に低下しているが、複数の新設製油所の建設が計画されている。
  • Saudi AramcoとSinopecのJV製油所YASREFが稼働を始め、低硫黄ディーゼルが初めて輸出されている。Euro-5基準のディーゼル・ガソリン製造に向けた作業が続いている。

5.アフリカ

  • 石油製品の輸入に頼っている東アフリカのケニアで、低硫黄ディーゼルの輸入が始まっている。東アフリカ諸国では、2015年から低硫黄ディーゼル・ガソリンの導入が決まっている。
  • アルジェリア政府は石油・天然ガス開発事業で大量に発生する廃油を再精製する製油所の建設計画を発表した。また、国営Sonatrachは、製油所新設計画を進めており南東部のイリジ県に新設する計画が新たに浮上している。

6.中南米

  • メキシコでメキシコ湾岸から太平洋岸に天然ガスを輸送するパイプラインが完成し、Salina Cruz製油所では、燃料を天然ガスに転換することが可能になり、操業コスト・GHG排出削減効果が期待されている。
  • Pemexは、増産が続く米国産軽質原油を国内の軽装備製油所で処理するために、国産重質原油と米国産軽質原油の交換を米国に提案している。米国メキシコ湾岸の重装備製油所側にもメリットがあり、米国内の原油の陸上輸送に比べても得策であると見積っている。
  • 燃料製品の需要増で石油製品の輸入が負担となっているブラジルでは、国営Petrobrasの国内製油所の原油処理量が増え、2次装置の稼働も上がっている。

7.東南アジア

  • インドネシアでは燃料需要が増え、精製能力拡大のために複数の製油所の新設が必要とされているが、国営Pertaminaがプロジェクトを主導することが認められている。一方、Cilacap製油所のRFCCプロジェクトは、3月に運転を開始する見通しである。
  • ベトナム国営Petrovietnam傘下のDung Quat製油所の拡張プロジェクトは用地買収の段階に進んでいる。またPetroVietnamが、石油化学事業でデンマークのHaldor Topsoeと提携する内容が発表されている。
  • インドReliance Industriesと米国Algenolが建設を進めていた藻類原油の実証プラントがJamnagarに完成し、運転を始めている。RelianceはAlgenolに出資しておりインドの藻類バイオ事業に力を入れている模様である。

8.東アジア

  • 中国CNPCの調査機関が公表した石油産業レポートによると、2015年の原油消費量は5.34億トンに、原油の輸入依存度は60%を越え、輸入量は3億トンを上回ると予測している。
  • ミャンマー西部Maday島の原油ターミナルおよびミャンマー−中国原油パイプラインのミャンマー国内部分の試運転が始まり中東産原油が荷揚げされている。
  • 1月号に続き中国重慶市のシェールガス開発の状況が伝えられている。また四川省では、小規模シェールガス田の開発が進みLNG液化設備が完成している。

9.オセアニア

  • オーストラリアのQueensland Curtis LNGから、炭層メタンを原料とする初のLNGが出荷されている。また、同州のAustralia Pacific LNGも2015年に稼働する見通しが発表され、西オーストラリアのGorgon LNGが韓国へのLNG供給契約を締結したことなどの進捗が伝えられる一方で、クイ−ンズランド州のArrow LNGの棚上げが報道されている。
  • 製油所の閉鎖が続いているオーストラリアの石油下流部門のトピックスとして、ExxonMobil が7-elevenの販売網にMobil ブランドの新製品を供給する動きを紹介している。

平成27年(2015年)1月

1.北米

  • 米国で第2世代バイオ燃料の開発状況が報告されている。バイオディーゼル、ドロップイン燃料、セルロース系燃料の順で今後の増産が予測されている。
  • Motivaがテキサス州Port Arthur製油所のディーゼル増産を目的とした水素化分解・水素化脱硫装置の建設許可申請を取り下げた模様である。理由は報道されていないが、各社がディーゼル増産を目指した設備対応を進めている中での動きとして注目される。
  • Phillips 66は、輸出が認められているコンデンセートの増産を目的にテキサス州のSweeny製油所にコンデンセート・スプリッターの設置を計画し州政府に申請した。

2.ヨーロッパ

  • CONCAWEが精製・環境関係の各種規制毎にコスト負担を評価している。規制の対象には製油所(排出権取引・公害抑制)になるものと製品が(船舶燃料中の硫黄濃度、化学物質、再生可能エネルギー等)になるものがあり、欧州の精製業の競争力への影響度は異なる。
  • Shellはノルウェーの販売事業をフィンランドSTIに売却する。同社は世界規模で下流事業を見直し、縮小する方針で、欧州でも事業売却が積極的に進められている。
  • Tamoilは、石油製品需要の低下、製品輸入の増加、規制対応コスト増による損失拡大を受けてスイスのCollombey製油所の操業を停止した。

3.ロシア・NIS諸国

  • カザフスタンでは、精製能力の拡大とEuro-4/5規格の燃料製品供給を目的とするPavlodar製油所近代化プロジェクトへの資金融資が決定した。
  • TransneftとRosneftの両ロシア国営企業は、ESPOパイプラインからRosneft Komsomolsk製油所へのパイプライン支線と送電線の建設に合意した。

4.中東

  • サウジアラビアのSaudi AramcoとExxonMobil のJV製油所SAMREFの近代化プロジェクトが完了した。Euro-5規格の燃料製品の製造が可能になり競争力が強化された。
  • 米国EIAの総説を基に、オマーンの石油・天然ガス事業をダウンストリームを中心に解説する。同国は、原油の生産量維持やタイトガス開発に力を入れ、Sohar 製油所では近代化プロジェクトとAl Fahal製油所を連結するパイプライン建設が進んでいる。
  • トルコではIzmit製油所の近代化工事が完了している。残渣油処理能力を増強する大規模なプロジェクトで白油化率が向上し、同国のディーゼル輸入量の削減に大きく貢献することが期待されている。

5.アフリカ

  • 西アフリカのガーナでは、操業を停止していた同国唯一のTema製油所が資金を調達し原油を確保することができ稼働を再開した。同製油所は設備の老朽化と原油調達資金不足で近年操業停止・再開を繰り返している。
  • 赤道ギニアでは、西アフリカ地域で最大の原油・石油製品ターミナルを建設する計画が政府と同地域のエネルギーコングロマリットTaleveras Groupの間で進められている。

6.中南米

  • 米国EIAのレビューを基に、ブラジルの石油・天然ガス事業をダウンストリームを中心に解説する。ブラジルは深海プレソルト層開発を軸に原油増産を図る一方で天然ガスは輸入増を計画している。同国では燃料製品の自給率を高めるために製油所の新増設計画が進んでいる。同国は世界有数のバイオ燃料生産国であるがその大半はエタノールである。
  • パナマでは、パナマ運河の拡張プロジェクトが進行している。現在の進捗度は83%で、2015年の完成を目指している。太平洋岸の港湾荷役施設の建設の認可も下りている。

7.東南アジア

  • インドは原油調達先の確保・多様化を進めているが、Essar Groupは、ロシアRosneftから10年間に亘って1,000万トンの原油を調達すことに合意している。
  • タイは、天然ガス需要増に生産が追い付かなくなり純輸入国に転じたが、今後も国産資源の枯渇・ミャンマーからのパイプライン輸入の減少が予測されるため、LNG輸入に力を入れている。同国はカタールと長期輸入契約を締結し、その第1船が到着した。

8.東アジア

  • オレフィンの需要が急増している中国では、プロピレンやブテンを目的生産物とする脱水素プロセスの導入契約が数多く締結されているが、UOPのOleflex技術を採用した一基目のプロピレンプラントが浙江省に完成している。
  • 中国のシェールガス探査が思わしくない状況にあると伝えられるなかで、商業規模のシェールガスプロジェクトを重慶市フ陵区で進めているSinopecがシェールガス開発の環境・社会・ガバナンス報告書を発表し、環境や地域社会に配慮する方針を公表している。

9.オセアニア

  • オーストラリアでは複数のLNG輸出プロジェクトが進行・計画されているが、最近Browse FLNGの最終投資判断時期の延期が報じられる一方、Queensland Curtis LNGの稼働開始、Australia Pacific LNGの融資枠の拡大、Santos LNGのパイプラインの始動等が発表されている。

平成26年(2014年)12月

1.北米

  • 米国の製油所・石化プラントに対するGHG排出認可をまとめた資料によると、シェールオイル・ガスの産出地の近隣州で新規プロジェクトが多く、シェールブームの恩恵を受けている状況を窺うことができる。
  • Bakken・Three Folksシェール層のあるノースダコタ州では、原油生産や輸送向けに需要が急増しているディーゼルの製造を主目的とする、多くの小規模製油所プロジェクトが建設・計画段階にある。
  • Flint Hills Resourcesでは、テキサス州Corpus ChristiのWest製油所で処理原油を全量Eagle Ford原油とすることができる精製設備の改造工事が始まった。

2.ヨーロッパ

  • 2015年1月に発効する特定海域の船舶燃料の硫黄濃度規制を受けて、欧州北西部で低硫黄(0.1%以下)の船舶軽油(MGO)の需要が急増している。一部ではMGO製造が始まっているが、全体的には様子見の状態にある。
  • フランスでは、バイオ燃料産業による第1世代バイオ燃料擁護の動きが根強いが、第2世代バイオ燃料配合を義務付ける法律が提出された。生産設備の建設が今後の課題である。
  • スイス系のKlesch Groupが、クロアチアの精製会社INAの株式をハンガリーMOLから買収する動きが伝えられている。ハンガリー・クロアチアに加えロシアが絡んだ複雑な事情があり、買収の成否が判明するには時間が掛かる模様である。

3.ロシア・NIS諸国

  • Rosneftは、TotalがドイツのSchwedt製油所の運営会社に保有する株式を買収した。両社はドイツ国内への製品供給事業についても提携することにも合意している。
  • Rosneftは、過剰な精製能力の合理化を図る目的で、Saratov製油所の売却を検討している模様であるが、売却先候補は現われていない。

4.中東

  • 中東湾岸石油化学・化学協会の年次総会が開催され、サウジアラビアを始めとする湾岸諸国の石油化学分野の成長戦略が示されている。設備の近代化、下流産業の発展、技術開発、人材開発の重要性の認識が確認されている。
  • イラン石油省が自国の石油産業を分析している。イランの石油産業は、資源量、地理的条件、技術力、長い歴史を背景に、国内外で高い競争力を有していると評価している。
  • イランでは、Shiraz製油所とKermanshah製油所の精製能力拡張、設備近代化プロジェクトが発表されている。
  • 非在来資源の埋蔵が期待されているトルコで、シェールオイル・ガスの試掘に成功したことが発表されている。

5.アフリカ

  • 米国EIAの総説を基に、リビアの石油・天然ガス事業をダウンストリームを中心に解説している。同国は、原油生産などで2011年の内紛からの回復途上にある。

6.中南米

  • ブラジル国営PetrobrasのAbreu e Lima製油所(RNEST)プロジェクトが最終段階を迎え、各種装置の運転立ち上げが進んでいる。
  • メキシコ国営PemexのTula製油所の近代化工事が開始された。Pemexは、製油所の新設より既設製油所の近代化に重点を置く方針でる。

7.東南アジア

  • 製油所部分の建設が完成に近付いているインド国営IOCの大型プロジェクトParadip製油所・石油化学コンプレックスプロジェクトでは、ポリプロピレンプラント建設が始まっている。
  • インドMRPLのMangalore製油所のアップグレードプロジェクトのフェーズVの建設が完了している。同社の最近の業績は、プロジェクトの立ち上げや在庫評価の影響で精製マージンが悪化している。
  • マレーシアのボルネオ島のサラワク州の第2世代バイオエタノールプロジェクトが発表されている。同国のバイオエタノールの増産や地域経済の活性化の効果が期待されている。
  • インドMRPLとIOCによる、モーリシャスに石油製品ハブを建設する計画が発表されている。モーリシャス国内への石油製品供給に加え、アフリカ・インド洋諸島へも製品を供給することになる。

8.東アジア

  • 中国で中国国務院が策定した2020年までのエネルギー戦略が公表されている。今後のエネルギー消費量の目標値を設定し、石炭からの転換、天然ガス利用の促進、国産資源開発、エネルギー効率改善、エネルギー備蓄、再生可能エネルギー利用の促進などに目標が設定されている。
  • 中国はロシアとのエネルギー分野で協力関係を高めているが、CNPCとRosneftによるTianjin製油所プロジェクトがFS段階に進むことが発表されている。また、CNPCとGazpromが計画しているロシア-中国天然ガスパイプラインのロシア国内部分の建設が始まっている。

9.オセアニア

  • オーストラリア政府が2014年版のエネルギー総括報告書を発表している。油田の老朽化、国内精製能力の減少等が論じられ、原油・石油製品の輸出入の実態が解析されている。

平成26年(2014年)11月

1.北米

  • カナダのアルバータ州労働組合が、内にオイサンドップグレ製油所・石化プラントを併設すること提案している。これにより、カナダのアルバータ州の労働組合が、州内にオイルサンドアップグレダー・製油所・石化プラントを併設することを提案している。これにより、オイルサンド原油を輸出する場合の問題点である、環境問題、低マージンを克服できると主張している。
  • 米国カリフォルニア州では、安価な Bakken 原油を鉄道でオレゴン州に運び、バージ船で海上輸送する動きが進み、今年上半期には鉄道による輸送量を上回った。
  • カリフルニア州 Chevron Richmond 製油所の 2012 年の火災事故に関する CSB の最終報告書が公表された。不適切な配管の材質選定を事故の原因とした上で、再発防止には、欧州の一部で採用されているものと同様の、「危険要因の抑制方法」と「安全管理システムの規制当局による承認を求める手法」の導入が効果的であるとしている。

2.ヨーロッパ

  • フィンランド Neste Oilは、Porvoo製油所と Naantali製油所の原油から製品までの物流を統合し効率化およびディーゼル増産による輸入量削減を図る。また、Porvoo製油所では溶剤脱瀝装置の建設、電気関係業務の見直しが進められている。
  • 米国 Murphy Oilの子会社 Murco PetroleumのKilesch Groupへの売却交渉が決裂し、 Murcoのウェールズ Milford Haven製油所はターミナルとして売却される見通しである。
  • 欧州の精製事業環境が厳しさを増す中、クウェートの海外子会社 Q8は、オランダEuropoort製油所への投資を中止し、売却・閉鎖などの検討に入ることを発表した。
  • イタリアは、第2世代バイオ燃料のガソリン・ディーゼルへの配合基準を制定した。先進バイオエタノールの製造施設が、同国で稼働を始めたことが背景にあると見られているが、EUのバイオ燃料普及の動きが後退する中で、他国に先駆けた基準導入が注目される。

3.ロシア・NIS諸国

  • アゼルバイジャン SOCARは、資金不足のため Sangachal製油所・石化コンプレックスプロジェクトの完成時期を 2030年まで4年遅らせる。
  • 海外事業展開を積極展開する SOCARは、ロシアの黒海沿岸および Kuban地域の製油所プロジェクトへの参加などを検討している。また同社は、国外で給油所を運営しているが、現在ウクライナやルーマニアでの事業を強化している。なお、精製能力の制約からSOCAR の燃料製品の輸出余力は大きなものでは無い。

4.中東

  • サウジアラビア国営 Saudi Aramco と Dow Chemical の石化 JV Sadara プロジェクトの進捗度は現在 70%で、稼動は2015年後半になる見通しである。一方、Saudi AramcoとShellの石化JV SADAFはFSの結果が思わしくなく中止と判断された。
  • クウェートには現在3製油所が稼動しているが、精製能力拡大と燃料品質改善を目指して、既存製油所の近代化と製油所新設を計画している。また、欧州に続きアジア地域でも合弁精製事業に力を入れている。上流部門では、原油・天然ガスの増産を進めている。
  • ヨルダンは、国産のオイルシェールを燃料とする火力発電プラントをシェールオイル先進国エストニア等の協力を得て建設する計画で、発電燃料輸入コストの削減を図る。
  • 天然ガス需要が急増しているオマーンでは、国内外企業によるタイトガス開発プロジェクトが進展している。

5.アフリカ

  • 天然ガス需要が急増し、輸入の必要性が増すエジプトに対して、近年天然ガスが増産しているイスラエルからパイプラインで天然ガスを供給する計画が発表されている。また、エジプトはLNG輸入のために浮体式 LNG 設備を導入する。一方、同国で長年天然ガス事業を展開してきた BGのLNGを始めとするエジプト事業が大幅に縮小している。
  • 天然ガスを豊富に産出し、LNG先進国でもあるアルジェリアは、硫黄含有量が少なくコスト競争力のある船舶用 LNGの供給事業への進出を計画している。

6.中南米

  • 売却交渉が続いていた米領ヴァージン諸島のHOVENSA製油所が Atlantic Basin Refining企業グループに売却されることが発表された。今後、再稼働に向けた取組みが計画されているが、休止設備の設備対応などが必要で、再稼働までには数年を要すると見込まれている。
  • 燃料需要が増加しているメキシコ北部に石油製品を、米国テキサス州から輸送するパイプラインの建設をNuStar EnergyとPemexがJVで建設する計画が発表されている。

7.東南アジア

  • 原油、天然ガスの増産が進まず、また精製能力の拡大の遅れで燃料製品の輸入依存から脱却できないインドネシアでは、国家財政の大きな負担になり、さらに省エネ・代替エネルギー開発の阻害要因と目されている燃料補助金制度を見直し、補助金を削減する政策が検討されている。
  • インド国営NRL・ONGCはフィンランドのChempolisの技術を導入して、バイオマス原料のセルロース系エタノール製造プラントをインド各地に建設する計画を発表している。

8.東アジア

  • 中国では 2018年1月から全国的に「国X」が導入される計画であるが、先行して基準が導入される地域を中心に、現在製油所で低硫黄燃料製造のための設備対応が進んでいる。ここでは、国営Sinopec、PetroChinaの最近の取り組みを紹介する。
  • 中国は、今後増大する航空燃料需要の一部を再生可能燃料で賄う方針であるが、廃食用油(gutter oil)からバイオ燃料を製造する技術の開発を目指している航空機メーカーBoeingとComacの実証設備が稼働を始めた。

9.オセアニア

  • 豪州Caltexは、計画通り10月半ばにKurnell製油所の操業を終了した。同製油所は、大型石油製品輸入・配送ターミナルとして再出発を果たしている。これにより同国の製油所は5ヶ所になる。

平成26年(2014年)10月

1.北米

  • 増産が続いているカナダのオイルサンド由来の原油が、初めてカナダSuncor Energyによりヨーロッパ向けに輸出された。
  • 米国で余剰が懸念されている超軽質低硫黄原油(Light Tight Oil:LTO)を、輸入原油処理調整、設備対応、稼動調整により国内で処理することに関する研究結果が報告されている。
  • Chevronは資産売却方針に沿って、ハワイのKapolei製油所と関連資産の売却を検討し、ExxonMobilは高額な環境投資を理由にカリフォルニア州のTorrance製油所の売却を検討していると報じられている。

2.ヨーロッパ

  • 来年1年間で世界の精製能力が200万BPD増大すると予測されるなかで、欧州の精製業は、余剰精製能力の拡大・船舶燃料の新硫黄濃度基準の施行・ロシアおよび周辺地域からの製品輸入の増加により、2015年は大きな転換期を迎えると予測されている。
  • Totalのフランス国内5製油所の状況が分析されている。同社は、資産売却とコスト圧縮を計画しているが、来年春には精製業の方針が明らかにされると伝えられている。
  • 英国では給油所が大幅に減少している。石油会社直営が大幅に減少し、大型ショッピングセンター併設型の給油所は増えている。また、地方給油所の閉鎖の比率が高く顧客への影響が懸念されている。
  • ルーマニアのOMV PetronのArpechem製油所とPetrobrazi製油所で近代化工事が終了した。

3.ロシア・NIS諸国

  • ウクライナ問題に対する西側の経済制裁によりロシアの製油所近代化に必要な技術の提供が滞り、燃料増産が進まず国内向けのガソリンが不足することが懸念されている。
  • タタールスタン共和国は自国の製油所近代化の実績をもとに、隣国カザフスタンの製油所への関与を意図している。カザフスタンでは燃料自給率の向上を目指して3製油所で近代化・拡張が計画されている。

4.中東

  • バーレーンBapcoのSitrah製油所の近代化プロジェクトで重質油処理・水素化分解装置、オフサイト、ユーティリティー関連の設計・ライセンス契約が締結され、プロジェクトが実現に向けて一歩前進した。
  • カタールのIndustries Qatar のCO2回収・メタノール製造プラントが完成した。その一方で、経済性の見直しを理由に石化プロジェクトAi Sejeelの中止が発表されている。
  • サウジアラビアの石油・天然ガス事業の基本情報を、精製部門を中心にまとめている。

5.アフリカ

  • ナイジェリアの石油販売業界団体IPMANは、精製能力20万BPD製油所をバイエルサ州・コギ州に投資額30億ドルで建設する計画で、用地を買収したことが発表されている。
  • 南スーダンが分離独立したスーダン・南スーダンの石油・天然ガス事業の最新事情をまとめている。現在製油所を保有せず、また輸出をスーダン経由に頼っている内陸国の南スーダンでは、製油所の新設や原油輸出パイプラインの新設が計画されている。

6.中南米

  • メキシコ国営Pemexの超低硫黄ディーゼルプロジェクトの契約先が決定した。その一方では、製油所新設計画の中止が報じられている。
  • Pemexの独占政策に終止符を打ったメキシコで、PemexとExxonMobil が石油・天然ガスの上下流部門で共同事業の可能性を検討する事に合意したことが発表されている。

7.東南アジア

  • フィリピンPetronのBataan製油所の近代化プロジェクトは、完成予定の2015年を控えて、減圧蒸留装置の運転開始やコーカーの試運転に向けた準備が進んでいる。
  • シンガポールから、Neste Oilによるバイオディーゼル製油所のCO2回収、ExxonMobil からは溶剤製品の増産などの下流部門トピックスが伝えられている。
  • マレーシアの石油・天然ガス事業の最新事情が、精製部門を中心にまとめている。同国の既設の製油所はそれぞれ原料やプロセスに特徴があり、大型プロジェクトRAPIDも進捗している。またパーム油を原料とするバイオディーゼルの拡大も計画されている。

8.東アジア

  • 中国からは、精製能力が2020年までに1,580万BPD、2025年までに1,700万BPDになるとの見通しが伝えられている。石化部門では、エチレンの製造能力も増大する見通しであるが、中国ではプラントの規模が相対的に小さく、分散して立地していることが国際競争力面で問題であるとが指摘されている。
  • 中国国営Sinopecは、販売部門Sinopec Marketing Companyの株式29.99%を投資企業を中心とする25社に売却する。

9.オセアニア

  • オーストラリア政府はエネルギー白書の作成を前に、政策提案Energy Green paperを公表した。製油所の併催に伴う液体燃料や天然ガス供給保障、エネルギー開発を促進するために、炭素税廃止などの減税や規制緩和などの政策が示されている。

平成26年(2014年)9月

1.北米

  • シェールオイルなどの国産原油が増産している米国では、軽質低硫黄原油の輸入が減少している。米国産原油は輸出制約の無いカナダへも輸出されカナダの製油所での処理量が増えている。
  • 韓国KNOC傘下のカナダ・ニューファンドランド州Come by Chance製油所が米国の投資機関に売却されることが決まった。売却によりKNOCは上流部門に特化できることになる。
  • CHSは、モンタナ州のLaurel製油所で処理原油の多様化とディーゼル増産を図る設備の近代化を、系列のカンサス州のMcPherson製油所でディレードコーカーの更新を進めている。

2.ヨーロッパ

  • 2013年の世界のバイオ燃料の生産量は前年比7%増の1.16億KLで、エタノール・バイオディーゼル・水素化バイオディーゼルのシェアは、各々75%・23%・2.7%。EUの2013年のバイオ燃料の消費量は、前年比100万トン減の1361.5万トンであるが、エタノールのシェアは前年の19.2%から19.9%に若干増加を示している。持続可能燃料に分類されるバイオ燃料の割合は前年の79.8%対し86%に向上している。
  • 2015年1月から開始される特定水域の船舶燃料の硫黄濃度基準が0.1%へ引き下げでられるため船舶用軽油(MGO)の供給が増えると予測されているが、欧州・ロシアの一部企業は、安価なMGO代替燃料を準備している模様である。
  • ExxonMobil は、ノルウェーのSlagen製油所に残油フラッシュ塔の設置を発表している、既報のベルギーのAntwerp製油所近代化と同様に軽油の増産を目指したもので、同社の計画は自動車・船舶向けの需要増に対応した有意義な投資と評価されている。
  • ハンガリーMOLは、Danube製油所のディーゼル増産のための近代化工事をAxensに発注している。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア国営RosneftのKuibyshev製油所では異性化装置が完成しEuro-5ガソリン基材の製造が可能になった。またSyzran製油所ではディーゼル水素化脱硫装置の主要設備が搬入されている。同製油所では2016年以降のEuro-5ディーゼル製造を計画している。
  • トルクメニスタンは、Haldor Topsoeのプロセスを用いるGTLプラントの建設を日本・トルコのコンソーシアムに発注した。ガソリンの製造能力は60万トン/年。

4.中東

  • サウジアラビア国営Saudi Aramcoは、今後10年間に年間400億ドルを投資し、原油埋蔵量・生産能力の拡大を目指す。同社はR&D部門を強化し、上流部門から下流部門に亘って技術力を強化する。
  • イランは天然ガス増産を受けて、天然ガスの輸出拡大に取り組んでいる。パイプラインが完成したことで、まもなくイラク向けの輸出が増える見通しで、さらにGCC諸国向けの天然ガス輸出を目指している。
  • UAEのENOCは超低硫黄ディーゼルの販売を開始したが、安定的な供給促進を図るための国内関連機関との連携策を発表している。
  • UAEでは、アブダビMasdar工科大学と廃棄物処理機関が共同で、廃食用油からバイオディーゼルを製造する技術を開発する計画が発表された。

5.アフリカ

  • エジプトではエネルギー需要が増加し、石油消費量は精製能力を上回っている。天然ガスは開発不足で生産量が伸び悩み、発電量の増加も相俟って輸出余力が衰退している。
  • 南アフリカ共和国では、自国の航空会社・Boeing・欧州のバイオ燃料企業が共同でタバコの改良品種Solarisを原料とした再生可能航空燃料の開発が進められている。

6.中南米

  • チリ国営ENAPの中長期計画が発表されている。石油・天然ガス資源開発、製油所の近代化、発電能力の増強(地熱発電を含む)、環境対策、エネルギー効率改善、組織改革など広範囲の方針が公表され、今後年間8億ドルを投資すると発表されている。
  • ブラジル国営Petrobrasから、製油所関連の情報としてディーレードコーカーの設置状況、Paulinia製油所近代化プロジェクトの最後の設備が稼働したことが発表されている。

7.東南アジア

  • インドMRPLのMangalore製油所で建設が進められていた石化仕様のFCC装置が稼働を始めた。同製油所では精製設備の増強・近代化、ポリプロピレンプラントおよび原油受入設備などのインフラの建設が進んでいる。
  • インドRILは、クラッカー原料に安価な北米産エタンを輸入する計画を発表している。同社はエタン輸入開始に備えて、設備対応・エタンタンカーの準備を進めている。
  • ベトナムで3番目の製油所となるVung Ro製油所・石油化学コンプレックスの建設が始まったことが発表されている。
  • タイPTTが建設していたミャンマーから天然ガスを輸入するパイプラインが完成し、タイ国内への天然ガスの供給が始まった。

8.東アジア

  • 中国環境保護部、2013年の自治体・主要国営企業の指標環境汚染物質(COD、アンモニア態窒素、SO2、NOx)の排出量データを公表した。何れも2012年の排出量を下回った結果となっている。
  • 国営PetroChina、Sinopecの2014年上半期の業績は両社とも増益で、精製・化学部門、販売部門は両社とも前年同期に比べ増益となっている。燃料は両社とも増産。
  • 中東湾岸協力会議(GCC)諸国からの中国向け原油輸出が、今後増加する見通しが発表されている。
  • 中国政府は、民間企業として初めて新疆ウイグル地区を拠点するGuanghui Energyに原油の輸入を認可した。同社はカザフスタンに原油権益を持つ一方で製油所を保有していないため輸入原油は転売する見込みである。
  • 中国では、環境汚染・CO2排出削減を背景に石炭の消費を抑制する方針で、天然ガスの 供給量を増やす施策を進めている。世界最大の埋蔵量を有するシェールガスの生産も期待されているが、最近当初の目標値が下方修正されている。

9.オセアニア

  • オーストラリアCaltexは、Kuenell製油所の閉鎖などの構造改革を進めているが、新たに人員削減を含む事業計画を発表している。
  • ニュージーランド政府が、2013年のエネルギー基礎データを発表している。石油・天然ガス関連では、原油は減産傾向が続き、天然ガスは過去最高を記録している。石油製品の国内消費量は2%増、製油所の稼働率低下を受け原油輸入量・精製量が減少し、製品輸入量が増加した。再生可能エネルギーの1次エネルギーに占める割合は僅かに増加し38.2%、発電部門(地熱・水力等)では3/4に達している。

平成26年(2014年)8月

1.北米

  • ExxonMobilはテキサス州Beaumont製油所の精製能力の倍増を検討中である。重質原油処理能力強化のためのコーカ―ドラムの更新・新設計画が先行している。
  • ベネズエラ国営PDVSAは、米国に保有する精製・販売子会社Citgoの売却を模索している。製油所能力、販売資産ともに大規模であることから、注目が集まっている。
  • デルタ航空傘下のTrainer製油所は、これまでの輸入原油主体から、シェール原油等の国産原油への切り替えを図り、また原油・製品輸送方法の見直しを進めている。
  • 米国では2020年までに30万-45万BPD程度の精製能力の拡大が見込まれている。非在来原油の処理が課題で、軽質原油処理設備の増強に加えて、原油生産地で小規模で軽装備の製油所の新設が計画されていることが注目される。

2.ヨーロッパ

  • 一部で実現が疑問視されていた英国MurocoのMilford製油所のトレーダーKleschへの売却が決定した。またMurocoのSS事業はMotor Fuel Group(MFG)に売却される。欧州では厳しい精製事業環境のなかでトレーダーによる製油所経営が増えている。
  • フランスTotalは収益が悪化し、資産売却を計画しているが製油所の売却・閉鎖は政策との絡みで具体化していない状況にある。
  • イタリアでは石油製品の需要落ち込みが大きく、上流事業も芳しくないEniは製油所の閉鎖を迫られている状況で、閉鎖対象の製油所名が取り沙汰されている状況にある。

3.ロシア・NIS諸国

  • ウクライナに対する欧米の経済制裁発動の中で、制裁対象外のロシアの私企業Lukoilが、ウクライナ・東欧諸国の石油製品販売事業からの撤退を公表している。
  • ロシアRosneftは、極東地域で製油所の建設プロジェクトを抱えている。アムール州で計画している中国とのJVのAmur製油所については、パイプライン会社Transneftが原油供給能力に懸念を表明している。

4.中東

  • EIAが発表したイランのエネルギー概況の最新版を基に、同国の石油ダウンストリームの概要を紹介する。イランでは精製能力の増強が進み、総精製能力は約200万BPDで、製品自給力が向上している。さらに製油所の拡張・近代化が計画されている。
  • オマーン国営Orpicは、Sohar製油所の拡張と合わせて、石油化学プロジェクトLPP(Liwa Plastic Project)を推進している。LPPの主要プラントに採用するプロセス技術の選定が進んでいる。
  • クウェートから、石油製品品質の向上を目指す製油所の近代化プロジェクトの現状が報告されている。
  • ドバイ企業が再生可能ディーゼル・ジェット燃料製造に向けて、Honeywell UOPのプロセスの導入を決定している。

5.アフリカ

  • 精製量の不足に直面しているナイジェリアでは、Port Harcourt製油所の稼働率改善に向けた電力供給の取り組みが発表され、またコギ州とバイエルサ州で計画中の製油所に対して、政府は電力供給などで支援する動きを見せている。
  • アフリカ有数の石油・天然ガス資源国アルジェリアでは、製油所の稼働が軌道に乗りつつあり、近年製品輸入量が減少しており、2015年にはディーゼルの自給が実現する見込みである。
  • シェール資源の埋蔵量が豊富なアルジェリアは、2020年にシェールガスの生産開始を計画している。同国は環境に配慮した掘削技術を採用する方針である。

6.中南米

  • ベネズエラ国営PDVSAは、重質原油の処理能力拡大を目指すPuerto La Cruz製油所の近代化プロジェクトの基礎工事を開始し、プロジェクト実現に向けて一歩前進した。
  • ブラジルの航空会社GOLは、Amyris/TotalのJVが製造したサトウキビを原料とするアルコール由来の燃料を配合したバイオジェット燃料による国際便の運航を開始した。

7.東南アジア

  • 今年4月に最終投資判断が下りたマレーシアのRAPID (Refinery and Petrochemical Integrated Development)プロジェクトを含むPIC (Pengerang Integrated Complex)プロジェクトで、製油所・石油化学コンプレックス・インフラ分野で多くの契約が締結され、建設に向けて動き出している。
  • インド国営HPCLのBarmer製油所プロジェクトに関して、連邦政府の方針が明らかになる一方、パートナーのマハーラーシュトラ州がJVの内容を見直す動きがあることが伝えられている。
  • マレーシアで新技術による天然油脂原料のバイオリファイナリー計画が発表されている。再生可能な石油製品・石化製品およびオレオケミカルを併産する計画である。

8.東アジア

  • 中国能源局は、環境影響やエネルギー効率の観点から、石炭から合成ガスを製造するCTG/CTLプロジェクトに対する規制を発表した。小規模開発を排除し、認可の審査を厳格化する方針を打ち出している。
  • 米国と中国の環境共同事業“EcoPartnerships Program”の新たなプロジェクト6件が発表されている。
  • 中国国営SinopecとPetroChinaから、燃料品質の改善を目的とする製油所近代化プロジェクトの最近の事例の報告が続いている。

9.オセアニア

  • オーストラリア政府がエネルギー統計を発表している。同国では国内エネルギー消費量が安定している中で、石炭・天然ガスの生産が順調で、輸出も伸びている。その一方で、原油類の生産は減少し、また製油所の閉鎖の影響で石油製品の輸入量が増えている。再生可能エネルギーは増加しているが、全体に占める割合は2%未満に止まっている。

平成26年(2014年)7月

1.北米

  • カナダの太平洋岸でオイルサンド由来の原油を処理する製油所が2ヶ所で提案されている。先住民や環境保護団体による反対が想定される上に、2製油所の両立は難しいと見られている。
  • 米国エネルギー情報局から米国の製油所の現況が発表されている。製油所数は142ヶ所、精製能力は1,790万BPD。上位5社の精製能力が全体の45%を占めている。
  • 米国では、天然ガス発電が増え、発電用石油コークスの需要が縮小し、輸出が増えている。一方で、安価な重質原油の増処理のためにコーカーの増設が進んでいる。

2.ヨーロッパ

  • 製油所の閉鎖、稼働率の低下が進む欧州の精製業の環境は2013年と比べても、さらに厳しい状況にある。欧州外からの輸入が増えたディーゼルのマージンの低下や比較的安価な中南米産の原油の値上り予想に晒され、更なる製油所閉鎖圧力が高まっている。
  • 閉鎖の恐れが伝えられていた英国ウェールズのMilford Haven製油所の売却先候補としてスイスのトレーダーが現れたが、最終決着には至らず、不透明な状況が続いている。
  • ExxonMobil のベルギーAntwerp製油所で重質原油対応のコーカー設備の建設が決定している。欧州および周辺国の製油所でも、コーカー設備増設計画が数件進行している。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアGazpromによるオーストリアの石油天然ガス企業OMVの株式取得の観測が報道されている。両社はロシアから欧州にウクライナを迂回して天然ガスを輸送するSouth Streamパイプラインのオーストリア枝線を通じて関係を深めている。
  • ウズベキスタン政府は、既存2製油所を含む非採算国営企業の建て直し計画を承認した。両製油所では稼働率向上による採算性の向上等に取組むことになる。

4.中東

  • 欧米による経済制裁が緩和されたイランから、製油所新増設計画、ガソリンの自給力・品質向上、石油化学事業の強化等の石油下流部門で活発な発表が続いている。
  • LNG大国カタールの金融機関QNBが、今後のLNGの市況見通しを発表した。アジア地域が牽引する需要増が供給能力の増強を上回り中期的には、LNG価格は上昇傾向を続けると予測している。

5.アフリカ

  • アフリカ開発銀行が、ナイジェリアのDangote Groupの製油所新設プロジェクトへの融資を決定し、プロジェクト実現に向けて一歩前進している。
  • 南アフリカ共和国のSasol・イタリアEni・モザンビーク国営ENHが、新発見が続くモザンビークの天然ガスを原料とするGTLプロジェクトのFSの開始を発表している。
  • ケニアでは老朽化した石油製品パイプラインに代わる新規ラインの建設がレバノン企業に発注されている。一方、Mombasa製油所に関しては、インドEssarの撤退表明後、今後の運用に関して油槽所への転換を含めた検討が続いているが、ケニア政府はナイジェリア原油を低コストで調達し稼働することも視野に入れている模様である。

6.中南米

  • ベネズエラの石油ダウンストリーム部門の概要が紹介されている。
  • 天然ガスの利用に力を入れるペルーで、新規パイプラインシステムの建設・操業プロジェクトがブラジル・スペイン企業により進められることが発表されている。
  • シェール資源大国のアルゼンチンでは西部ネウケン州のVaca Muertaでシェール原油の増産が続き、南部チュブ州でもシェールオイル・ガスの試掘に成功している。

7.東南アジア

  • インドの石油ダウンストリーム部門の概況と、国営、民営製油所の精製能力および新設・拡張プロジェクトを紹介する。
  • インドネシアPertaminaは、ダウンストリーム部門に力を入れ収益を拡大する方針で、サプライチェーンの構築、潤滑油事業の拡大を図る。また、国内需要対応でLNGを輸入する必要から米国のCheniereとLNGの長期購入契約を締結している。
  • ベトナムのDung Quat製油所にロシアのGazprom Neftが資本参加するとともに、同社とPetroVietnamが共同で製油所の拡張・近代化に取り組む方針が発表されている。

8.東アジア

  • 中国Sinopecは、製油所エネルギー消費率を改善する計画を発表している。
  • Sinochem初の単独所有の製油所であるQuanzhou製油所が完成した。
  • SinopecとCNPCから国5基準の高品質ガソリンを、広東省の一部地域で先行して販売することが発表されている。
  • CNPCからは、Central Asia -China 天然ガスパイプラインとChina-Myanmar 原油・天然ガスパイプラインの支線の完成が伝えられている。

9.オセアニア

  • ニュージーランド唯一の製油所Refining NZのMarsden Point製油所では天然ガスの利用や水素化分解設備の改善で、精製コストの削減が進んでいる。また、CO2を工業ガスメーカーに供給することが決まり、CO2排出削減効果が期待されている。
  • アジア太平洋地域で石油事業を積極的に展開しているPuma EnergyがパプアニューギニアのInterOilの製油所・SSなどの精製事業を買収し、同国の石油下流事業への進出を果たしている。

平成26年(2014年)6月

1.北米

  • 米国EPAは、製油所からの有害物質の排出基準の強化案を発表した。タンク類、フレア、コーカー設備を対象に揮発性有機物質(VOC)排出量の削減が求められる。業界からは投資効果や規制に対する技術的根拠に対し疑問が呈されている。
  • 米国で増産している原油の殆どは超軽質原油で、輸入原油の削減に寄与しているが、一方で既存設備との不適合も起き、軽質原油の余剰と呼ぶべき事態が想定されている。
  • ハワイ州政府のKapploi製油所閉鎖を検討した最終報告によると、閉鎖を検討する為には、ガソリン規格、州の開発計画、ジェット燃料供給、化石燃料削減方針等についての製油所閉鎖に際して事前検討する事が重要だと結論付けている。
  • Marathon Petroleumは、ルイジアナ州のGaryville製油所に水素化分解装置を設置し、超低硫黄ディーゼルを製造する計画の検討を本格化させている。

2.ヨーロッパ

  • ウクライナ問題を受け、欧州委員会はロシアへのエネルギー依存への危機意識から、備蓄や消費削減策とともに、エネルギー供給源の多様化を図る方針を検討している。
  • カナダのオイルサンド系原油は、GHG排出量が高く高硫黄であるため、欧州では輸入反対の動きが活発であるが、原油の供給源多様化の観点から見直す動きが出始めている。
  • CONCAWEは、2020年までを対象に輸送用燃料の需要動向と品質動向・製油所の装置構成の変化を予測し直した結果を公表した。欧州の精製業にとり厳しい内容になっている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア国営Gazprom Neftは、原油生産能力の拡大とともに、国内の製油所の近代化、国外の精製能力を拡大する方針で、欧州西部・南部やアジアへ進出が目されている。
  • Gazprom Neftは、西シベリアのOmsk製油所で燃料品質をEuro-5に引き上げるための近代化プロジェクト主要工事を発注した。

4.中東

  • サウジアラビアSaudi Aramcoが下流事業戦略を公表した。規模・拠点の拡大とともに技術・経営効率を向上させる方針で、総精製能力を大幅に拡大する目標も明らかにした。
  • サウジアラビアSABICは、Oil-to-Chemicalコンプレックスを建設する計画を明らかした。またJubailの研究センターの拡充や、大学との連携強化を発表している。
  • オマーン国営Orpicは、Sohar製油所近代化プロジェクトの資金借入先を確保し、建設着工を発表した。燃料品質の向上と、石化原料の確保、処理原油の重質化対応を図る。

5.アフリカ

  • ウガンダ政府は、製油所新設プロジェクトに対し4コンソーシアムが計画書を提出したと発表した。今年4Qにらくさ落札企業との交渉が予定されている。一方、政府による用地買収作業が進んでいる。
  • 米国内のシェールオイルの増産で、軽質・低硫黄なナイジェリア原油の米国向け輸出が減少する一方で、米国からのジェット燃料等の石油製品の輸入が増大している。

6.中南米

  • ペルーのPetroperuのTalara製油所プロジェクトで、建設契約が締結された。製品品質の向上・精製能力の拡大・重質原油対応を図るもので、2018年の稼働を目指している。
  • ブラジルはディーゼル中のバイオディーゼルの配合率を段階的に7%(B7)に引き上げる方針を発表した。燃料向け大豆を増産する必要がある。
  • ブラジルの航空機メーカーEmbraerとBoeingは、再生可能航空燃料の共同開発拠点の建設計画を明らかにした。Boeingの再生可能燃料サプライチェーン拠点作りの一環であるともに、ブラジルのバイオ航空燃料の技術向上への貢献が期待されている。

7.東南アジア

  • インド政府は、2015年にEuro-4規格の適用範囲を50都市追加する方針を発表した。
  • インドのCO2排出量削減計画の検討結果が公表された。産業の各分野におけるCO2排出量削減シナリオやCO2貯留策が示されている。目標達成には2030年までに8,340億ドルの投資が必要と見られている。
  • フィリピンPetronは、Bataan製油所の近代化プロジェクトが2015年までにフル稼働になるとの見通しを発表した。プロジェクトはEuro-4対応、燃料製品・石化製品増産、重質原油対応を目的としている。

8.東アジア

  • 中国国営CNPCは、ロシア国営Rosneftとの共同プロジェクトである天津製油所建設を推進する方針を確認し、ロシアからの原油供給について合意したことが発表されている。
  • CNPCは、ロシアから30年間で380億m3の天然ガスの供給を受ける契約をロシア国営Gazpromと締結した。
  • 中国国営Sinopec Corpは、ロシアのSIBURと天然ガス・石油化学分野で戦略的な連携を図ることに合意した。その一環として、合成ゴム製造プラントのJV設立が発表された。

9.オセアニア

  • オーストラリアExxonMobil の、Altona製油所の原油パイプラインの補強工事が完成した、同社はAltona製油所の操業継続の方針を明らかにしている。
  • 西オーストラリア州で、ユーカリを原料とするバイオ航空燃料のサプライチェーンの検討結果が報告されている。GHG削減効果、原料の供給、製造体制が評価されている。

平成26年(2014年)5月

1.北米

  • カナダのSuncor Energy、のMontreal製油所では、オイルサンド原油の増処理による経済効果の見通しが立ってきたことから設備改造を最終決定する環境が整いつつある。
  • Chevronは、カリフォルニア州Richmond製油所の近代化を推進する方針である。これに対し環境保護団体から、オイルサンド原油処理の可能性に対して懸念が示されている。
  • 昨年の大型ハリケーンSandyによる燃料供給システムの甚大な被害を教訓に、米国政府はニューヨーク州でガソリンの緊急備蓄を決定している。
  • Marathon Petroleumは、ルイジアナ州のGaryville製油所に水素化分解装置を設置し、超低硫黄ディーゼルを製造する計画の検討を本格化させている。

2.ヨーロッパ

  • LyondellBasellは、フランス南部のBarre-L’Etang製油所を2011年に停止し、売却先を探しているが、売却先候補のSotragem Samとの交渉は不調に終わった。フランスでは旧PetroplusのPetit-Couromme製油所の売却先も決まらない状態が続いている。
  • フィンランドのNeste Oilは、2基ある旧式水素製造装置の内の1基を停止するが、新装置を建設することなく、ドイツのLinde Groupの子会社から、水素の長期需給契約に基づく供給を受けることになった。
  • チェコのCeska RefinerskaについてはポーランドのPKN OrlenによるEni持株買収交渉が進行中と見られていたが、Eniは株式をハンガリーのMOLに売却すると発表した。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア国営Rosneftの関係者が実権を握る企業が、ロシア・カザフスタンを拠点とするAlliance Groupの株式を買収する動きがあることが伝えられている。
  • Rosneftは、モンゴルに対し同国を経由し中国に原油を輸送するパイプラインの建設を提案した。両国の間には、エネルギー面で結びつきを強化する動きが見られる。

4.中東

  • イランは、ガソリン製造設備の増強が進んでいるが、需要増や石化プラントによるガソリンの製造が停止されることから、今年は不足分の輸入が続く見通しである。
  • イランでは、財政負担を減らし、省エネを推進する為に燃料に対する補助金の減額を決定している。
  • トルコの下流部門の状況を概観する。同国は石油資源に乏しく、原油を輸入しているが精製能力が不足し、需要の一部を輸入で賄っている。同国は、地理的にエネルギー流通の要衝に位置し、国際パイプラインの経由国としてのプレゼンスが高まっている。

5.アフリカ

  • 南アフリカ共和国政府は、新エネルギーインフラ計画の概要を発表した。再生可能発電能力の増強・バイオ燃料・太陽熱温水等の大小プロジェクトが示される一方で、エネルギー需要増に応えるためにコジェネ発電や石炭火力の増設も進める方針である。
  • ナイジェリアでは、これまで多くの製油所新設プロジェクトが伝えられているが、この度、ナイジェリアの大手石油・天然ガス企業Aiteoは、新製油所を建設し精製事業へ乗り出す計画を発表している。

6.中南米

  • ブラジル国営Petrobrasは今年3月に、精製部門で月間原油処理量、原油部門ではプレソルト油田の生産量、天然ガス部門では天然ガスの供給量で過去最高を記録したと発表している。
  • ブラジルの航空会社Avianca Brazilは、再生可能バイオジェット燃料の製造プロセスに供給体制の確立しているエタノールを原料とするByogy Renewableの製造技術を選択したことを発表している。
  • EIAの資料を基にメキシコの下流部門の状況を概観する。産油国であるメキシコでは精製能力の絶対量が不足しているが、製油所の高稼働率で製品輸入の削減に努めている。同国は、国営企業Pemexの独占に終止符を打ち、国内外からの投資を進める方針である。

7.東南アジア

  • インドではMTPLのMangalore製油所でディレードコーカーが稼働した。
  • Relianceは、Jamnagar製油所の近代化・拡張プロジェクトを検討している。
  • マレーシアPetronasは、大規模な製油所・石油化学プロジェクト“RAPID”の最終投資判断を下した。

8.東アジア

  • 中国国営CNPCが2013年の主要R&D成果を発表している。全10項目の内、精製・石化関連はFCC技術とポリプロピレン製造触媒関連の2件。
  • 米国のエンジニアリング企業CB&Iが、中国企業に製油所2次装置を、石油化学プラントに脱水素系のオレフィン製造プロセスの技術供与を行う。中国では、脱水素プラントの導入計画が活発で、UOPも新たなブタン脱水素プロセスの提供を発表している。
  • 中国国営CNPCとSinopecに対する製油所の新増設プロジェクトの認可凍結が解除されたことが発表された。
  • 中国国営CNPC、Sinopecの最近の精製事業の状況を四半期報告を基に概観する。

9.オセアニア

  • オーストラリアCaltexは、南オーストラリア州に完成した製品ターミナルの利用や、トラック給油網での新たなサービスなどダウンストリームへの新たな取り組みを展開している。
  • ニュージーランドのZ Energyは、バイオディーゼル製造事業への進出を発表した。原料は、同国で豊富に生産されコスト競争力の高い牛脂や廃食用油。

平成26年(2014年)4月

1.北米

  • カナダでは、石油・天然ガス部門からのGHG排出量の増加が、輸送部門を凌ぎ、2012年には産業別で1位となっている。これにはオイルサンド開発の寄与率が高い。州別の比較では資源産出や化石燃料による発電の多い州でGHG排出量が多い。
  • Bakken原油を産出するノースダコタ州では、州内の需要の高いディーゼルの生産を主目的とする製油所プロジェクトが計画され、5件が監督官庁に申請されている。
  • Phillips 66は、テキサス州Eagle Fordシェール原油の処理を増やしかつ中間留分の増産を図るためにSweeny製油所へ分留装置の増設を計画している。

2.ヨーロッパ

  • 英国政府のレヴューによると、今後も欧州の製油所の閉鎖が続くと予測し、英国の精製・輸入事業の存続には、支援策が必要で、規制緩和や外圧対策を検討するタスクフォースの設立などからなる7項目の行動指針を定めている。
  • ベラルーシのMozyr製油所では、売却は見送られて、処理能力の拡大と水素化分解装置の増設を柱とする近代化工事を継続する模様である。
  • ポーランドのPKN Orlenは、Eniの持ち株を買収しチェコのCeska Rafinerskaの100%子会社化を検討している。チェコ政府は、PKN Orlenによる製油所操業継続と設備の近代化に期待している。

3.ロシア・NIS諸国

  • 近代化プロジェクトが進行中のカザフスタンKazMunaiGasのAtyrau製油所では、今年下半期に芳香族製造装置が稼働する予定である。
  • アゼルバイジャン国営石油会社のSOCARのHeydar Aliyev製油所では、処理能力の増強とガソリンの増産を目的とした近代化工事が完了し、通常運転が始まっている。

4.中東

  • 石油製品供給力の拡大と燃料の高品質化を目指すカタールのLaffan製油所では、第1製油所のディーゼル水素化脱硫装置の完成が近づき、第2製油所の建設が始まった。
  • UAE 国営ENOCは Jebel Ali製油所で、燃料製品のクリーン化を図る近代化プロジェクトの基本設計業務を発注した。ENOCからは、2013年の好業績が発表されている。
  • サウジアラビアでは、ダウンストリーム関連の事業方針が大手石油・石油化学企業から発表されている。石油化学事業を重視し、国際競争力を強化する方針が示されている。
  • 天然ガス需要が増加しているクウェートは、中・長期的に天然ガス田の開発を目指しているが、それに先行してLNG輸入を増やす方針で、KNPCによるLNGターミナル新設計画が進行している。

5.アフリカ

  • 新規開発原油を処理する製油所を建設し、東アフリカ地域への石油製品供給拠点となることを目指すウガンダ政府は、プロジェクト入札企業を一同に集め情報の共有化を図り、設備仕様・資金計画・製品販売までを対象とする入札仕様の詳細を発表している。
  • エジプトの石油化学産業の振興と輸出への貢献が期待されているTahrir石油化学プロジェクトが前進している、昨年から国外企業との設備・資金関連の契約が進み、3月下旬には用役・オフサイト設備の建設契約が締結されている。

6.中南米

  • 米国からの天然ガス輸入拡大を目指すメキシコで、国家的な天然ガスパイプラインプロジェクトRamones Phase Uの建設が始まった。
  • メキシコの太平洋側のSalina Cruz製油所に天然ガスを輸送し、精製コストの削減・品質向上を図る目的で建設していた天然ガスパイプラインが完成した。Minatitlan製油所からガソリンを輸送するパイプラインの拡張工事も完了し、輸送コスト削減効果が期待されている。
  • ベネズエラ国営石油PDVSAは、El Palito製油所で予防メンテナンス工事が実施される。同社では、製油所の事故が増えており、供給能力への支障も発生している。
  • PDVSAは、オリノコベルトの超重質原油処理サイトに、流動性向上の為の希釈剤に利用される軽質油分を回収し再利用する為の分留装置の建設計画を発表している。

7.東南アジア

  • インドネシアでは、増加を続ける燃料需要に対して精製能力が大幅に不足し、輸入量が増え続けていることが大きな問題になっている。停滞していた製油所の増設、輸入原油処理対応を見据えた既存製油所の近代化が計画されている。
  • インド国営IOCは、東部のオリッサ州で建設中のParadip製油所に石油化学コンプレックスを併設する計画を発表している。また西部沿岸州に製油所を建設する計画の状況も伝えられている。

8.東アジア

  • 天然ガスの確保の為に開発やLNGプロジェクトへの参画を進めている台湾の国営CPCは、米国のCameron LNGからLNGを輸入する契約を仏GDF SUEZと締結している。
  • 中国は石炭への依存度を引き下げる為に、天然ガス利用を拡大する方針で、シェールガス開発に高い目標を掲げている。一部で、シェールガス開発は困難であるとの見方もある中で、国営Sinopecは重慶市のFuling(涪陵区)でシェールガスの開発に成功し、商業生産へ移行することが発表されている。

9.オセアニア

  • BPは、アジアの新鋭の大規模輸出製油所に比べ競争力が劣ること等の理由でBulwer Island製油所を閉鎖する。今後、ガソリン・ディーゼルは国内他社から購入し、ジェット燃料は輸入する方針である。
  • ニュージーランドの唯一のMarsden Point製油所では、受託精製の効率を改善する為に原油調達方法を見直すことを発表している。また、CCRの建設プロジェクトは、順調に進んでいる。

平成26年(2014年)3月

1.北米

  • カリフォルニア州の製油所の処理原油は従来の州内産、アラスカ産、輸入原油に代わり、鉄道輸送による安価なカナダ、ノースダコタ産原油の供給の増加が続いている。
  • 米国では国産原油が原則禁止されているが、独立系精製企業Valero はカナダ産原油を傘下の英国Pembroke製油所への輸出を計画している。
  • EPAは、自動車の有害排出物、ガソリン品質の新基準Tier3の最終案を公表した。規制の影響は自動車では軽微であるが、ガソリンについては精製業の負担増は大きい。

2.ヨーロッパ

  • イタリアEniは、精製能力が過剰であるとして精製能力を削減し、稼働率アップを図る計画を発表した。
  • スェーデンの精製企業Preemは、製紙工場の副産物トールオイルを製油所で精製しバイオディーゼルを製造しているが、その生産量を倍増する計画を発表した。
  • 米国Murphy Oilは、英国子会社Murcoの製油所とSSを投資ファンドへ売却することを検討している。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア国営パイプライン会社Trans Neftは、超低硫黄ディーゼルの輸送量を大幅に拡大する計画である。これが実現すると主力輸出先の欧州の精製業はさらに厳しい状況に晒されることが懸念される。
  • カザフスタンでは、既存の3製油所の拡張工事に加えて、第4となる大型製油所を建設し将来の国内需要増を賄う計画である。余剰分は周辺国への輸出を見据えている。

4.中東

  • イラクのKarbala製油所建設プロジェクトで韓国Hyundai E&Cが建設を受注し、定礎式が挙行された。
  • イランは環境改善・CO2排出削減を進めるために、CO2排出取引市場の導入の検討を始めている。
  • 製油所近代化、製油所増設プロジェクトを進めているクウェートではShuaiba製油所が将来閉鎖される計画が発表された。
  • オマーンの非在来型天然ガス開発Khazzan天然ガスプロジェクトが前進し、設備建設のフェーズに移行している。

5.アフリカ

  • アルジェリアから、石油・天然ガス事業の上流・下流事業部門概況と計画が伝えられている。エネルギー保障の改善、LNGプロジェクト、石油化学等が重視されている。
  • 南アフリカ共和国からは、GTL/CTL製油所・原油製油所の等のダウンストリーム事業を中心に最近の状況が伝えられている。

6.中南米

  • ブラジル国営Petrobrasの2013年の業績は概ね好調であった。また2030年までの長期計画が示され、原油生産の拡大・製品自給率の改善が示されている。一方、中期計画では、下流事業への投資額が前期計画に比べ大幅に削減されている。
  • ブラジルの世界的な石化企業Braskemの昨年の業績が発表された。内外の諸施策の効果に、北米のシェールガス増産が同社に追い風になっていると分析されている。

7.東南アジア

  • インドIOCは、精製コスト改善の為にカナダ産オイルサンド原油の調達を検討している。また同社はインドの天然ガス需要増加に応えるために北米からのLNG輸入を目指し、JVへの出資を進めている。
  • 石油製品の輸入増対策が課題であるインドネシアに自国企業とイラン企業がJVで西ジャワ州に大規模な製油所を建設する計画が発表された。
  • インドネシアでは、ディーゼル代替燃料として、パーム油等とは別に食糧生産と競合しない新たなバイオ燃料の原料が注目されている

8.東アジア

  • 化石燃料の需要増・輸入依存度の拡大と環境汚染・CO2排出の問題に対処するために、中国国務院の研究機関が将来の上・下流分野でのエネルギー政策の展望を発表している。
  • 中国は、環境対策を進めるために国外との連携を進めているが、米国・英国それとの2国間の共同プロジェクトの推進が確認されている。

9.オセアニア

  • 石油精製事業の再構築が進むーストラリアでは、ShellのGeelong製油所を含む下流事業の石油トレーダーVitolへの売却が発表された。その一方でCaltexは、ローカルの燃料製品販売企業を傘下に収めた。

平成26年(2014年)2月

1.北米

  • 米国Valero は、安価な国産原油の処理を増やしているが、超軽質Eagle Ford原油に対応した設備改造がテキサス州の製油所で計画されている。
  • アラスカ州North Pole製油所の閉鎖の可能性が増している。アラスカ原油の高価格、エネルギーコスト高に加え、過去の環境汚染への対策が操業継続を難しくしている。
  • オハイオ州のLima製油所では、カナダのオイルサンド原油の増産計画に合わせて、
    オイルサンド由来の原油を処理するための重質原油対応の設備改造が進められている。

2.ヨーロッパ

  • 需要減退、ガソリン製造能力の過剰で危機的状況にある欧州では、多くの製油所で設備が停止中で、売却予定の製油所も多い。欧州全体では10%の削減が必要と見られている。
  • Neste Oilは、再生可能バイオ燃料NExBTLの原料に占めるパーム油比率の削減を進めているが、現在廃棄物系原料の割合は52%に到達した。
  • 精製事業が難しい状況置かれているウクライナで中国国営PetroChinaの製油所新設計画が報じられたが、新設計画を疑問視する向きもある。一方、ロシアRosneft傘下の休止中のLisichansk製油所の再開の動きも伝えられている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア国営Rosneftは、Nakhodkaに大規模なポリマーコンプレックスの建設を計画しているが、プロジェクトに中国企業の参画を期待している。計画実現には原料供給に必要などのインフラ整備が必要である。

4.中東

  • クウェートでは、懸案のMina Al-AhmadiとMina Abdullah製油所の増強・近代化プロジェクト“Clean Fuels Project”の落札企業が決定し計画実現に向けて前進している。
  • イラクのBasra製油所の近代化工事が完了し、精製能力が7万BPD引き上げられた。同国の石油製品の自給力向上に寄与することが期待されている。
  • UAE でBoeing、現地企業、大学、仏Totalによるバイオジェット燃料開発プロジェクトが発足した。同国はバイオジェット燃料事業の成長に期待している。
  • UAEからは、輸送用燃料としてのLPGと環境対応潤滑油を組合せた普及拡大の取り組みが伝えられている。

5.アフリカ

  • 2013年、アンゴラ唯一のSonangol Luanda製油所は過去最大の精製量を達成したが、同国の石油製品自給力は50%未満で、製油所新設が望まれている。
  • コンゴの最近の石油事情が、米国EIAから発表された、原油輸出国であるコンゴでは小規模な製油所が稼働し、総量としては精製量が国内需要を上回っている状況にある。

6.中南米

  • 南米エクアドルのPacific製油所プロジェクトで中国CNPCの支援拡大が発表された。
  • 南米の小国スリナムから製油所の増強・近代化プロジェクトの進捗が伝えられている。同国は、精製能力の倍増で、自給力の増強を図る。
  • ブラジルで新規LNG輸入ターミナルが稼働し、同国のLNG再ガス化能力は4,100万m3/年に増加した。同国は再ガス化能力を拡大し、世界各地からLNGを輸入する方針である。

7.東南アジア

  • インドの国営BPCLは精製能力を増強し、市場シェアの引き上げを目指している。Numaligarh・Bina・Kochi製油所のプロジェクトの状況が伝えられている。またRILのJamnagar製油所・石化コンプレックスの拡張プロジェクトでも進捗が報じられている。
  • ベトナムでは大規模製油所新設・拡張プロジェクトが6件発表され、精製能力は合わせて162万BPDになる。その内のVung Ro製油所プロジェクトの全体像、石油化学プロセス関連の新情報を紹介する。

8.東アジア

  • 中国の主要国営4石油企業による製油所の新設・近代化プロジェクトは20件を数えるが、稼働時期が延期されているものも多い、需要の伸びの鈍化による設備過剰懸念や環境対策がその背景にあるものと見られている。
  • 中国PetroChina傘下のLiaohe Petrochemical製油所では重質原油処理量が増加している。同製油所では国産原油の他に、ベネズエラ産の重質原油を処理している。
  • 中国山東省の2企業によるプロピレン・イソブテンを製造する脱水素プロセスの採用が発表されている。中国ではオレフィン増産のための最新プロセスの導入が活発である。

9.オセアニア

  • オーストラリアとパプアニューギニアで進められているWheatstone、Queensland Curtis、Gorgon、PNG LNGプロジェクトの最近の状況を概観した。4プロジェクトは2011-2013年に操業予定で、LNG生産能力は合わせて3,990万トン/年になる。

平成26年(2014年)1月

1.北米

  • 米国では、シェールオイル増産により原油の輸入量が減少しているが、全ての製油所がシェールオイルの恩恵を受けるわけではない。こうした中で、シェールオイルの輸出による経済効果を享受する為に、原油輸出を禁じる現在の法律を見直す動きが出ている。
  • 近代化工事を終えたBPのWhiting製油所が、本格稼働を始めた。米国で石油コークスが増産している中での、新設大型コーカーの稼働による市場への影響が注目されている。
  • Marathon Petroleumは、Uticaシェール原油の処理を増やす方針で、パイプラインの建設や製油所の設備対応を計画、実行している。

2.ヨーロッパ

  • 英国では、2013年後半にかけてバイオ燃料の消費量が回復してきている。2012年から2013年にかけてバイオ燃料消費量は減少を記録したが、これは非食用由来のバイオ燃料の数値が2倍換算となり、前年分の繰り越しが認められるようになった影響とみられる。
  • 英国運輸省は、再生可能燃料導入義務制度の導入後レヴューの取り纏めを4月に予定している。先進バイオ燃料などの影響を考慮したものになると見られている。
  • オーストリアOMVは上流部門へシフトするために、ドイツのBayernoil製油所の権益をトレーダーVitol等のJV企業Varoに売却する。さらに投資ファンドCarlyleがVaroの権益の一部を取得する。精製業の収益が悪化している欧州におけるトレーダーや投資ファンドによる製油所保有の動きが注目を集めている。
  • ロシア系Lukoil Neftochim Burgasは、ブルガリアBurgas製油所近代化プロジェクトに必要な融資を国際金融機関から調達し、2015年初めの稼働を目指している。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアRosneftは、4製油所で並行して近代化を進めているが、主要設備に必要な大型装置の大掛かりな輸送が行われる等、大規模な工事が進められている。
  • 設備近代化を進めるロシアSurgutneftegasのレニングラード州Kirishi製油所で、完成が遅れていた処理能力9.8万BPDの大型水素化分解装置が完成した。

4.中東

  • アゼルバイジャンのSOCAR系企業が進めるトルコではのSTAR製油所プロジェクトで、プロジェクト遂行業務契約が締結や米国からの融資が発表される等の動きがあり建設に向けて前進した。
  • サウジアラビアで、世界の非在来型石油・天然ガス資源を評価した報告書が公表された。深海原油や重質原油の供給拡大を予測する一方で、シェール系資源の増産を控えめに見積もったもので、同国へのシェールの影響は石化分野等に限定されるものになっている。
  • Saudi Aramco、SABICは国内外でR&D拠点の設置を進めているが、最近Saudi Aramcoは米国に、SABICは中国、インドに拠点を開設した。資源開発から製品技術開発の分野で世界各地のニーズ対応や地域の人材の活用を図るものになっている。

5.アフリカ

  • ウガンダでは、初の製油所建設に向け製油所及び関連施設の建設から操業を担う企業の選定作業が進捗している。
  • アルジェリアのSkikada製油所・石油化学コンプレックスの近代化プロジェクトで、パラキシレンプラントが完成し間もなく稼働する。

6.中南米

  • ペルー政府は石油製品の増産と燃料の品質向上を目指すPetroperuのTalara製油所の近代化プロジェクトを正式に決定した。
  • ブラジルでは、製油所新設が遅れる中で、製品輸入の削減が重要課題となっているが、国営Petrobrasでは設備改善や操業改善により製油所の稼働率が向上している。

7.東南アジア

  • ベトナムのPetrovietnamと海外企業JVであるNghi Son製油所プロジェクトでEPC契約締結が発表されるなど、プロジェクトが進捗している。
  • インドネシアPertaminaとタイPTT GCによるインドネシアの石油化学共同事業が実現に向けて前進し、プラント建設と市場開拓事業に関わるJVの設立が発表された。
  • インドIOCとベルギーVITOは、CO2を原料にバイオ燃料やケミカルを製造する技術を共同開発する計画である。

8.東アジア

  • 中国から、国営CNPC・Sinopec・CNOOCの国営石油・天然ガス企業によるLNG事業の進捗が伝えられている。
  • 大気環境改善を目指す中国は、2018年から国5基準の高品質ガソリンを全国展開する方針を発表した。
  • 中国PetroChinaは、電力企業Datangから石炭由来の合成天然ガスを購入しパイプラインで北京市に輸送する計画である。

9.オセアニア

  • メジャー系企業の精製・小売り縮小の動きが伝えられているオーストラリアで、ExxonMobil が一部地域でMobilブランドを復活させることを発表したことで、同社は下流事業を継続する方針であると受け止められている。
  • 南オーストラリア州で、州の主要産業の一つである林業資源を活用を図る事業調査の結果、熱分解やガス化プロセスによるバイオリファイナリ−構想が提案されている。

平成25年(2013年)12月

1.北米

  • 米国の石油製品の需給を概観すると、石化原料、暖房・輸送用燃料の分野で非在来型天然ガスへのシフトが進み、また石油製品の国内需要の減少で、燃料製品の輸出が増えている。
  • 製油所では、国産の非在来型原油やカナダ産重質原油の処理が増加し、原油輸送手段の見直しや設備対応が一部で進んでいる。
  • 原油を増産しているカナダでは、原油輸送インフラの整備が計画される一方で、地域間の需給のアンバランスや総体的に見た場合の精製設備の過剰問題を抱えている。
  • ユタ州では、長距離輸送には向かない、パラフィン分の多い地元産原油の処理を目指した、Woods Cross製油所の重質油処理プロジェクトが認可された。

2.ヨーロッパ

  • 2030年を見据えたEUのバイオ燃料普及のロードマップを「Auto-Fuel Coalition」の委託を受けてE4techが公表した。それによると先進バイオ燃料、E20ガソリンの導入、自動車の効率改善を図ることが必要である。
  • ドイツではバイオディーゼルの国内需要減と輸出増およびE10の伸び悩みという現象が起きている。
  • 財政危機下にあるイタリアは、石油精製業に関してロシアとの結びつきを強化している。両国企業間の事業売買が進む中で、EniとRosneftは、両社の欧州製油所に原油を安定供給することに合意した。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアの製油所の設備近代化が進み、高品質燃料の製造能力が大幅に拡大するが、余剰のディーゼル・ガソリンの多くは、欧州に輸出されると見られている。
  • ロシアでは、直留残渣油をバンカー油では無く、分解装置の原料として利用し、分解残渣油を船舶燃料として利用する動きが起きている。
  • トルクメニスタンのTurkmenbashi製油所で進められている、各種近代化工事の状況を紹介する。

4.中東

  • クウェートのAl-Zour製油所新設プロジェクトと既設製油所の近代化プロジェクトで新たな契約締結が発表され、両プロジェクトの進捗の様子が明らかになっている。
  • オマーンのSohar製油所近代化プロジェクトは、英国Petrofacと韓国Daelim Industriesとオマーン国営Orpicとの間のEPC契約の締結まで進んでいる。

5.アフリカ

  • ナイジェリア政府から国営製油所の民営化方針が発表される一方で、製油所建設を推進するDangote Groupからは、プロジェクトマネジメント契約の締結が発表されている。
  • 西アフリカ地域の燃料供給保障を目指した、国際金融機関によるコートジボアールの製油所操業支援の動きが報じられている。

6.中南米

  • ブラジルでは、PetrobrasがPremium U製油所プロジェクトを推進する為、製油所建設用地確保に必要な先住民族の居留地に関する取り決めが成立した。
  • アルゼンチンでは、国内最大規模のバイオエタノールプラントが稼働している。
  • ベネズエラでオリノコ重質原油の開発・精製事業を進めるPDVSAとEniのJVプロジェクトが進展している。重質原油のアップグレードプラントまで輸送するパイプラインが完成した。

7.東南アジア

  • インドネシアでは、燃料製品と石油化学原料を増産し自給率を上げるために、国営Pertaminaが倒産により停止していたTuban TPPI製油所を再稼働させている。
  • マレーシアの大型プロジェクトRAPIDでは、PetronasとイタリアのVersalisによる合成ゴム事業のJV計画が発表されている。
  • シンガポールShellは潤滑油プラントとグリースプラントの建設工事を開始した。

8.東アジア

  • 中国4大石油企業の製油所の新設・近代化プロジェクトのうち、SinochemのQuanzhou製油所が、アンゴラ産原油を受け入れ、年内の稼働を目指して試運転準備を進めている。
  • イタリアM&G Chemicalsは、デンマーク・米国・中国企業と共同で安徽省阜陽市に世界最大級の次世代バイオエタノールプラントを建設するプロジェクトを計画している。
  • Shellと中国Wison Engineeringが開発を進めている合成ガス製造プロセス実証プラントが南京市で稼働を開始した。
  • 中国の3都市で、炭素排出権取引が始まった。Sinopecのグループ企業などの取引への参加が発表されている。

9.オセアニア

  • オーストラリアの航空会社QantasとShellは、同国のバイオ燃料製造事業を調査・検討し、原料・インフラ・政策面の課題を提起している。原料コストの改善と政府の支援の重要性を指摘している。
  • オーストラリアBPのディーゼルの精製設備が、クィ-ンズランド州Mackayターミナルに完成し、同州の基幹産業である鉱業向けに供給されることになった。一方Shellは、新配合規格のプレミアムガソリンの発売を発表している。

平成25年(2013年)11月

1.北米

  • 米国の石油精製設備からのGHG排出量は、製油所の減少や需要減の影響で総量では僅かに減少しているが、処理量当たりの排出量は2次装置稼働の影響などで増加が認められる。
  • Calumetは、モンタナ州のGreat Falls製油所の拡張が承認されたほか、ノースダコタ・テキサス州で製油所の拡張を計画するなど、精製事業を積極的に展開している。
  • カナダのRegina製油所は、拡張工事後定常稼働を始めている。精製能力は13万BPDに増強され、オイルサンド系合成原油の処理能力が向上し、原油種の多様化を実現した。

2.ヨーロッパ

  • 米国の需要減の影響で同国への、製品輸出量減少が減少している欧州精製業にとって、輸出先として、輸入依存度の高いアフリカ市場の重要性が増しているが、今後、同市場での米国との競合激化が予測されている。
  • 英国では石油精製に対する政策の見直しが進んでいるが、国内最小規模のMilford Haven製油所が、政策決定の前に油槽所に転換されるとの見方が示されている。
  • 債務返済を迫られているベラルーシは、財政再建策の一環としてMozyr製油所の政府持ち株売却を検討中であるが、売却先としてロシアRosneftが有力視されている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア黒海沿岸のTuapse製油所の近代化が完了し正式に稼働した。精製能力は24万BPDに増強、設備仕様も高度化された。燃料製品の大半が欧州に輸出されることになる。
  • ロシアから韓国への天然ガスの輸出策として、北朝鮮を迂回する海底パイプライン計画に注目が集まっている。しかしながら技術的課題や高額な投資額、さらには中国向けの天然ガス輸出との競合など課題も多く指摘されている。

4.中東

  • イラン国営NIOCのBandar Abbas製油所のガソリン増産プロジェクトが2014年に完了する予定で、同国の高品質ガソリン・ディーゼルの供給能力が増強される。
  • 4ヶ所の製油所新設を計画しているイラクが、Maysan製油所の建設契約の締結を発表している。同国は製油所建設計画を加速する方針である。
  • Saudi AramcoとTotalの合弁製油所プロジェクトの設備が完成し、装置の稼働に伴って石油製品の出荷が始まっている。
  • サウジアラビアの石油化学拠点のJazanで、石油系スペシャリティケミカルの直鎖アルキルベンゼン、ノルマルパラフィンの増産計画が発表されている。

5.アフリカ

  • リビア政府は、同国の東部に30万BPD、西部に5万BPDの製油所を新設する方針を発表した。完成すれば、国内需要を満たした上で輸出能力が強化されることになる。
  • ナイジェリアのコングロマリットDangote Groupの製油所新設計画が新たな融資を獲得する等の進展を見せている。
  • 南アフリカ共和国のSasolは、FTプロセス廃液の嫌気性バイオ処理技術を開発した。FTプロセスの副産物からバイオガスを製造し発電に利用するという技術。

6.中南米

  • メキシコ国営Pemexの新5年計画によると、同社は製油所近代化・製品品質向上・天然ガス処理能力の拡張・石油化学向けエタン供給対策等に優先的に取り組む方針である。

7.東南アジア

  • インド国営BPCLの子会社NRLのNumaligarh製油所の拡張、パイプライン建設計画の進展が伝えられている。NRLはナフサ増産・ワックス製造等のプロジェクトも進めている。
  • ロシアはベトナムとの多方面の二国間協定の締結を発表している。ロシア国営Gazprom Neftは、PetrovietnamのDung Quat製油所への出資と近代化計画を支援、RosneftはタイPTT主導のNhon Hoi製油所プロジェクトへの参画を発表している。

8.東アジア

  • 中国では、ロシア国営Rosneftと中国CNPCはTianjin(天津)製油所プロジェクトの試運転計画や原油調達に関して合意したことを発表している。
  • 天然ガス供給インフラの増強を目指す中国から、中国-ミヤンマー天然ガスパイプラインの本格稼働やCNOOCのZhuhai LNGプロジェクトに進展の様子が伝えられている。
  • 中国は大量に埋蔵する非在来型の石油・天然ガス資源の探査・開発に期待しているが、シェールガスの試掘に成功しているCNPCとShellはシェールオイルのR&D拠点の設立を発表し、Sinopecからも商業化規模のシェール試掘の成功が伝えられている。

9.オセアニア

  • オーストラリアの精製事業の縮小を進めるCaltexはシドニーのビチューメン事業の国際企業Puma Energyへの売却を発表している。
  • 世界各国で石油事業を展開しているPuma Energyはオーストラリアでリテール事業の拡大を図り、SS・油槽所の買収を積極的に進めている。

平成25年(2013年)10月

1.北米

  • 米国の石油精製設備からのGHG排出量は、製油所の減少や需要減の影響で総量では僅かに減少しているが、処理量当たりの排出量は2次装置稼働の影響などで増加が認められる。
  • Calumetは、モンタナ州のGreat Falls製油所の拡張が承認されたほか、ノースダコタ・テキサス州で製油所の拡張を計画するなど、精製事業を積極的に展開している。
  • カナダのRegina製油所は、拡張工事後定常稼働を始めている。精製能力は13万BPDに増強され、オイルサンド系合成原油の処理能力が向上し、原油種の多様化を実現した。

2.ヨーロッパ

  • 米国の需要減の影響で同国への、製品輸出量減少が減少している欧州精製業にとって、輸出先として、輸入依存度の高いアフリカ市場の重要性が増しているが、今後、同市場での米国との競合激化が予測されている。
  • 英国では石油精製に対する政策の見直しが進んでいるが、国内最小規模のMilford Haven製油所が、政策決定の前に油槽所に転換されるとの見方が示されている。
  • 債務返済を迫られているベラルーシは、財政再建策の一環としてMozyr製油所の政府持ち株売却を検討中であるが、売却先としてロシアRosneftが有力視されている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア黒海沿岸のTuapse製油所の近代化が完了し正式に稼働した。精製能力は24万BPDに増強、設備仕様も高度化された。燃料製品の大半が欧州に輸出されることになる。
  • ロシアから韓国への天然ガスの輸出策として、北朝鮮を迂回する海底パイプライン計画に注目が集まっている。しかしながら技術的課題や高額な投資額、さらには中国向けの天然ガス輸出との競合など課題も多く指摘されている。

4.中東

  • イラン国営NIOCのBandar Abbas製油所のガソリン増産プロジェクトが2014年に完了する予定で、同国の高品質ガソリン・ディーゼルの供給能力が増強される。
  • 4ヶ所の製油所新設を計画しているイラクが、Maysan製油所の建設契約の締結を発表している。同国は製油所建設計画を加速する方針である。
  • Saudi AramcoとTotalの合弁製油所プロジェクトの設備が完成し、装置の稼働に伴って石油製品の出荷が始まっている。
  • サウジアラビアの石油化学拠点のJazanで、石油系スペシャリティケミカルの直鎖アルキルベンゼン、ノルマルパラフィンの増産計画が発表されている。

5.アフリカ

  • リビア政府は、同国の東部に30万BPD、西部に5万BPDの製油所を新設する方針を発表した。完成すれば、国内需要を満たした上で輸出能力が強化されることになる。
  • ナイジェリアのコングロマリットDangote Groupの製油所新設計画が新たな融資を獲得する等の進展を見せている。
  • 南アフリカ共和国のSasolは、FTプロセス廃液の嫌気性バイオ処理技術を開発した。FTプロセスの副産物からバイオガスを製造し発電に利用するという技術。

6.中南米

  • メキシコ国営Pemexの新5年計画によると、同社は製油所近代化・製品品質向上・天然ガス処理能力の拡張・石油化学向けエタン供給対策等に優先的に取り組む方針である。

7.東南アジア

  • インド国営BPCLの子会社NRLのNumaligarh製油所の拡張、パイプライン建設計画の進展が伝えられている。NRLはナフサ増産・ワックス製造等のプロジェクトも進めている。
  • ロシアはベトナムとの多方面の二国間協定の締結を発表している。ロシア国営Gazprom Neftは、PetrovietnamのDung Quat製油所への出資と近代化計画を支援、RosneftはタイPTT主導のNhon Hoi製油所プロジェクトへの参画を発表している。

8.東アジア

  • 中国では、ロシア国営Rosneftと中国CNPCはTianjin(天津)製油所プロジェクトの試運転計画や原油調達に関して合意したことを発表している。
  • 天然ガス供給インフラの増強を目指す中国から、中国-ミヤンマー天然ガスパイプラインの本格稼働やCNOOCのZhuhai LNGプロジェクトに進展の様子が伝えられている。
  • 中国は大量に埋蔵する非在来型の石油・天然ガス資源の探査・開発に期待しているが、シェールガスの試掘に成功しているCNPCとShellはシェールオイルのR&D拠点の設立を発表し、Sinopecからも商業化規模のシェール試掘の成功が伝えられている。

9.オセアニア

  • オーストラリアの精製事業の縮小を進めるCaltexはシドニーのビチューメン事業の国際企業Puma Energyへの売却を発表している。
  • 世界各国で石油事業を展開しているPuma Energyはオーストラリアでリテール事業の拡大を図り、SS・油槽所の買収を積極的に進めている。

平成25年(2013年)9月

1.北米

  • 米国では、先進バイオ燃料の開発が、政府の支援の効果もあって、順調に進展している。但し、先進バイオ燃料の全輸送用燃料に占める割合は2015年に0.7%程度に留まる。
  • 売却が伝えられているワシントン州のTacoma製油所は小規模であるが、立地条件や設備が魅力的で売却が進むと予想されている。一方カナダのCome by Chance 製油所は設備の老朽化や立地条件の悪さから売却交渉には困難が予想されている。
  • 非燃料系石油製品の製造販売企業Calumet Specialty Products Partnersは、製油所・ターミナル・パイプライン等の買収等で積極的な事業領域の拡大を進めている。

2.ヨーロッパ

  • フィンランドのNeste Oilは、バイオ燃料事業に注力し、成果を上げつつあるが、バイオ燃料配合率を33%とした“Diesel R33”による車両走行試験をドイツで実施する。
  • ルーマニアのPetrobrazi製油所では、近代化工事により原油対応力やエネルギー効率が、Petromidia製油所では、処理能力増強や高硫黄原油対応能力が改善されている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアでは、22件の製油所建設・設備の近代化・処理能力拡張プロジェクトが申請されている模様である。
  • カザフスタンでは、Pavlodar製油所は、近代化・拡張工事のフェーズUを計画している。処理能力拡大と新鋭2次装置の導入が計画されている。

4.中東

  • サウジアラビアでは、SABICが石油化学プラントで発生したCO2を回収・利用(CCU)する世界最大規模の設備の建設を計画している。
  • 電力需要が急増しているサウジアラビアからは、Saudi Aramcoが石油・天然ガスコンプレックスにコジェネプラントの建設計画、Jazan工業都市では残渣油を燃料とする発電プラントのJVによる建設・操業プロジェクトの進展が報告されている。

5.アフリカ

  • ウガンダでは、初の製油所建設プロジェクトが発足段階にあるが、同国政府からプロジェクトの経緯の現状に関する発表されている。同国の製油所は自国への経済貢献のみならず東アフリカ連盟諸国全体の石油製品供給に寄与するものと位置付けられている。
  • 南アフリカ共和国からは、南西沿岸港にアフリカ西部・中部・南部の原油を扱う原油ターミナルを建設する民間プロジェクトの進展が報告されている。

6.中南米

  • 南アメリカのウルグアイ唯一のLa Teja製油所で、アルゼンチンと共同で建設していた脱硫設備が完成した。同国は新たな燃料品質基準の実施に移ることができることになる。
  • ブラジルで、国内外企業(GranBioとRhodia)の連携によるバイオブタノール製造プロジェクトが発表された。サトウキビ藁を原料に燃料や化学品向けのブタノールを製造する。

7.東南アジア

  • マレーシアの製油所の現状と大型プロジェクトの現状をEIAのレポートを中心に紹介する。
  • インドIOCとLanzaTech は、LanzaTech のガス発酵技術とIOCの酢酸技術と石油精製技術を組合せてCO2から代替燃料を製造する技術の共同開発プロジェクトを発表した。

8.東アジア

  • 中国CNPCとSinopecは、2012年の環境試験に合格できず、プロジェクト認可が保留されることになった。環境汚染が深刻化する中、両社とも設備対応不足が指摘されている。
  • SinopecはShanghai地区で、「国5」基準のクリーンガソリン販売を開始した。続いてクリーンディーゼルも投入される予定。また、PetroChinaのXianyangの製油所でディーゼル水素化脱硫装置が完成し、同製油所のクリーンディーゼルの製造能力が向上した。
  • 中国では天然ガスパイプライン関連で大きな動きが発表されている。CNPCとロシアGazpromは中国への天然ガスのパイプライン供給で合意した。またカザフスタン天然ガスパイプラインのフェーズ1が完成した。
  • PetroChinaと米国Celaneseが、燃料用合成エタノールプロジェクトを発表した。Celaneseは中国では、同社の合成エタノールがバイオエタノールや他のGTL技術に比べ優位になると説明している。

9.オセアニア

  • ニュージーランドで唯一の製油所を操業する精製企業Refining NZの事業状況と計画と製油所近代化計画の進捗状況を紹介する。
  • 南オーストラリア州のWhyalla市は、藻類バイオ燃料に続き、水熱反応を用いたバイオ燃料開発プロジェクトへの支援を進めている。

平成25年(2013年)8月

1.北米

  • カナダのTransCanada Corpは、カナダ西部産の原油を大西洋岸に輸送するパイプラインと、大西洋岸に原油輸出ターミナルを建設する計画をIrving Oilと共同で進めている。
  • カナダ産の重質原油処理増を図る独立系石油企業Husky Energyは、原油貯蔵タンクの建設や、製油所の重質原油処理対応に力を入れている。
  • Valero EnergyのSt.Charles製油所では、ディーゼル増産のために水素化分解装置の増強を進める一方、安価な天然ガスからメタノールを製造する設備を建設予定である。

2.ヨーロッパ

  • 欧州のバイオ燃料消費量の伸び率が低迷している。その理由として、経済低迷とバイオ燃料の再生可能性の評価に対する懐疑論の影響が挙げられている。
  • 英国のバイオ燃料の消費量は、バイオエタノールが56%、ディーゼルが39%で、原料の国産比率は22%である。使用義務量は4.75%で、GHG削減率は67%となっている。
  • イタリアEniは、Gala製油所やSannazzaro製油所中間留分の増産や廃棄物削減を図る近代化を計画し、独自の新規精製プロセス・触媒技術の開発・導入に力を入れている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアは、バイオ燃料導入計画推進「BIO 2020」を掲げているが、バイオエタノール・ディーゼルの生産は低調である。地方レベルでは、小規模なプロジェクトが存在している。
  • 事業拡大方針を続けるロシア国営Rosneftは、Alliance GroupからAlliance Oil Co.、をはじめとする一部資産を購入する計画が伝えられている。

4.中東

  • カタールのコンデンセート製油所Laffan 1の高品質ディーゼル生産を目指す、設備増強プロジェクトの進捗が伝えられている。
  • 中東湾岸石化・化学協会(GPCA)から、加盟諸国の石油化学事業の現状と、今後の事業方針が伝えられた。同地域は、世界の一大生産拠点に成長し、さらに発展を目指している。

5.アフリカ

  • エジプトの新エネルギー相が、エネルギー政策を表明した。同国では、エネルギー需要の増大に応えるため、石油・天然ガス開発に取組んでいるが、天然ガスの輸出余力の減少が大きな問題である。
  • アルジェリアのTouat天然ガスプロジェクトで、大規模な処理プラントやインフラ建設プロジェクトが前進した。

6.中南米

  • ベネズエラでは、PDVSAのPuerto La Cruz製油所の重質原油処理プロジェクトの進展、ロシアとの協力関係の強化による重質原油開発の強化、発電プロジェクトが発表された。
  • コロンビアでは、民間による初めての製油所建設プロジェクトが計画されている。
  • 原油・天然ガス減産への対応を進めるアルゼンチンから、国営YPFと米国Chevronが、同国の豊富なシェール資源を共同開発する計画の前進が伝えられている。

7.東南アジア

  • ベトナムのNghi Son製油所プロジェクトからは、地元政府からの正式認可やプロジェクトマネジメント担当企業の決定が発表されている。
  • UAEの大企業グループAl Ghurairは、パキスタン南部シンド州に製油所を新設するプロジェクトを推進する計画である。

8.東アジア

  • 中国Sinochemの新鋭の大規模製油所プロジェクトQuanzhou 製油所の第一次設備建設が完了した。プロジェクトが順調に進行している。
  • 中国の重要なエネルギー資源供給プロジェクトに位置付けられる「ミャンマー-中国天然ガスパイプライン」が正式に運用を開始した。
  • 中国からSinopecの北海市のLNG 輸入ターミナルと、陝西省のLNG液化ターミナルの建設の進捗が発表されている。

9.オセアニア

  • オーストラリアの資源エネルギー経済局が、同国のエネルギー統計の最新版を発表し、エネルギー源別の需給状況が明らかにされている。
  • オーストラリアから、藻類バイオ燃料に関して、石炭火力発電所から発生するCO2を利用するプロジェクトと、生産効率の高い藻類種の開発状況が発表されている。

平成25年(2013年)7月

1.北米

  • 非在来型原油の鉄道輸送が増加している米国では、鉄道輸送された原油の受入・出荷ターミナル新設が計画されている。ワシントン州、米国北西部の事例を紹介する。
  • 昨年売却が発表されたTesoroのハワイ州Kapolei製油所売却交渉は難航していたが、6月に売却先が決定し、操業・製品販売事業の継続の方針が発表された。
  • 重質・高硫黄原油の処理能力増強を進めているBPのWhiting製油所では、新設CDUが完成し、試運転を終え、年内にはコーカー等の稼働が予定されている。

2.ヨーロッパ

  • 英国では、自国最大・欧州最大級となるVivergo Fuelsのバイオリファイナリーが稼働を開始し、家畜用小麦を原料に、バイオエタノールと動物用飼料を製造することになる。
  • 製品自給力の低下が著しいウクライナからは、アゼルバイジャンと連携して製油所を新設する計画とともに、既存製油所の近代化を図る動きが伝えられている。
  • チェコで石油精製・販売事業を展開するポーランド系のUnipetrolは、新5ヶ年事業計画の中でチェコの精製能力拡張や燃料販売シェアを伸ばす計画を表明している。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアからは、Rosneftが千島列島大陸棚のガスハイドレート開発に取り組む動きが伝えられている。
  • 鉱物資源開発が活発で必要エネルギー確保が課題のモンゴルから、同国の石油企業が北朝鮮の製油所の株式を取得し、石油製品の調達を目指す動きが報じられている。

4.中東

  • イランでは、Lavan製油所の拡張工事岸完了し、高品質ガソリンが製造可能になり、また同国の燃料自給率が向上することになる。
  • サウジアラビアのSabicは、ブタノールプラント建設認可・TEAの商業生産の成功、ポリアセタール製造計画の発表など積極的な事業展開を進めている。

5.アフリカ

  • 南アフリカ共和国の新規燃料品質規格に対応する為SasolとTotalの合弁精製企業Natrefが燃料品質改善の為のプロジェクトの推進を発表した。
  • 計画より完成が遅れていていた、アンゴラのLNG輸出プロジェクトから初めてLNGが輸出された。

6.中南米

  • ブラジル国営Petrobrasは、製油所建設に向け海外企業との連携を進めている。また、石化事業の再編、肥料事業の強化するための肥料プラントの買収を進めている。

7.東南アジア

  • インド国営IOCの精製部門では、劣質原油の処理を進める等のマージン改善策を講じている。また小売り・石化・LNG・R&Dの各分野でも積極的な事業展開を進めている。

8.東アジア

  • 石油・天然ガスの確保を目指す中国のCNPCは、ロシアのRosneftと大型・長期の原油輸入契約を締結し、さらにロシア北部Yamal LNGプロジェクトへの参画を発表している。
  • 中国は合成ガス開発に積極的であるが、中国のWison Engineering、米国のFoster Wheeler、欧州のClariantの大手3社はメタネーション技術の共同展開計画を発表した。
  • 中国政府は、BPのPTAプラントの建設を認可した。PTA事業の拡大を図るBPは、新設プラントに環境に配慮した最新技術を採用する計画である。

9.オセアニア

  • オーストラリアは世界最大のLNG輸出国を目指している。現在、7件のLNGプロジェクトが進行中で、2018年までにLNG生産能力は8,000-9,000万トン/年に達する見込みである。

平成25年(2013年)6月

1.北米

  • 他の地域に比べ、安価な非在来型原油の利用が遅れているカリフォルニア州の原油調達の状況を、地理的条件の異なるSan Francisco地区とLos Angels地区で比較している。
  • 米国のシェールオイル生産地域であるEagle FordやBakkenで、地域の燃料需要増に対応した小規模な製油所の建設が多数計画されている。
  • Keystone XL計画の遅れや、東部の製油所の設備の制約で新規な供給先を求めているカナダ産重質原油をカナダ東部からの輸出を図るパイプライン建設計画が浮上する一方、Bakken原油を東部の製油所へ輸送するパイプラインの運用計画が公表されている。

2.ヨーロッパ

  • 欧州製油所の苦境は、アジア・中東からの脅威に加え、ロシアからのディーゼル輸入増で深刻化しており、フランスを始め欧州各国で閉鎖や処理量削減の動きが続いている。
  • 英国では、燃料供給保障を確保する為に、政府が情報収集を目的に公聴会を開催し、関係省庁で検討を進め、燃料事業に対する政策策定を目指す動きが報道されている。
  • Totalは、ベルギーのAntwarpの製油所・石油化学コンプレックスの近代化プロジェクトを公表した。収益性の高い燃料得率の実現と石油化学原料の天然ガスへの転換を図る。

3.ロシア・NIS諸国

  • Gazprom NeftのMoscow製油所では、今年からEuro-5(S:10ppm)基準のガソリン・ディーゼル製造が可能になり、さらに精製能力の拡張や2次設備の見直し等が計画されている。
  • アゼルバイジャンからは、製油所・石油化学コンプレックス新設、天然ガスパイプライン敷設、カスピ海の天然ガス掘削リグの建設等の国家プロジェクトが伝えられている。

4.中東

  • 国内精製能力の大幅拡大を目指すイラクの製油所建設プロジェクトの一つKarbala製油所プロジェクトで、EPC 業者が選定され建設へ向けて一歩前進した。
  • イラクからフレア天然ガスを回収する新設設備が稼働を開始した、回収した天然ガスは火力発電に向けられるが、将来はLNGによる輸出も期待されている。
  • ホルムズ海峡をバイパスできる石油の輸出入拠点として重要なFujairahに新たな石油製品ターミナルが完成した。

5.アフリカ

  • 製品自給率を高める為に製油所建設が必要な、ナイジェリアでは異業種のDangote Groupが同国全体の自給率を大幅に引き上げる規模の製油所建設の計画を進めている。
  • エジプトからは投資会社Citadel Groupによる製油所建設計画の現状が伝えられている。

6.中南米

  • 米国エネルギー情報局(EIA)のレポートから、メキシコと米国のエネルギーに関わる密接な関係を概観する。
  • 天然ガス需要が増大しているメキシコでは、シェールガス開発が進む米国から安価な天然ガスを輸入するためのPemexのパイプラインラインプロジェクトが前進している。

7.東南アジア

  • 複数の大型製油所建設計画が進行しているベトナムでは、政府がタイ国営石油PTTによる製油所・石油化学コンプレックスに対して認可の方針を明らかにした。
  • バイオディーゼル推進政策が打ち出されているインドからは、国営IOCによる、製油所設備を利用したバイオディーゼル混合処理技術の実用化に向けた取組が進んでいる。
  • シンガポールのExxonMobil の石油化学コンプレックスの新規設備が操業を開始したことが発表された。

8.東アジア

  • 中国Sinochemの福建省の石油化学プロジェクトが完成間近で、高品質ガソリンを周辺地域に供給する準備が進められている。
  • 中国のShandong Wonfull Petrochemical Groupがアルキレーション設備に米国CB&Iの固体酸触媒プロセスを初めて導入することが発表された。
  • 上海は、不正使用が社会問題化している再生食用油をバイオディーゼルに利用する計画を進めている。
  • Sinopecからは、天然ガス関連の新たな取り組みに関する発表が続いている。

9.オセアニア

  • オーストラリア政府が公表したエネルギー年次報告から、同国の液体燃料と石油精製に関わる状況を概観した。
  • オーストラリアの大学、航空会社、航空機メーカ、燃料会社が参画したバイオコスト解析研究の成果が発表されている。
  • オーストラリアで2製油所を操業しているBPは、南オーストラリア州の給油所の地元企業への売却を発表している。

平成25年(2013年)5月

1.北米

  • 昨年閉鎖されたMarcus Hook製油所は、Sunoco Logistics Partnersが買収し、Marcellus・Utica シェール層から産出する天然ガスを処理するNGLターミナルとして操業する計画である。
  • BPのインディアナ州Whiting製油所の重質原油の処理能力増強工事とワシントン州のCherry Point製油所の燃料品質向上の為のアップグレード工事が完了した。
  • カリフォルニア州の低炭素燃料基準の達成状況に関する大気資源局の実態調査によるガソリン、ディーゼルの代替の進捗状況が報告されている。

2.ヨーロッパ

  • スペインRepsolの製油所の近代化工事が完成し、ディレードコーカーが稼働した。これにより処理能力の拡大、ディーゼル増産、排出ガス削減の達成が実現する。
  • チェコでは、精製企業Ceska Rafinerskaに出資しているShellが持ち株をチェコ政府に売却する提案を行ったと伝えられている。
  • イタリアの下流事業分野では、精製企業SaraがロシアRosneftに株式の一部を売却する動きと、Shellが石油製品の流通・販売事業から大幅に撤退する方針が発表されている。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシアの極東地域では、Gazpromが主導する「Vladivostok LNGプロジェクト」への日本企業のコンソーシアムがLNG設備検討を進めている。また、丸紅がRosneftとLNG事業と天然ガス開発に関する国際パートナーシップを結ぶことが発表された。
  • 極東地域の石油化学事業に関する動きとしては、Rosneftと三井物産による石油化学設備建設共同プロジェクトが発表されている。

4.中東

  • サウジアラビアのSaudi AramcoとTotalの合弁プロジェクトで建設が進められてきたSATORP製油所が完成間近で、今年中にフル稼動となる見通しである。
  • カタールからはLaffan 製油所の第2期プロジェクトへの出資企業と建設業務受注企業が発表された。

5.アフリカ

  • 燃料品質規制強化に対応する為、ShellとBPの合弁SAPREF製油所の近代化プロジェクトが発表された。輸送用燃料中の硫黄・アロマ含有率低減を目指す。
  • ウガンダ政府は仏Totalと中国CNOOCと共同で製油所を建設する。製油所規模についてこれまで多くの議論があったが、小規模なものに落ち着いた模様である。

6.中南米

  • 操業停止中の米領ヴァージン諸島のHOVENSAの製油所が売却が決まり、地元政府と保有企業の間で、売却プロセスや売却できなかった場合の対応策が取り決められた。
  • 天然ガス供給力の低下で稼働率が低下していたチリのMethanexのメタノール設備が天然ガスコスト低下で競争力の増した米国へ移設(2基目)されることが発表されている。

7.東南アジア

  • パキスタンの国営石油PSOが、同国北西部のKhyber Pakhtunkhwa州に製油所を新設する計画が発表された。地元産原油を処理し、石油製品の自給力向上が期待されている。
  • Shellは石油化学事業に力を入れる方針である。エチレンオキサイドと誘導製品の生産設備への投資を発表した。
  • アジアへの天然ガスの拡販を目指すロシアGazpromと天然ガス需要増に備えてLNGの輸入を計画中のベトナムのPetrovietnamはLNGと天然ガス燃料の分野で連携を進めている。

8.東アジア

  • 中国国営Sinopecが開発したバイオジェット燃料による旅客機テスト飛行を実施し、同国は国産技術によるバイオ航空燃料を保有する国に仲間入りした。
  • 環境問題を抱える中国が、気候変動は米国政府と、大気汚染ではカリフォルニア州と共同で対策に取り組むと発表されている。

9.オセアニア

  • 製油所の閉鎖が続くオーストラリアでは、Shellがビクトリア州のGeelong製油所の売却を発表している。また既に操業を停止している製油所の油槽所転換工事や、解体工事の状況を伝える報道が続いている。

平成25年(2013年)4月

1.北米

  • 米国EPAは、新排出基準(Tier3)案で、ガソリン中の硫黄濃度の引下げを提案している。業界からは、設備対応に多額の投資が必要になるとの試算が提出されている。
  • 米国中西部では、重質原油の処理能力の拡大を目指す設備改造工事が進んでいるが、製油所の新設に関しては課題が多く、一部で製油所計画が中断している。

2.ヨーロッパ

  • 製油所の閉鎖が続く欧州では、ディーゼル増産対応が進められているが、船舶燃料の硫黄濃度規制が強化される2015年以降、規制対応の為の設備改投資ができない場合、低硫黄製品の輸入を迫られる事態が予想され精製業は苦境に陥るとの予想が示されている。
  • 英国からはインドEssarのStanlow製油所のグレードアップ工事が、ウクライナからはLukoilのOdessa製油所売却の動きと関連する同国の精製業の状況が伝えられている。

3.ロシア・NIS諸国

  • モンゴルは、ロシアへのエネルギー依存度を軽減する計画である。同国は輸入先の多様化を進めるとともに、自前の製油所建設を検討している。
  • トルクメニスタンは、Turkmenbashiの石油施設の老朽設備を廃棄し、新規設備を建設するプロジェクトが順調に進められている。ロシア極東では、東シベリア-太平洋原油パイプライ(ESPO-2)からKhabarovsk製油所に原油を供給するパイプライン分岐工事が着工された。

4.中東

  • 製造プラント建設が進められているオマーンから、下流部門の物流効率改善の為に、製油所間のパイプラインの建設や貯蔵施設の拡充の計画が進められている。
  • 発電向けの原油消費の増加に苦慮している中東から、サウジアラビアとUAEの残渣油ガス化発電や集光型太陽熱発電などの新規の発電設備の導入の動きが伝えられている。

5.アフリカ

  • 南アフリカ共和国のPetroSAと中国Sinopecの製油所建設プロジェクトが実現に向けて一歩先進した。
  • 南アフリカ共和国からは、石炭への過度の依存に対応するエネルギー対策として、炭素税の導入・原子力発電技術・風力発電導入の動きが伝えられている。

6.中南米

  • ブラジル国営Petrobrasは、2013-2017年の投資計画を発表した、ダウンストリーム部門には総額の27%が向けられ、4州で製油所のプロジェクトが進められている。
  • アルゼンチンでは、国営YPFが米国の石油化学企業Dow Chemicalとシェールガス開発に乗り出すと発表された。

7.東南アジア

  • インド国営HPLCは、Rajasthan州に製油所を建設する計画を発表した。同州産の原油を処理し、製品自給力の向上を狙っている。
  • インドネシアPertaminaが、米国Celaneseと進めている燃料用エタノールの開発計画が進展した。両社はJVを設立し、建設地の選定や申請業務、原料手配などの検討に移る。

8.東アジア

  • 中国では、原油パイプラインとしてLanzhou-Chengdu原油パイプラインが完成し、またカザフスタンとの新設計画などが伝えられている。
  • 韓国では、SK Gasが、プロピレン製造のためにプロパン脱水素(PDH)プラントを導入する計画が発表されている。

9.オセアニア

  • ニュージーランドでは、今年3月に国内唯一の製油所の工事の遅れから、ディーゼルの供給不足が発生した。
  • オーストラリア主導のCCS開発国際組織Global CCSの新たな運営方針が発表された。

平成25年(2013年)3月

1.北米

  • BPやValeroは、北米で安価で高品質な米国産原油や、価格が下落しているカナダ産重質原油を、保有する製油所で処理するために、製油所の設備改造や原油の鉄道輸送、船舶輸送、パイプラインなどのインフラ整備を着々展開している。

2.ヨーロッパ

  • ドイツではE10ガソリンの消費が増加しているが、主流となるには至っていない。
  • 英国ではエタノールガソリンの導入が進む一方、バイオディーゼルの比率は減少している。一方、同国のシンクタンクがバイオエタノールの拡大に対し経済性、環境面から疑問を呈している。
  • Phillips 66は、アイルランド、ドイツで操業している製油所の売却の意向を示している。
  • 売却が発表されているルーマニアのArpechim製油所は、関連石油化学施設との一括売却を望む政府と、閉鎖も視野に入れる筆頭株主のOMV AGとの間で調整がついていない。
  • EUでは、エネルギー消費量が減少しているが、2020年迄に温室効果ガスを20%削減するという目標達成の為には消費削減と再生可能エネルギーの更なる導入が必要である。

3.ロシア・NIS諸国

  • ロシア政府による燃料品質向上の方針を受けた製油所近代化の動きの中から、タタールスタン共和国、Volgograd州、極東のKomsomolskno市の製油所を紹介する。

4.中東

  • サウジアラビアでは、LuberefのYanbu潤滑油製油所の拡張プロジェクトが進展している。また技術開発に力を入れるSaudi AramcoとSabicは国内外に研究拠点の拡充を進めている。

5.アフリカ

  • ナイジェリアは、石油天然ガスの下流部門に力を入れインフラ整備を進めている。また、尿素肥料を製造し周辺地域へ供給するプロジェクトが立ち上がっている。
  • 原油埋蔵が注目されている東アフリカのウガンダ政府は、国内製油所の新設に力を入れている。

6.中南米

  • 石油消費量に対して国内精製能力が、大幅に不足しているメキシコの国営Pemexの精製分門の投資計画と製油所近代化プロジェクトの事例を紹介する。
  • ブラジルのバイオ燃料分野では、大手企業による次世代バイオ燃料製造に向けた欧州企業との連携が発表される一方、サッカーワールドカップ向けのバイオ燃料プロジェクトが進められている。

7.東南アジア

  • ベトナムでは、2件の大規模製油所新設プロジェクトの動きが本格化している。
  • エネルギー供給力の増強を目指すパキスタンは、イランと共同でパイプラインや製油所の建設を計画している。

8.東アジア

  • 中国国営Sinopecは、石油化学部門の進出の中で、製品展開を進めているが、同社初のイソプレンが完成した。また、ブタンジーオール製造のJV計画が発表されている。

9.オセアニア

  • オーストラリアBPは、クイーンズランド州のインフラ需要に応えるためにビチューメン輸入施設を拡充している。
  • バイオ燃料事業の商業化の推進を図るオーストラリアの再生可能エネルギー庁は、先進バイオ燃料プロジェクト2件への助成を決定した。

平成25年(2013年)2月

1.北米

  • 米国の製油所の業績は、安価で良質な国産非在来型原油を処理できるか否かで明暗を分けている、Valero Energyは積極的に国産原油への転換を図る施策を講じている。
  • PBF EnergyがBakken原油やカナダ原油の受入拡大を目指して、Delaware City製油所に建設していた鉄道原油入荷設備が完成した。
  • 米国とカナダのパイプライン企業は、カナダ原油の輸送能力拡大を目指している。

2.ヨーロッパ

  • 欧州では、多くの精製企業のディーゼル増産プロジェクトが実現しているが、ディーゼル市況の軟化が表面化している。今後は域外輸出が拡大し、競争激化も予想される。
  • ポルトガルGalp EnergiaのSines製油所の近代化工事が完成し、ディーゼルEuro-5製造体制が確立し、同国では、中間留分の製品輸出体制が整ってきている。
  • フィンランドNeste Oilは、中断していたハイオクガソリン増産設備の建設を決定した。
  • チェコ政府は、原油調達・製品供給力の保証の観点から、Ceska Rafinerska製油所の株式をPKN Orlenから買収することを検討している。

3.ロシア・NIS諸国

  • 製油所を保有せず、ロシアからの石油製品輸入に依存するモンゴル政府は、エネルギー安全保障上、海外からの石油製品輸入削減の為に、国営製油所の建設を決定した。

4.中東

  • アラブ諸国は、再生可能エネルギー導入を推進させる方針を表明した。最近UAEのMasdarが、再生可能エネルギーを利用した淡水化技術開発を計画し、サウジアラビアでは、大規模な太陽光発電設備が完成している。

5.アフリカ

  • 天然ガスが発見され開発を進めるモザンビークで、LNG基地建設計画が進められている。近年、原油の埋蔵が発見されたケニアとウガンダではパイプライン建設計画を進めている。

6.中南米

  • ベネズエラからPDVSAの最近の精製事業の近況と、米国EIAのレポートを基に同国と米国との関係を概観する。

7.東南アジア

  • インドからは、国営石油IOCのParadip製油所の完成の見通しとパイプライン建設の進捗状況を、インドネシアからは、シェールガス探査に向けた最近の動きを紹介する。

8.東アジア

  • 中国の国営石油企業SinopecのMaoming製油所では、拡張工事を終えた設備が順調に稼働を始めている。
  • マレーシアで石油化学プロジェクトを中断したBASFは、Sinopecとの石油化学プロジェクトの具体化を発表している。また、韓国ではアジア地域の潤滑油事業の強化を目指すShellとHyundai Oil Bankが、ベースオイルプラントの新設を計画している。

9.オセアニア

  • オーストラリアでは製油所閉鎖に対応する為、石油製品の供給体制の見直しが進められているが、CaltexはKurnell製油所閉鎖に伴いビチューメンターミナルを新設した。
  • ニュージーランドでバイオ燃料製造を検討したレポートが発表され、同国のバイオ燃料の現況と豊富な森林資源を前提としたバイオエタノール製造の提案を紹介する。

平成25年(2013年)1月

1.北米

  • 米国を主要な原油輸出先とするカナダは、オイルサンド開発に力を入れているが、米国向けパイプライン建設の遅れや米国原油の増産の影響を受け、供給先の見直し等を迫られている。
  • ハワイのTesoroの製油所の油槽所転換の計画が発表された。原油調達や環境対応等の問題が背景にある。また、もう一つのChevronの製油所の動向も注目を浴びてきている。
  • 米国のセルロース系バイオエタノールの状況について、製造業者の関連団体の報告と国立研究機関の調査結果を紹介する。

2.ヨーロッパ

  • 欧州では、製油所閉鎖や保守工事による稼働率の低下で、2012年後半の精製マージンは改善されているが、精製事業を取り巻く厳しい環境に変化はないと見られる。
  • イタリアからは、SaraとERGの精製事業の縮小が伝えられた。Saraは、ロシアRosneftとのJVへの転換、ERGは精製業から撤退を進め再生可能エネルギー事業の強化を図る。
  • 2015年から特定海域での船舶燃料の硫黄分が0.1%以下に、2020年からは、全海域で硫黄分が0.5%以下に規制されることになる(後処理設備での対応可)。

3.ロシア・NIS諸国

  • ウズベキスタンでは、製品品質向上の為のFergana製油所の近代化が計画されている。また、GTL設備建設のFSや
    資金調達策が検討されており、計画が進んでいる模様である。
  • ロシアのESPO-2パイプライン建設工事が終了し、原油輸送能力が倍増した。アジア太平洋地域への供給力が強化
    された一方、EU圏への供給力懸念も伝えられている。

4.中東

  • サウジアラビアとクウェートでは製油所新設、拡張プロジェクトが進展している。中東地域の燃料製品増産は、他の地域の製品需給に影響するものと見られている。

5.アフリカ

  • 南アフリカ共和国PetroSAは、Mossel Bay GTL製油所の原料天然ガス確保に取り組んでいるが、新規の国産天然ガスと輸入LNGでの供給に関する最近の状況を報告する。

6.中南米

  • バイオ燃料大国である、ブラジルからPetrobrasのバイオディーゼル燃料増産、BPのバイオエタノール増産の動きを報告する。

7.東南アジア

  • パキスタンでは、同国最大となるBycoのBalouchistan製油所と洋上原油受入施設が完成し、操業を開始している。
  • シンガポールのExxonMobilの石油化学コンプレックスで進められてきた拡張工事が完成し、設備の運転が開始した。
  • カンボジアからは、製油所新設計画の進展が報告されている。

8.東アジア

  • 中国Sinopecから、キシレン製造プロセスの自社技術開発の状況が発表された。
  • 中国では、第2次のシェールガス鉱区入札の入札結果が発表された。
  • 注目を浴びる中国のシェールガス開発の状況を紹介する。

9.オセアニア

  • オーストラリアのバイオ燃料の状況を伝えるトピックスを紹介する。国防関係者によるプラント視察、事故で停止していた大型プラントの再稼働、UAE企業と外食産業による新事業展開、バイオディーゼル燃料の供給拡大に取り組むShellの動き等を紹介する。

平成24年(2012年)12月

・北米
カナダ・アルバータ州では、CO2回収設備を併設したオイルサンド製油所の建設が計画されている。回収CO2は原油増進回収等に利用される。

米国自動車協会が、自動車側・給油設備側の対応が不十分かつ消費者の認知度が低いことからE15の販売中止を求める警告を発し、米国内で賛否両論の議論が続いている。

・ヨーロッパ
Lyondell Basellは、収益が悪化した仏Berre-L'Etang製油所の操業を停止し買い手を求めている。最近、インドネシアPertaminaが買収を検討している模様である。

セルビアNISのPancevo製油所近代化工事が完了し、製品供給能力が高まった。NISの主要株主はロシアGasprom Neftでロシアの対欧重視政策の影響を窺うことができる。

・ロシア・NIS諸国
極東方面で積極投資を進めるロシアRosneftでは、Komsomolsk製油所の設備、設備近代化工事とともに製品輸送パイプラインの建設が進められている。

ロシアは、極東・シベリア地域の積極開発を目指している。その関連で、日本向けの天然ガス輸出プロジェクトについて最新の情報を紹介する。

・中東
サウジアラビアSABICは、石油化学の下流分野の製品展開を進めている。同社は製品差別化や生産技術改良の為に、技術開発を重視する方針を表明している。

COP-18主催地カタールの独自技術による、バイオ航空燃料の開発状況を紹介する。

・アフリカ
アルジェリアからは、製油所新・増設プロジェクトの進捗状況を紹介する。

南アSasolは、R&D・発電・GTLプロジェクト分野で積極的な事業展開を進めている。

・中南米
燃料、天然ガスを輸入しているメキシコで、発電所の石油燃料代替を目的とした天然ガス供給パイプライン新設計画が進展している。

・東南アジア
タイPTTがベトナムで大規模製油所を建設する計画が伝えられた。インドでは国営IOCの製油所新・増設計画が進行している。

・東アジア
中国CNPCは、国内各地への天然ガス供給体制の拡充計画と天然ガスパイプライン建設を進めているが最近の動きを紹介する。

IEAは、中国の製油所建設計画と経済成長予想から、製品輸出の可能性を論じている。

・オセアニア
オーストラリアのエネルギー白書から、石油燃料に関わる今後の方針を読み取る。

平成24年(2012年)11月

・北米
Valeroはカリフォルニア州の製油所からの撤退を図っているが、その背景には同州の厳しい環境規制とともに、原油事情の変化による競争力低下が潜んでいると見られる。

BPは米国でのセルロース系エタノール工場建設を中止したが、全社的にはバイオ燃料事業に注力している。石油企業は他社との連携を軸にバイオ燃料事業を進めている。

NuStarは、近年下流の精製事業へ進出していたが、中流事業資産の買収と、下流事業資産を売却を進め、再びパイプラインなどの流通事業専業に戻る方針である。

・ヨーロッパ
英国の精製業は最悪の状態にあると業界団体が指摘している。精製マージンが低下している現状に加え、欧州の環境規制の強化とそれに伴う業界への課金の増加が国際競争力を今後も大幅に削ぐことになると懸念されている。

破産したPetroplusの仏Petit-Couronne製油所の売却は、裁判所が入札を判断しているが決着していない。最近、リビア資金による買収策などが検討されている。

欧州では、バイオ燃料向けの農作物の増産が引き起す食糧不足・価格高騰の懸念が広がっている。また原料の再生可能性に対する疑問も高まり、規制見直しが提案されている。

また、スイスの研究機関は、バイオ燃料は気候変動やオゾン層保護では化石燃料より優れるもののその他の環境負荷の観点からは優位性が認められないと報告している。

・ロシア・NIS諸国
BPが保有するTNK-BP全株式のRosneftへの売却が決定した。背景にはロシア政府の国営石油企業へ石油事業を集中させる意図があると見られ、BPは今回の取引の見返りでロシア関連の石油・天然ガス開発において他企業より優位に立ったと見られている。

東シベリア太平洋原油パイプライン第2期分のESPO-2の積出港Kosminoの出荷設備が完成し原油輸出が始まった。

ESPO-2 パイプラインと極東の2製油所を結ぶパイプライン支線の建設が開始された。

・中東
サウジアラビアから、大規模製油所建設計画であるJizan製油所プロジェクトの進捗を報告する。

オマーンからは、アラビア海沿岸Duqmの製油所建設プロジェクト状況とオマーン湾岸Soharの石油化学設備の拡張計画を紹介する。

・アフリカ
スーダンでは製油所建設計画を巡る議論が続いているが、スーダン政府は大規模製油所建設を想定した製油所建設の基本設計段階へ進もうとしている。

・中南米
シェールガス増産による石油化学が好調な米国の隣国のメキシコから、ブラジルBraskemとメキシコIdesaの合弁石油化学プロジェクトの進捗状況を紹介する。

・東南アジア
マレーシアではパーム油の国内使用量拡大を背景に、B10バイオディーゼル燃料の導入が検討されている。

マレーシアの重要産業プロジェクトの一環として進められてきた、マレーシアShellの新設プラントで、GTLプロセスの特徴を生かしたワックス製品の増産が始まった。

・東アジア
中国のCNPC、Sinopecが進めている石油化学事業関連で、最近のプラント新設、稼働に関する動きを紹介する。

中国政府はエネルギー白書2012年版を公表したその概要と、天然ガス利用に関する新たな動きを紹介する。

・オセアニア
石炭の生産量、消費量が高いオーストラリアでは、政府がCCS推進に力を入れている、西オーストラリア州とヴィクトリア州では実用化に向けた実証研究が進展している。

平成24年(2012年)10月

・北米
原油流出事故の補償資金の捻出のためにBPが売却を進めてきたTexas City製油所をMarathon Petroleumが買収することに決まった。

Delta航空のTrainer製油所買収は成功していると評価されており、米国最大基規模のUnited Continentalも自前の製油所保有を検討を始めている。

EPAが2013年の再生可能燃料基準を発表した。また米国の先進バイオ燃料に関する報告書が発表されこれまでの実績、政策の役割、今後の設備建設の計画等を論じている。

・ヨーロッパ
調査会社(S&P)や業界団体(CONCAWE)の報告から、窮状から抜け出すことのできない欧州の石油精製業の現況と見通しを探る。

欧州の製油所について、バイオ製油所への転換を図るEni、ロシアとの関連を強化する伊Sara、オランダの製油所に重点投資するTotalの取り組みを紹介する。

・ロシア・NIS諸国
キルギスの製油所プロジェクトを原油供給の観点からみると、計画を主導するアゼルバイジャンと隣国のカザフスタン、中国との関連が重要になっている。

カザフスタンが発表した、今後5年間の製油所近代化プロジェクトの概要を紹介する。

・中東
石油化学事業への進出を推進するサウジアラビアへの米国による資金提供の状況、最近の設備の新規稼働事例を紹介する。

・アフリカ
精製能力の不足に悩むナイジェリアのそれぞれのフェーズにある複数の製油所建設計画状況を概観する。

・中南米
石油製品の自給を目指すメキシコから、国営石油PemexのTula製油所建設プロジェクトの進捗状況を紹介する。

ベネズエラは、南米アルゼンチンと新たな連携に取り組みを開始し、さらにロシア、中国とは新規のプロジェクトを通じ関係強化を図っている。

・東南アジア
インドから国営Indian OilのParadip製油所の建設進捗状況また、Reliance Industriesの事業拡大計画と石油化学分野への進出事例を紹介する。

・東アジア
中国ではCNOOCがLNG基地建設プロジェクト、SinopecがCoal-To-Chemical事業への取り組みを強化している。

・オセアニア
製油所閉鎖が続くオーストラリアでは、ShellのGeelong製油所の将来の操業継続に対し今後一層の収益改善が必要であるという厳しい見方が表明された。

平成24年(2012年)9月

・北米
米国で開発が進む、非在来型原油Bakken原油の米国各地への鉄道網を利用した輸送計画をBNSF社の取り組みを中心に紹介する。

Eagle Ford原油の処理を促進するため、Flint Hills Resourcesは製油所の設備対応を計画し、KMPはPhillips66へ原油を供給するためのパイプラインの増設を計画している。

・ヨーロッパ
欧州では、輸入先の供給能力や域内製油所の能力の制約から、今秋ディーゼル燃料の需給がひっ迫し、高マージンのジェット燃料の製造への影響が予想される。

EUによる船舶燃料中の硫黄分、温室効果ガスの規制の最新の状況を紹介する。

バイオ燃料政策の見直しが進む欧州で、世界における食糧価格の高騰に鑑み、一時的にドイツはE10バイオガソリンの制限、フランスは配合量上限設定を検討している。

・ロシア・NIS諸国
ロシアは、石油の上・下流分野に巨額な投資を計画しているが、在来型、非在来型の原油開発は順調に進み、精製部門へも積極的な投資が行われている状況にある。

ロシア極東の資源開発の状況ついて、ESPO-2プロジェクトの進展状況や、原油のタンカー出荷状況を紹介する。

極東のKomsomolsk製油所ではパイプラインによる原油供給計画、近代化工事が進行中である。またNakhodka近郊には石油化学コンプレックスが建設される計画である。

・中東
製油所建設に積極的なサウジアラビアでは、Saudi AramcoとTotalの合弁製油所が完成間近である。

注目を浴びるペルシャ湾で、UAEのホルムズ海峡バイパスパイプラインが操業を開始した。

・アフリカ
操業再開が遅れていたリビア最大のRas Lanuf製油所が操業を開始した。原油生産は内戦前の水準にほぼ復旧した模様である。

・中南米
エクアドルでは、製品自給を確立させるために製油所の新・増設を計画中である。

国有化されたアルゼンチンのYPFの精製部門の動向に関し、ディーゼル燃料の自給力と新設ディーゼル燃料製造設備の稼働について紹介する。

・東南アジア
インドネシア政府は石油製品の輸入から脱却するために、複数の製油所を新設する積極的な方針を発表した。

シンガポール政府は、環境改善のためにガソリン・ディーゼル燃料の新たな硫黄濃度規制を発表した。

・東アジア
中国CNPCの内モンゴル自治区で建設を進めてきたHohhot製油所が完成した。

中国における、内外の航空機メーカー、大学、石油企業によるバイオ燃料開発の状況について最近のトピックスを紹介する。

・オセアニア
製油所閉鎖が続くオーストラリアでは、製品供給体制の確立のためExxonMobilとShellは各地で石油製品ターミナルの整備を進めている。

・参考
世界の主要エネルギー機関であるIEA、OPEC、EIAの最近の報告から、世界の石油需給予想を概観する。

平成24年(2012年)8月

・北米
セルロース系エタノール供給体制の整備の後れ、また減産が予想されるトウモロコシの飼料と燃料用途の競合による価格高騰が深刻化している状況から、米国EPAのエタノール配合基準(RFS)の妥当性を巡り大きな議論が引き起こされている。

製油所では、TesoroのBPの製油所買収の動き、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のオイルサンド由来原油を処理する異業種による大型製油所の新設計画を紹介する。

・ヨーロッパ
欧州ではバイオ燃料の消費の伸び悩みを示す統計が発表されたが、この傾向は1年前の傾向と同じである。

インドEssarは、英国Stanlow製油所の経営に関して、Barkleys銀行との提携を発表したが、これは欧州における銀行による製油所経営への参画の動きとして注目される。

・ロシア・NIS諸国
ロシアはEuro-5基準の燃料製造体制の拡充を目指し、多くの製油所設備の近代化プロジェクトを進めているが、その中から最近完成した事例を紹介する。

ロシアの欧州向け高品質ディーゼルの輸出が供給体制の拡充や輸出課税の緩和等により増加している。欧州製油所の閉鎖・低稼働や米国からの供給減等がその背景にある。

・中東
クウェートから、これまでも注目を集めてきた大規模製油所Al-Zour製油所プロジェクトの推進計画が新たに発表された。

イラクのクルディスタン地域の製油所が大型製油所への拡張計画を発表したので、その概要を紹介する。

・アフリカ
南アフリカ共和国のPetroSAのGTL製油所への新たな天然ガス供給計画を紹介する。

・中南米
Orinoco産原油処理の拡大を目指す、ベネズエラ国営PDVSAのEl Palito製油所拡張プロジェクトの進展状況を紹介する。

ブラジルのBraskemは、同国内で従来型の石油化学プラントとバイオ系プラントの両面から建設プロジェクトを進めている。

・東南アジア
マレーシア国営石油会社Petronasの製油所・石油化学コンプレックス建設プロジェクト“RAPID”では参画企業など体制が固まりつつある。

インドRILのJamnagar製油所・石油化学コンプレックスは、石油化学部門の設備拡張に重点を置き各種プラントの建設計画が明らかにされつつある。

・東アジア
中国のSinopecは、東部のJiangsu省で国内最大級の製油所・石油化学コンプレックス建設を計画中である。

SinopecとBASFは合弁事業BASF-YPCプロジェクトの拡張を進める一方、新たな石油化学プロジェクトを検討している。

・オセアニア
事業継続の可能性が検討されていたオーストラリアCaltexのKurnell製油所閉鎖方針が発表された。これにより2014年中にシドニー地区の製油所が無くなることになる。

平成24年(2012年)7月

・北米
売却が発表されていたペンシルバニア州の3製油所の買収交渉が進展し、少なくとも2製油所は操業継続の見込みである。異業種企業による買収や州政府の支援を受けた今後の推移が注目される。

Phillips 66のBelle Chasse製油所は原油調達事情の変化を受け、これまでの売却方針の見直しが進められている。

米国の製油所は、安価な非在来型原油の確保に努めているが、原油の輸送方法としてパイプライン・内航船以外の手段として検討が加えられてきた鉄道輸送が、具体化に向け進んでいる。

・ヨーロッパ
フランスの新政権は、財政改善のために石油関連業界への課税強化を検討している。収益悪化に苦慮する石油精製業にとっては大きな打撃であり、製油所閉鎖の動きが加速する懸念が増している。

ルーマニアのOMV Petrom S.A.は、操業継続に対する懸念も伝えられていたPetrobrazi製油所のディーゼル増産を目的とした近代化工事を完了し、さらに次の設備投資の計画が進めている模様である。

Petroplusの仏Petit-Couronne製油所に対し、イラン企業が買収の意向を表明した。イラン核開発問題に対する経済制裁や仏新政府の政策とも絡んで複雑な状況にある。

・ロシア・NIS諸国
ロシア最大の燃料消費地であるMoscowへの高品質な燃料製品の安定供給を目的として、Rosneftはモスクワ地域に製油所新設を、Lukoilは同地域への新設パイプラインによる製品供給計画を検討している。

カザフスタンのAtyrau製油所ではクリーン燃料成生産のための近代化プロジェクトが進められているが、この度中国企業による建設資金融資が明らかになった。

日本企業の参画により進められてきた、モンゴル初の製油所建設プロジェクトは、年内着工の見通しである。

・中東
中東地域の石油化学部門は生産能力が拡大しているが、さらに事業拡大に向けた各種プロジェクトが進行中である。代表的企業であるサウジアラビアのSABICは、ダウンストリーム事業展開を強化している。

・アフリカ
石油製品の自給率改善を目指すナイジェリアは、国内各地に複数の小規模製油所を分散建設する計画である。

・中南米
ベネズエラPDVSAは、Puerto La Cruz製油所超重質原油対応のための改良プロジ クトを計画し、中国・韓国のJVと設計・建設契約を結んだ。

ブラジルの世界的な鉱山企業Valeが、再生可能エネルギー自給のためにバイオディーゼル燃料の耕作地開発、栽培から燃料生産まで一貫して内製化する大型プロジェクトを発表した。

バイオ航空燃料の開発を進めているブラジルで、Rio+20会議に合わせて、バイオジェットのデモンストレーション飛行が実施された。

・東南アジア
インドEssarのVadinar製油所の精製能力拡張プロジェクトが予定より早く完了した。重質・超重質原料処理能力・高品質燃料製造能力が向上し、さらに競争力を増した。

マレーシアは、バイオリファイナリー構想を進めている。その一環として、米国企業によるイソブタノール・プロジェクトが発表された。

・東アジア
中国国営CNOOCは、Jiangsu省Taizhouで原油処理装置等の設備増強工事を開始した。

8月に適用される、北京のEuro-5相当の新燃料基準 (Beijing-V)の発効を前に、国営2大企業がBeijing-V規格のガソリンの出荷を開始した。

・オセアニア
石油精製事業の苦境が続くオーストラリアで、Shellがシドニー地区に保有するClyde製油所の閉鎖が計画より前倒しで実施されることになった。

オーストラリアに豊富に存在する、低品位なエネルギー資源である褐炭を活用する新技術の共同開発計画が発表された。

平成24年(2012年)6月

・北米
カナダの大手Imperial Oilは、原油高・輸出減による精製マージン悪化を理由にノバスコシア州の製油所の売却を検討している。

カナダ産オイルサンドやBakkenシェールオイル系の非在来型原油を、米国中西部やカナダ東部へ輸送する為の、カナダEnbrigdgeグループのパイプライン建設計画を紹介する。

・ヨーロッパ
ドイツでは、2011年に導入されたE-10(ガソリン)販売が、普及促進策にもかかわらず、伸び悩んでいる模様である。

今年1月に倒産した、欧州大手の独立系精製企業Petroplusが保有する5製油所の買収交渉を、個別交渉の状況と、欧州域で勢力を増している石油トレーダーの動きから紹介する。

民間機関によるヨーロッパの石油精製業の分析によると、欧州製油所の精製マージン悪化の諸要因として市場・競争力・規制対策等を挙げることができるが、その対策は容易では無く、操業経費が低く抑えることができる効率的な製油所が生き残ることができるとしている。

・ロシア・NIS諸国
ロシアAAR(Alfa-Access=Renova)とBPの合弁TNK-BPは、BPのRosneftとの提携をめぐる動き等で親会社間の対立が続いている。最近、BP保有株の売却の動きが表面化し、売却先としてロシアや中国系企業が浮上している。一方、BPとRosneftの提携も検討が続いている様子である。

トルクメニスタンの製油所建設プロジェクトを韓国企業が受注した。同国のエネルギー資源事情と合わせて、石油精製事業の長期計画を紹介する。

・中東
バーレーンの石油精製事業の長期計画が発表された、老朽化した製油所の更新などのプロジェクトに80億ドルが投資される。

アラブ首長国連邦の、近代計画都市Masdarの大学とドイツSiemensグループ企業が進めるCCS-EOR技術開発プロジェクトの状況を紹介する。

・アフリカ
南アフリカ共和国のPetroSAが新事業戦略を発表した。同社は、製品流通業への進出のためのインフラ資産の買収、Sinopecとの製油所建設計画の前進、GTL系技術開発研究所の設立等ダウンストリーム部門への積極的な取り組みを進めている。

・中南米
Petrobrasが、上流部門への比重を高めた、新たな事業計画を発表した。ブラジルでは、ガソリン・ディーゼル自給率改善が急務で、同社はAbreu e Lima製油所等の建設を進めている。

ブラジルは、エタノールの世界的生産国でありながら燃料向けエタノールの需給はタイトである。こうした中、サトウキビ副産物を原料とするセルロース系バイオエタノールプラント建設計画が発表された。

・東南アジア
インド国営IndianOilが、石油製事業の新戦略が発表した。同社は、精製能力拡大と原油選択の幅を広げ、事業収益の改善を目指す。

シンガポールのNeste Oilのバイオ製油所で、水産物加工工場からの廃棄油脂を原料とするバイオディーゼルの燃料生産が発表された。東南アジア地域における、バイオ燃料原料の多様化の動きとして紹介する。

・東アジア
中国のPetroChinaがサウジアラビアAramcoと計画中のYunnan製油所建設が2012年後半に開始される。

Sinopecは中国西部地域で、エネルギー開発を進めているが、製油所建設・インフラ整備と並行して、石炭-天然ガスプロジェクトを米国GreatPoint Energyと進めている。

・オセアニア
オーストラリアの精製事業環境の中、年初に国内精製業からの撤退の可能性も伝えられていたCaltex Australiaの事業計画が発表された。同社は、Litton製油所操業継続の方針で、今後は、もう一つのKurnell製油所の操業検討を続ける。

平成24年(2012年)5月

・北米
北米で生産量が急増している非在来型原油と製油所の関係に注目し、Eagle FordとBakkenシェールオイルの現状を概説するとともに、Eagle Ford原油を処理する独立系大手Valeroのテキサス州製油所におけるシェールオイの処理の実態を報告する。

製油所新増設関連では、Motivaが建設を進めてきた、米国内最大規模のテキサス州Port Arthur製油所が操業開始の概況、Marathon Petroleumのルイジアナ州Garyvile製油所の設備増強プロジェクトを紹介する。

・ヨーロッパ
製油所の閉鎖が続く西欧から、イタリアとスペインの精製業の状況を紹介する。イタリアの大手Eniは事業環境悪化によりシチリアのGela製油所の停止を検討し、同じく大手ERGは採算性悪化を理由に精製業からの撤退を検討している。

スペインからは、Repsolが長年に亘って取り組んできたCartagena製油所の増強工事の完成と、今後の製品市場への影響を報告する。

輸入製品との価格競争で厳しい経営状況にある、ウクライナのTNK-BPの製油所の現状を、課税に関わる内外の政策との関わり、国外からの新たな支援の動きなどを紹介する。

・ロシア・NIS諸国
欧州に比べ、精製事業が堅調なロシア・NISでは独立系企業による、製油所拡張計画が進められている。NefteGazIndustriaのAfipsky製油所とAntipinsky Oil RefineryのAntipinsky製油所では、Euro-5対応や能力増強を計画している。

・中東
中東からは、イラクの石油精製産業の国際会議を契機に発表された、製油所建設プロジェクトの最新動向、クウェートの製油所建設計画の進展について紹介する。

・アフリカ
アフリカからは、西アフリカのガボンの製油所建設計画と、原油発見で注目を集めている東アフリカのケニアの製油所建設計画に注目してみた。

・中南米
ブラジルのバイオ燃料関連の動きとして、技術開発企業と国際アグリ企業によるバイオ製油所建設計画とボーイング社のR&D拠点開設の動きを紹介した。また、アジアへの太平洋岸からの原油輸出を目指す、ベネズエラ・コロンビア両国で原油パイプライン建設計画が浮上している様子を報告する。

・東南アジア
東南アジアからは、インドのEssar Energyの新鋭製油所の稼動開始を紹介する。

・東アジア
東アジアでは中国政府の最終承認を受けた、CNPCとベネズエラのPDVSAの合弁製油所プロジェクトが着工の運びとなったたこと、韓国の石油化学企業Samsung Total Petrochemicalsが同国5番目のガソリン供給企業となることを報告する。

・オセアニア
オーストラリアからは、バイオディーゼル製造設備の建設を報告する。また連邦政府のクリーンエネルギー普及促進のための新たな施策立案へ向けての取組みを紹介する。

平成24年(2012年)4月

米国北東部および中部大西洋岸地区で導入が検討されている低炭素燃料基準の影響について各方面から検討が行われているが、CEAが低炭素基準が燃料価格、地域の経済や雇用に与える影響度などについての報告した内容を紹介する。

アラスカのNorth Pole製油所が、一部装置を停止する。原油価格、North Slope原油に依存している状況、地理的条件等の要因について解説する。また同製油所停止に伴うジェット燃料供給体制や同地域の鉄道事業への波及についても紹介する。

米国北東部のPhiladelphia地区の3製油所売却に伴う地域経済へ影響と入札状況を報告する。地域の燃料需給への影響が懸念され政府機関の調査が進む中で、全米鉄鋼労働組合(USW)は製油所停止が国民経済、安全保障へ与える影響の調査を連邦関係当局に対して提案した。

SunocoのPhiladelphia製油所に対しては、資源開発関連企業を含む3社が入札している。Bakken原油等の非在来型原油との関連が注目される。ConocoPhillipsのTrainer製油所には有力2社の買収候補が出現。異業種の航空会社Delta Air Lineが入札した背景と業界の見解を紹介する。

ヨーロッパ地域からは、EU域の製油所の効率改善状況、ギリシャ、ノルウェーの製油所の現況について報告する。環境規制強化に対応してきたEU域内製油所のエネルギー効率改善の取組みに関する欧州石油環境保全連盟(CONCAWE)の報告の紹介。クリーン燃料の生産・温室効果ガス(GHG)排出削減の取組が進み、運転コストに占めるエネルギーコストは、原油高騰の影響も受けて増大した。重質油の軽質油への転換を考慮すると製油所のエネルギー効率は改善している。

ギリシャでは財政再建のための国営企業の民営化政策により、同国最大の石油精製会社Hellenic Petroleum S.A.の政府持株が売却される方針である。同社の買収先候補としてロシアGazprom Neftが浮上しているが、これに関連してGazprom Neftの欧州製油所買収の動きにも触れる。

ノルウェーからは、同国最大の精製能力を有し、北海原油中継基地も併設されている国営Statoil社のMongstad製油所閉鎖の動きを紹介する。精製マージン減などの理由のほかに、各種の税負担やCCS関連負担等の要因が製油所財政を圧迫していると見られる。

ロシア・NIS諸国の情報としては、ロシア、アゼルバイジャン、キルギスの情報を伝える。ロシアのBashneftは傘下の企業を統合・事業再編し、開発・精製・事業をBashneft本体が展開する。石油精製部門では、同社は保有3製油所で設備の新・増設プロジェクトを進めている。

アゼルバイジャンではSOCARがカスピ海沿岸で計画中の新設総合製油所プロジェクトが進展し、2013年着工の予定。処理原油や生産予定製品が明らかになりつつある。

キルギスは石油製品の大半をロシアからの輸入に頼っているが、燃料供給の安定化が急務で、自給率拡大を達成するための製油所建設計画をアゼルバイジャンと進めている。SOCARによる製油所建設プロジェクトをキルギスの需給状況、原油事情、ロシアとの関係などから解説する。

中東地域の情報としては、UAEで計画中のAl Dahra AgriculturalとW.A.GraceによるFCC触媒工場の建設を紹介する。需要増が見込める中東、アジアの市場への触媒製品供給を見据えたものでプラントはアブダビに建設予定。カタールとShellの合弁事業Pearl GTLは世界の天然ガス増産の中で注目されているが、運転開始から直近の製品出荷状況までのプロジェクトの進捗状況を報告する。

アフリカ地域の情報としては、昨年の内戦で破壊されたリビアの油田・製油所の生産量の復旧状況を紹介する。原油生産は、予想以上のペースで回復し輸出も順調。製油所の稼動は、原油生産の復旧度に比べ遅れている。

中南米地域の情報としては、今年初めのSt.Croix製油所に続く、カリブ海のValero EnergyのAruba製油所の閉鎖情報について、製油所の競争力低下の理由や製品輸出先である米国市場への影響を報告する。

東南アジア地域の情報としては、インドとベトナムの製油所拡張プロジェクトを紹介する。インドのEssarのVadinar製油所で水素化精製設備が完成。各種設備の完成により燃料製品のクリーン化、重質原油処理能力の増強が達成された。インド国内で進行中のクリーン規格燃料の供給能力や輸出対応力が強化されるとともに、重質原油処理によるマージンアップを狙っている。

Petrovietnamは、Dung Quat製油所拡張プロジェクトの資金調達のため製油所株式の一部売却を表明した。ベトナムでは製品自給率を高めるために、同製油所増強を含めた複数の製油所プロジェクトが提案されている。

東アジア地域の情報では、韓国Hyndai Oil Bankの潤滑油事業進出についてShellと合弁企業設立と、ベースオイルプラント建設を紹介する。
中国からは、製油所建設状況を2件報告。PetroChinaが四川省に建設中のSichuan製油所とSinochemがQuanzhouに建設中の大型製油所の現状について報告する。

オセアニア地域の情報としては、オーストラリアのバイオ航空燃料開発状況について、Virgin Australiaグループのプロジェクトを中心に報告する。原材料の特長と精製プロセスの概要、新たに大手航空機メーカーであるAir Busをメンバーに迎えた プロジェクト推進計画を紹介する。

平成24年(2012年)3月

TransCanadaが進めてきたカナダ産重質原油を米国・テキサス州まで輸送する「Keystone XLパイプライン」建設構想は、Obama米政権が今年1月18日に同パイプラインの建設計画を認可しないと発表したことに伴い、代替案の検討が各方面で加えられているが、カナダ国内では太平洋岸向けパイプラインの建設によるアジア、特に中国への出荷ルートを確保しようとする動きが俄かに脚光を浴びてきている。

太平洋岸向けパイプライン建設については、地元住民や環境団体の根強い反対があるものの、カナダ政府としては建設に向けた動きを取っている。そんな中、当然の様にパイプライン設置反対の立場からの資料や設置に向けて法的障害が存在しない旨を示す資料が数多く公表されている。これ等の資料の中から北米情報として幾つかを紹介する。

カナダ産重質原油をメキシコ湾岸に輸送する構想は、上記の通り“足踏み”を余儀なくされた状況であるが、米国中西部におけるカナダ産重質原油を処理しようとする動きは依然堅調な展開を見せている。今月度はその中からBPに関する情報を、同社が進める製油所売却動向と共に報告し、合わせて非在来型化石燃料開発に沸く生産地で多数の小規模製油所建設に向けた動きが進められている情報と共に紹介する。

ヨーロッパ地域からは、ヨーロッパ最大の独立系精製会社のPetroplusが倒産して数ヶ月が経過し、傘下の5製油所が各企業に買収されつつあるが、もう少し落ち着きを見せた段階で当該事項については報告することとし、今月度は東ヨーロッパ情勢としてポーランド政府が進めるGrupa Lotosの持株売却に係る情報と、ハンガリーのMOLが下流部門から上流部門事業へ投資を充実させつつある状況を報告する。

ロシア・NIS諸国の情報としては、TNK-BPが国内のSaratov製油所でEuro-5製品製造体制を確立するために設備投資を実施する一方、ウクライナに持っているLisichansk製油所では業績不振から運転を停止する可能性があるとの情報とアゼルバイジャンのSOCARが自国内で製油所建設の姿勢を示している他、近隣諸国への展開を強めている情報を報告する。

中東地域情報としては、原油生産や石油精製能力増強と共に石油化学指向を強める中東各国の中からサウジアラビアがChevronと合弁で進めている大型石油化学プロジェクトについての状況並びにホルムズ海峡を迂回するアブダビ原油パイプライン・プロジェクトの進捗状況を報告する。

アフリカ地域の情報としては、東アフリカ地域一帯の開発を目的とした一大経済圏開発プロジェクトであるLAPSSET計画を前進させるべくケニア、エチオピア及び南スーダンの3カ国首脳が会し、計画の開始を祝う式典が執り行われている情報、南アフリカにおけるCoega製油所建設が中国・Sinopecの参加を得て進められようとしている状況、同国で展開されているバイオ燃料事業の開発状況を今月収集された情報を基に報告する。

中南米地域の情報としては、メキシコで数十年来となる新製油所建設が多額の投資を要することから、全体としては建設に向けた動きが取られているものの、原油価格の高止まりが続いている状況では、原油開発に注力し、原油輸出による利益を享受した上で国内需給のアンバランスを改善すべきであると主張する意見が強い現状を報告する。

東南アジア地域の情報では、マレーシアがB5バイオディーゼル燃料を2014年までに国内全土で展開する方針を発表している情報と高成長を続けるインドの石油精製・石油化学分野の市場掘り起こし並びに優秀な頭脳の確保を目的にHoneywellが開発拠点をインドに設立した情報を報告する。

東アジア地域の情報では、中国の新疆ウイグル自治区における精製能力で、ライバルのPetroChinaに遅れを取っているSinopecがTahe製油所の拡張を計画している情報と、今後大幅な需要増が見込まれる中国のジェット燃料に関し、バイオ燃料開発が進んでいる状況を報告する。

オセアニア地域の情報としては、ニュージーランドで唯一のMarsden Point 製油所において、過去2回に亘り近代化・拡張工事が展開されてきているが、第3次工事としてプラットフォーマーを新設し、ガソリン得率を強化することで国内市場の65%シェアを目指すとした動きが取られている情報を報告する。

平成24年(2012年)2月

EUの外相会議においてイラン経済制裁強化の一環としてイラン原油輸入禁止措置が採択され、今年7月から実施に移される運びになっている。一方では当該措置による制裁の意味合いを疑問視する意見もあるが、実際に措置に踏み切るとイランばかりではなくその影響はヨーロッパ、中国、日本に及ぶことは避けられない。

特に、ヨーロッパの製油所における影響は、最近の需要減退や金融危機の影響に加えてイラン原油より高価な原油調達を行わなければならず、益々中東やアジアの最新式製油所で製造される比較的安価な製品との不平等競争を強いられる。この様な状況が続くと今後ヨーロッパの製油所閉鎖は今まで以上に加速され、輸入への依存が高まると見られている。

収集される情報の中には閉鎖される製油所数は20〜25箇所とも70箇所に及ぶとも囁かれ、イタリアの石油業界連盟では相当数の小規模製油所が閉鎖に追い込まれる可能性があるとして危機感を募らせている。

一方、米国の状況は、北東部州の製油所が危機に陥っている状況にあるが、今月は新たに米国領バージン島のSt. Croix製油所の閉鎖、TesoroのハワイにあるKapolei製油所と32箇所の販売店並びに流通事業資産を売却に付すとの情報が検索されている。

しかしながら米国の現状は、相対的には非従来型天然資源開発に沸き、石油製品の輸出が活況を呈している。この辺りの情報をまとめて北米地域及びヨーロッパ地域情報として報告する。

ロシア・NIS地域の情報としては、アゼルバイジャンのSOCARがキルギスで小規模ながら製油所建設を計画し、隣国の中国辺境部への進出も念頭に置いた開発を行おうとしている情報を拾ってみた。

中東地域情報としては、サウジアラビアが巨額な投資を行い、今後10年以内に精製能力を800万BPDに拡張する意欲的な計画を発表している内容と、中国のSinopecが海外で建設する最初の本格的製油所となるSaudi Aramcoと共同で進めているYanbu製油所の状況を報告する。

アフリカ地域情報では、昨年7月にスーダンから南スーダン共和国が独立建国して以来、原油埋蔵量の多い国境付近の一部地区の帰属や原油輸送に際してスーダンを通るパイプライン利用税の支払いを巡り、両国間で紛争が絶え間なく発生しており解決の糸口が見えない状態になっている。

この問題を解決すべく、南スーダンからインド洋側へ出るパイプラインの敷設計画が動き出しているので、その状況とチャドで昨年6月末に完成したばかりのN'Djamena製油所の稼働状況について報告する。

中南米地域の情報としては、アルゼンチンにおいて需給バランスが崩れつつある現状を憂慮する政府が、同国最大手のスペイン系石油会社であるYPFに対して、原油開発や製油所設備投資が充分でないとの不満を募らせつつある状況を報告する。

東南アジア地域情報では、ミャンマー政府が地域開発計画として進めるDawei特別工業地区にミャンマーとの結び付きが強い中国が、製油所建設の動きを示していることを報告する。

東アジア地域情報としては、韓国のSamsung Total Petrochemicalsがアジア地域の旺盛な石油化学製品の需要を背景に、収益基盤強化の一環として設備拡張を行おうとしている内容とクウェート国営石油会社のKPCがSinopecと共に進めている広東省Zhanjiang石化コンプレックスへTotalの参画が決まった情報を報告する。

オセアニア地域情報としては、特別なグリーンテクノロジーを持つLanzaTechが資金調達に成功し、世界各地で進めている実証化プロジェクトの展開や次世代バイオリファイナリーの開発に弾みをつけている情報を拾ってみた。

平成24年(2012年)1月

今月検索された情報の中で注目された情報は、ヨーロッパの独立系精製会社Petroplusが世界経済不況、特に欧州金融危機の影響を受けて経営危機に陥り、傘下の製油所を手放さざるを得ない状況に追いやられていることを上げることが出来る。

同社の現状は、「ヨーロッパ編」で詳しく記すが、66.7万BPDの設備能力を持つ大手石油会社と雖も、収益の上がらない石油下流部門のみでは経営が危うくなることを示しているように思われる。

また、今月の収集記事で目立ったのは、日本企業の活躍である。カザフスタンにおいてはAtyrau製油所近代化工事を丸紅等3社のコンソーシアムが受注したこと、ブラジルのComperj石油精製・石油化学コンプレックス・プロジェクトのユーティリティ設備に関しては、東洋エンジニアリング等3社のコンソーシアムが受注したこと、更にはベネズエラのPuerto La Cruz製油所拡張計画では主要装置の詳細設計・調達支援・建設監理(EPC)業務を日揮及び千代田化工建設が、プロジェクト・マネジメント・コンサルタント業務(PMC)を東洋エンジニアリング等の各コンソーシアムが受注したことである。

この他、北米においてはPhiladelphia地区の3製油所閉鎖に伴い、米国北東部における石油製品供給問題が大きく取上げられているが、その現状、問題点を米国エネルギー省のエネルギー情報局の調査報告書に拠ってみてみた。また、同じ北東部にありながら設備増強計画を立てているPBFのDelaware City製油所の状況を報告する。

ヨーロッパでは上記のPetroplusの情報以外に、バイオ燃料開発分野に特異な動きを取るNeste Oilの情報を拾ってみた。更に、ロシア極東では「東シベリア-太平洋原油パイプライン(ESPO-2)」の設置工事の進捗にあわせて既存製油所が原油供給をESPO-2経由で求める動きを拾っている。

中東情報としてはオマーンにおける新製油所建設計画に関る進捗情報を、また、アフリカ情報としては、イタリアの大手石油会社のEniがアンゴラとの関係で石油上流分野から下流分野に至る部門で関係を強めている現状とリビアのRas Lanuf製油所が国内政情の治まりに伴い運転再開と近代化工事に取り掛かろうとしている状況を報告する。

東南アジア情報ではマレーシア国営石油会社のPetronasが進めるRAPIDプロジェクトの経過情報とインドネシアでSaudi Aramcoが製油所建設で合意した情報を、また、東アジア情報としては中国における2011年の石油需要実績と2012年見通しの概要に関わる情報を集めてみた。

オセアニア情報では、各種要因で苦境に置かれているオーストラリア製油所の現況をCaltex AustraliaのKurnell製油所の一部装置運転停止を例に取りながら報告する。

平成23年(2011年)12月

今月度は、先月度に引続きカナダ産オイルサンド原油に絡む情報が収集できている。カナダ・アルバータ州の「Hardistyターミナル」から米国メキシコ湾岸を結ぶTransCanada社の「Keystone XL pipeline」設置計画が、米国政府の認可が1年遅れになる見込みに加え、ルート変更を余儀なくされて、設置工事は大幅な遅れが見込まれる中、カナダにおいては、オイルサンド原油の輸出先を中国やアジア・太平洋地域に求めようとする動きが、議員や原油生産者の中に増えてきている。

現在のところ、オイルサンド原油をアルバータ州から直接太平洋岸のVancouverまで輸送できる手段は、Kinder Morganが所有する「Trans Mountainパイプライン」のみである。しかし、このパイプラインで輸送できる量にも制限があり、大量輸送に向けた設備投資が必要とされている。また、Enbridgeが計画している同趣旨の「Northern Gatewayパイプライン」計画の動向も気になるところである。今月度は、これ等の計画について得られた情報を整理してみた。

米国においては、製油所から排出される温室効果ガス排出規制に関し、環境保護庁が2011年12月15日までに修正案を提出することになっていたが、現在、非在来型化石燃料開発で注目を集めている水圧破砕設備も検討範囲に取り込むためと思われるが、一旦、修正案提出期限の延長をしている。当該事項に関し、全米石油協会ではより現実的で費用効率的な規則にすべきであるとして、大部の要望書を提出している状況を報告する。

ヨーロッパ地域の情報としては、工業設備から排出された大気汚染物質が原因となり、健康被害や環境へ及ぼす影響を、“damage cost”の概念でまとめた場合の評価について報告する。加えて、英国石油精製事業者団体のUKPIAが、同国精製業が抱える問題や政府に対する検討要望事項をまとめた資料を公表しているので、本件にについても紹介する。

ロシア・NIS諸国からの情報としては、2011年春に発生したロシアの石油製品不足に端を発し、ロシア国内の石油会社が、それまで実施してきた製油所の近代化計画を、更に強力に展開すべく前倒しの実施を余儀なくされ、“政府による統制”とも受取れる方法で実行しつつある状況を報告する。

中東地域の情報としては、フィンランドのNeste Oilが、バーレーン及びアブダビで、同社が加わった共同事業として潤滑油ベースオイルの製造設備を建設し、自社のブランドである“NEXBASE”の販売能力を大きく伸ばそうとしている状況を報告する。

アフリカの情報としては、ニジェールとウガンダを取り上げ、前者においては中国の支援のもと原油開発が進み、小規模ながら新製油所稼動に漕ぎ着けるまでに至った情報を、後者においては豊富な原油埋蔵量を背景に、海外の企業が新製油所建設と絡めた動きを見せる他、ウガンダ政府としても新たな動きを見せていることを報告する。

中南米地域の情報としては、コロンビアのEcopetrolが、2012年予算並びに「2012-2020年長期戦略計画」に伴う予算見直しを行っていること、コスタリカがMoin製油所の拡張・近代化工事を行うに当たり、中国国家開発銀行の融資が得られることになり、工事推進の目処が立ったこと、加えて、エクアドル情報として国営石油会社・PetroEcuadorが上流部門と下流部門に分割され再編成されるとの情報を紹介する。

東南アジア地域の情報としては、中国の大手繊維メーカー・Zhejiang Hengyiが製油所並びに石油化学装置をブルネイで建設する動きが現実味を帯びてきて、中国政府も認めることとなっている他、新製油所の原油供給並びに製品引取りに関して、Shellが関与することで調整が進んでいる状況を報告する。

東アジア地域に関る情報では、SinopecとKuwait Petroleum Corpが共同事業として進めている広東省Zhanjiang石油精製・石化コンプレックスの建設が計画より数ヶ月早い11月中旬に始まったこと、また、オセアニア地域の情報としては、長年検討されてきた「炭素価格制度(通称“炭素税”)」関連法が議会上下両院において僅かな票差ながら可決されたが、2012年7月1日の発効までの間と雖も紆余曲折の恐れがあることを報告する。

平成23年(2011年)11月

米国では中西部における非在来型原油開発が進み、着々と実績を上げてきている。一方、国内外の概して軽質低硫黄原油との価格差を享受すべく、従来から進められてきたカナダ産オイルサンド原油を処理するための製油所拡張工事も幾つかのプロジェクトで工事終了に近づいてきている。

カナダ産オイルサンド原油を製油所が多数存在する米国メキシコ湾岸まで輸送するTransCanada社の「Keystone XL pipeline」設置工事は、環境団体からの猛反対に逢って建設が遅れているが、その合間を縫うかの様にEnbridge社が原油ハブのあるオクラホマ州Cushingとメキシコ湾岸を結ぶ「Seaway pipeline」の転用を検討するなど、俄かに米国中西部原油とカナダ産オイルサンド原油を取巻く環境が騒がしくなってきている。

今月度は、カナダ産オイルサンド原油を処理するための製油所拡張工事が、終了に近づいてきている現状を伝える情報と、全米科学アカデミーが、2022年目標として規定されている再生可能燃料基準での内、セルロース由来エタノールの数値目標達成は大幅な技術的革新が無い限り、達成不可能であると結論付けている状況について報告する。

ヨーロッパ地域に関しては、各国政府が石油精製業に対し直接、間接に関わろうとして模索している様に見える。2010年9月にはイタリアのENIが優遇税制の適用を要請し、2011年6月にはフランス政府が精製業支援を目的に、関連企業を一堂に集めて「アクション・プラン」の作成に主導的役割を演じたこともあった。

また、直接的に精製業を支援する動きではないが、今月度では英国議会下院の委員会が「国内最低精製能力の明確化」並びに民間石油備蓄量の管理等を目的とする機関の設立を提言している情報が得られている。

更に、英国の石油精製及び石油販売事業者団体のUKPIAが、国内石油精製事業の社会への貢献をとりまとめ、石油精製事業者は、EU並びに英国自体による厳しい環境規制に直面し、EU域外の精製事業者に比較して著しく不利な立場に晒されている現状を説明し、公平な法的措置並びに規制環境を要請する資料を公表している。こうした現状について記載した。

ロシア・NIS諸国では、最近特に目にすることが多いロシアにおける石油精製部門への投資情報から、今月度収集された大手民間石油会社のLukoil並びにBashneftの事業展開情報について報告し、中東地域情報では、石油輸出国機構(OPEC)が定期的に公表している「World Oil Outlook」及び「2010/2011 Annual Statistical Bulletin」の両資料に見る石油精製事業の概況を記してみた。

アフリカ地域に関しては、南アフリカにおいて、国内製油所のトラブルや定期修理が集中したためにLPGとビチューメン(アスファルト)の供給不足が大きな社会問題となっているが、背景には需給バランスそのものにも課題があるものと見られている。政府並びに業界の歩調が合わなかった結果と捉えられる。

中南米地域情報では、ベネズエラ国営石油会社のPDVSAが、全世界で展開している事業を、今後5年以内に見直すとして、海外で展開している石油精製資産の整理並びに国内超重質原油開発への資本集中を実施していくとしているが、同社の海外精製資産の現状が報道されているので、その状況を報告する。

東南アジア地域情報では、Moody'sが公表したアジア-太平洋地域の石油・ガス精製業界の見通しに関するスペシャル・コメントについて、東アジア地域情報では、韓国のHyundai Oilbankが蔚山で大規模石油類貯蔵施設を建設する情報を報告する。

この蔚山の石油類貯蔵施設は、現状では規模的にそれほど大きなものではないが、今後、民間貯蔵施設としての物流基地を目指しているもので、韓国政府が2013年までに国家備蓄量をIEA備蓄義務量を大幅に上回る1.4億バレルに増加し、東アジア地域で一大物流ハブを目指している動きと共に注目に値するのではないかと思われる。

オセアニア地域からは、アジア地域で建設が進められている輸出型大規模製油所で生産される製品価格に競合できないことを理由に、これまで製油所の閉鎖が行われている情報を報告してきているが、今回、CaltexもKurnell製油所の装置を順次運転停止させる、との情報が得られている状況を報告する。

平成23年(2011年)10月

今月は米国並びにヨーロッパにおける製油所売却情報が多く収集されている。特に米国においては、Sunoco Inc.のペンシルバニア州に在るMarcus Hook製油所並びにPhiladelphia製油所、ConocoPhillipsもペンシルバニア州のTrainer製油所の売却を発表し、更にConocoPhillipsがニュージャージー州のBayway製油所を売却に付す、との情報が流れている。

国防石油行政地区(PADD)で分類されるPADDT(米国東海岸)に属するこれ等の製油所が売却できない場合には閉鎖される模様で、仮に閉鎖されれば原油の中でも特に軽質低硫黄原油の市場が一挙に失われることになり、原油輸入経路や製品流通経路に大きな影響が出てくることが考えられる。
最近ブームとさえ言える米国でのシェール・オイル開発で当面恩恵を受けられるのは、中西部の製油所、並びに他製油所に先駆けて大量輸送システムを確立できる製油所と思われるが、シェール・オイルの米国東海岸への輸送手段はまだ確立されているとは言い難い。

そんな中、いち早くValeroがNuStar Energyと提携し、Eagle Fordシェール・オイルの輸送・処理態勢の強化に乗り出すと共に、東海岸に向けた製品輸送手段の増強に努めている情報が検索できている。

ヨーロッパの精製業界は相変わらず厳しさを増しているが、深刻な状況に置かれている様子を概括してみた。また、厳しさを増している状況の表れとして、今月度もLyondellBasellがフランスでBerre-L'Etang製油所を閉鎖するとの情報が得られている。
ブルガリアにおいては、ここ数ヶ月、同国唯一の製油所を有するLukoilとブルガリア政府との確執が表面化し、水面下での駆け引きが盛んに行われていたが、一応の決着に向かって動き出している。

中央ヨーロッパ最大の石油会社で、オーストリア国営石油会社のOMVは、今後の戦略として拡張を続けている石油上流部門及びガス開発部門に注力し、石油精製及び販売分野の資産は現状の半分以下に低下させ、地域的には成長が著しいトルコを重視した戦略を取る方針を鮮明に打ち出している。

ロシア地域の情報では、「東シベリア-太平洋原油パイプライン」の第2期設置工事の現状と、ロシア極東開発に前向きな姿勢を示す中央政府と現実を踏まえた状況をベースに製油所建設を判断しようとする企業との間に不協和音が存在している情報を報告する。

中東情報として、西欧の経済制裁を受けているイランの地方自治体がイラン政府のバックアップを受けているか否かについては判然としないながらも、ヨーロッパの一角に製油所を建設する動きを示し始めている情報を報告する。アフリカ情報としては南アフリカのPetroSAが、難産しているCoega製油所建設事業へのSinopecの参加を要請している状況を記載した。

中南米からは、アルゼンチン政府がガソリンとディーゼルの需給で生じたアンバランスが拡大傾向にあることを憂慮し、製油所に対する課税面や価格面での優遇措置を設け、これ等の製品の増産を図る「Refino Plusプログラム」を展開している情報を報告する。

東南アジア情報としては、フィリピン石油精製・販売最大手のPetronが、Limay製油所の拡張・アップグレードを進める一方、国内で高まりつつある石油価格高騰に対する不満を解消する方策として、政府によるLimay製油所の再買上げを要請している情報を報告する。

東アジアの情報としては、東京電力福島第1原発事故を受けて見直しが開始された日本の「エネルギー基本計画」に対し、各業界団体が要望書や提言を提出している中、石油産業の代表団体である石油連盟が提出した「一次提言」について報告する。

尚、今月度に目ぼしい情報が収集されなかったオセアニアに関する報告は割愛する。

平成23年(2011年)9月

オバマ政権の次世代バイオ燃料の増産に向けた施策が、一つ実現に向けて動き出した。
農務省、エネルギー省及び海軍省が相互協力の下、合計5.1億ドルを今後3年間に亘り拠出し、バイオ燃料の国防及び民間での輸送部門での適用を促進することになった。また、ハワイではUOPがエネルギー省の助成金を受け、セルロース系バイオ燃料製造用実証化装置を2012年までに建設し、引続き2014年まで稼動させて各種試験を行う計画である。

製油所売買情報も相変わらず報道され、8月はValeroがMurphy OilのMeraux製油所を買収し、同じルイジアナ州にある自社のSt. Charles製油所との有機的最適化を図る予定である。原油開発部門を持たない精製専業のValeroが、適切な精製マージンが取れ ない中、製油所を最適な場所に集約させることで、原油入手面及び中南米、南米及びヨーロッパ市場を睨んだ製品供給能力の増強へと動いている。

クリーン燃料の法規制に絡んだ動きとしては、米国の北東部州大気利用調整管理同盟が、低炭素燃料基準の採用で輸送分野から排出されるGHGの削減度合いや経済効果がどの程度のものになるかの解析を行った資料が公表されている。資料の読み方で解釈が異なると思われるものの、GHG排出量削減、ガソリン並びにディーゼル消費量削減の観点では効果があると見られる。

8月に検索されたヨーロッパにおける製油所買収・運転再開及び新製油所建設に関する情報では、ドイツのWilhelmshaven製油所をオランダのHestya Energyが買収し、早期の運転再開を図ろうとしている情報と英国でGE Oil & Gas がTeessideで製油所を建設する検討を行っているとの情報が得られている。

ヨーロッパで精製能力を増強できる根拠は何処にも無いと言われている中、これ等の両情報共にその実現については懐疑的にならざるを得ないが、短期的対応策の現れと捉えた場合には別の見方も可能になってくる。

ロシア・NIS諸国の情報では、社会的問題になったロシアでの燃料不足が、近隣諸国に大きな影響を与えたが、この教訓を糧にモンゴルでは製油所建設の機運が高まり、一時休止していたと思われる製油所建設も含めて、政府は3箇所に製油所を建設する検討を開始している。

中東地域の情報では、アゼルバイジャン国営石油会社のSOCARが、トルコの地中海に面したIzmir県の県都Izmirに20万BPDの製油所を、主として石油化学原料の製造を目的に建設する計画が具体的に動き出し、今年10月の着工で2015年までに完成させる情報と、オマーンにおけるSohar製油所の拡張・近代化工事において、処理原油の重質化を念頭に設置される溶剤脱歴装置(SDA)にUOP/Foster Wheelerの技術が採用されることになった情報を報告する。

アフリカ地域からは、南ア議会の全国州評議会の下部組織である経済開発委員会が、国内で進んでいる製油所の老朽化並びに国内雇用の促進の観点から、展開が停滞しているCoega製油所建設に向けた結論を早期に出すように内閣に要請すると共に、財務省に対して予算措置を急ぐように要求している。本件に関し、何らかの結論が年内に出てくる可能性が高い現状を報告する。

中南米地域の情報としては、ブラジル国営石油会社のPetrobrasが毎年ロール・オーバーして見直しているビジネス・プランに見る同社の精製部門への投資計画の内容、今後5年間で精製能力を39.5万BPD 拡張し、その後2020年までには更に106.5万BPDを増強する計画であることを報告する。また、コロンビアのBarrancabermeja製油所の拡張・近代化工事についても報告する。

東南アジア地域情報として、インドの石油天然ガス省のホーム・ページで紹介されている同国における精製能力増強の現状、Hindustan Petroleum Corp Ltd(HPCL)が進めているBathinda製油所並びにVizag製油所の現在の建設状況、老朽化したMumbai製油所に替わる新製油所建設用地確保に動いている状況を報告する。

また、SanMiguelがExxonMobilのマレーシア精製事業を買収し、傘下に収めるPort Dickson製油所に関し、同製油所が比較的簡単な構成で装置の老朽化が進んでいるため、今後5年以内に近代化させ、多様な原油処理が可能な製油所に改造する計画について報告する。

東アジア地域からは、数々の制約があると思われる中、台湾の石油化学会社4社からなるコンソーシアムが、中国国営石油会社Sinopec Group並びに福建省政府と提携して、福建省Zhangzhouに製油所並びにナフサ分解装置を建設する検討を開始した情報を報告する。

大洋州地域の情報としては、Kurnell製油所とLytton製油所を持つCaltex Australiaが、両製油所の閉鎖を含めた精製事業の見直しを数ヶ月前から検討していること。両製油所の精製能力は全オーストラリアの精製能力の約1/3に相当しており、その影響はかなり大きなものならざるを得ないこと。この様な検討が行われる背景には、Gillard政権が導入を進める炭素税も暗い影を落とし、間接的な影響を及ぼしている状況を報告する。

平成23年(2011年)8月

米国で現在ガソリン性状を規制するために施行されている規則は“Tier2”と呼ばれる基準に則ったものであるが、実際には統一規格にはなっていない“boutique gasoline”と呼ばれる特殊ガソリンが米国内の地域ごとに数多く存在する。

次段階の“Tier3”基準の施行までには時間的余裕があるものの、環境保護庁(EPA)では、硫黄含有量が最大平均値として10ppmに規制する“Tier3”基準の施行に向けた準備と共に、数多く存在する特殊ガソリンを連邦規格として一つにまとめる動きを取り始めている。

EPAでは関係機関を集めた会議を持ち、検討を進めて2011年12月には具体的内容の提案を行うことにしているが、早速各関係機関からの反応が出てきている。これ等の中から、カリフォルニア州大気資源局(ARB)と、施行されれば多額の設備投資を余儀なくされ、4〜7箇所の製油所閉鎖の可能性が出てくるとした米国石油協会(API)の反応を拾ってみた。

この他、米国情報としてMurphy Oilが精製事業からの撤退を進める中、ウィスコンシン州に持っているSuperior製油所の正式売却を決めた情報、Tesoro Corp.のAnacortes製油所で「Bakkenシェールオイル」の処理に向けた対応が取られている情報を報告する。

ヨーロッパ地域では、EU加盟27カ国のバイオ燃料消費量(輸送部門)が、ここ数年、緩やかな伸びに留まって、EU指令として示されている2020年の使用義務量達成が困難になり始めている状況を記してみた。また、相変わらず製油所売却情報の多いヨーロッパの中から、Totalが英国に持っているLindsey製油所の売却に絡む情報とベラルーシにおける製油所売却に伴うロシアの動きを報告する。

ロシア・NIS諸国に関する情報としては、ロシアの極東地域において4箇所で石油精製・石油化学コンプレックスを建設する動きがあることと、経済基盤が弱い中央アジアのタジキスタンで小規模な製油所の建設情報が得られているので、これらを報告する。

中東地域の情報では、イラクの情報のみになるが、同国で4箇所に新製油所を建設する計画がある中で、Karbala製油所が建設に向けた具体的行動を取り始めた情報、既存のBasra製油所のアップグレード工事情報を拾ってみた。

アフリカ地域に関しては、7月9日に誕生した「南スーダン共和国」における石油絡みの問題を報告し、中南米地域の情報としては、スペインのRepsol YPFがアルゼンチンにおいて精製能力シェアの50%以上を所有している現実と、同社のLa Plata製油所におけるコーカー装置の能力増強工事が進められている情報、更に、エクアドルにおける新製油所建設に中国と韓国が融資を行う計画であることの情報を報告する。

東南アジア地域に関しては、ベトナムにおいて従来から数多くの製油所建設計画が存在している現状と、ベトナム国営石油会社のPetrolimexが、ベトナムと国境を接している中国広西壮族自治区にあるQinzhou製油所と、ベトナム北部のQuang Ninh省にある貯蔵基地を結ぶパイプラインの建設を計画している情報を拾ってみたが、どちらの計画も現実の需要とかけ離れている。

東アジア地域の情報としては、中国山東省の小規模製油所を取巻く環境とCNPCによるこれ等の製油所統合方法に関する情報を報告し、オセアニア地域の情報としては、Shell Refining(Australia)が本社の基本戦略方針に基づき2013年中期までに閉鎖することにしているClyde製油所に関し、組合側から見た閉鎖に伴う調査報告書について報告する。

平成23年(2011年)7月

米国では議会を巻き込んでカナダ産原油輸送パイプラインの建設問題が議論を呼んでいる。パイプラインからの漏洩事故が続いているだけに、建設賛成の立場を取るグループにとっては必ずしも好ましい状況とは言えない。米国向け輸送が遅れるにつれ、太平洋岸への輸送パイプラインが注目されるようになってきている。カナダ産原油処理を睨んだ米国内の製油所拡張工事もここ数年で次々に完成するだけに米国内では様々な思惑が動いているように思われる。

ヨーロッパにおいて製油所を取巻く環境は相変わらず厳しい状況で、地場市場の縮小、極限状態の精製マージン、世界的な市場需要構成の変化等、好材料は見出されていない。そんな中、今回報告事項としては取上げなかったが、フランス政府が石油精製関係企業を招集し、議論の上「国家行動計画」を発表するなど、国家レベルで建て直しを図る動きがでてきている。

ロシアにおいては今年初めから続いている石油製品不足(ガソリン)は、鎮静化に向かっているものの、不足状態は解消されていない。そんな中、単発的とも取れる製油所建設構想が持ち上がっているが、その実現性はともかく、ロシアの関心が従来のヨーロッパから極東に移りつつある状況は読み取れる。

中東においては、今月度、クウェートにおいて大きな決定が下されている。2006年に計画が立案され、建設することで一旦決定が下されたものの2009年になって中止となったAl-Zour製油所建設に向けた再開である。サウジアラビアで進められている新製油所建設と共に目が離せない情報である。

これら中東の新製油所建設状況とともにウォッチングが必要な情報が中国の精製能力増強情報で、国際エネルギー機関から報告された資料を紹介する。東南アジアに関しては、ここ数ヶ月、マレーシアが活発に動いている状況を伝える情報が多く得られているが、今月は石油貯蔵設備の建設に向けた動きを紹介する。

平成23年(2011年)6月

今年3月30日に、オバマ大統領がエネルギー安全保障に向けた演説を行ったことをきっかけに、米国はもとより世界中でシェールオイル、シェールガス等の非在来型エネルギー開発やバイオ燃料開発に弾みがついている様に見受けられる。

航空機用バイオ燃料開発に向けた動きも、その一つと捉えることが出来る。JPECレポート2010-032「航空機用バイオ燃料開発の現状」でも触れられている様に、航空機用燃料の使用量並びに航空機分野から排出されるCO2の量は、ともに世界中で消費されている燃料並びにCO2排出量の約3%を占めており、数値的には“多い”と言い難い。

しかし、この数値は、現在、燃料中の硫黄分規制に絡み、国際海事機関(IMO)で注目を集めている外洋船舶で使われている燃料消費量とほぼ同一である。陸上輸送用燃料、海上輸送用燃料に次いで航空機用燃料においても、地球温暖化要因ガスの排出量削減に向けたCO2取り組みをないがしろには出来ない。今月度は米国、オセアニアにおいて航空機用バイオ燃料に関わる情報が収集されているので、これらについて報告する。

米国のバイオ燃料開発については、これまでも大手石油会社による当該分野への投資は各種捉えられているが、必ずしも大手とは言えない会社であっても、再生可能燃料基準(RFS-2)を遵守する一助にする目的で当該分野に投資している。

また、米国市場におけるガソリン需要の低下、高品質ガソリン指向及びRFS-2規制が製油所の拡張・改造意欲を削ぐ要因になっていることを、カリフォルニア州にあるChevronのRichmond製油所更新工事に見ることが出来るので、これらについて報告する。

ヨーロッパ地域においては、イタリアのEniが独自に開発したEni Slurry Technology(EST)の実装置建設に向けた展開とポーランドの石油分野が大きく揺れている情報を報告する。また、ロシア・NIS諸国情報として、中央アジアのウズベキスタンの石油分野が日本企業と関係がある情報、ロシアからの石油製品輸入に頼ってきたモンゴルが、この度のロシアの石油製品輸出関税引き上げに伴い、大きな打撃を受けている状況を報告する。

アフリカ地域の製油所動向に関しては、南アフリカが計画しているCoega製油所(40万BPD)の建設計画が、今年末にかけて大きく計画変更になる可能性を秘めている状況を紹介し、中南米では、これまでブラジルの単独行動で進められてきた建設中のAbreu e Lima 製油所(23万BPD)が、ブラジルとベネズエラの共同事業として本来の姿通り進める一歩を踏み出した情報を報告する。

東南アジアについては、フィリピンとスリランカにおける製油所拡張工事及び新設動向の情報に加え、タイの製油所地図が塗り替えられようとしている情報を報告し、東アジア地域情報としては、中国国営石油会社と海外の国営石油会社の共同事業による製油所建設が始まろうとしている情報の中から、海外企業としてKuwait Petroleum Corp.とRosneftの動きが捉えられているので、これらについて報告する。

平成23年(2011年)5月

オバマ大統領が3月にエネルギー安全保障に向けた演説を行って以来、米国における再生可能エネルギーの開発、国内の非在来型燃料の開発に関わる情報が多くなったように見受けられる。加えて、従来からの動きではあるが、輸入原油を中東、中南米に求めるのではなく近隣のカナダ、メキシコに求める動きも加速されているようだ。

今月号では取上げなかったが、カナダのオイルサンド由来の原油を米国メキシコ湾岸までパイプライン輸送しようとする動きは、環境問題を重要視する各種機関の反対、最近発生したパイプラインからの漏洩事故の影響で足踏み状態にはなっているが、近い将来、何らかの解決策が見出されるものと思われる。

今回「北米」の項で報告している情報の一つ一つは、大きな内容のものではないが、最近、取上げられることの多いバイオ燃料や非在来型燃料としてのタイトオイルの開発と結び付けられる内容のものである。

ヨーロッパでは相変わらず製油所を取り巻く環境が冷え込んだ状態である。国際石油資本の撤退と、替わって国営石油会社が進出してきている傾向がヨーロッパ地域で観察されるが、この傾向を簡単に解析・概括したインターネット記事を紹介してみたい。

また、バイオ燃料を世界的に普及させることで、輸送分野から排出されるCO2量を大幅に低減できるとする資料を国際エネルギー機関が4月に公表した。「技術ロードマップ-輸送用バイオ燃料」と題する報告書である。便宜上「ヨーロッパ」の項に掲載したが、 総輸送用燃料に占めるバイオ燃料の割合を今日の2%から2050年には27%に増加させるための各方面から分析した技術的条件が記載されている。

「ロシア・NIS 諸国」の項では、最近、ロシアで大きな問題となっている石油不足の背景に関わる情報を取り上げ、「中東」の項では、特にクウェートが海外で製油所建設の動きを見せている情報並びに長年懸案となっているAl Zour製油所建設計画の現状を記した。

「アフリカ」の項では、アフリカ地域に限らず世界の全ての地域で下流部門からの石油メジャーの撤退が観察されているが、アフリカ市場に例をとり、石油メジャーに替わって大手石油トレーダーが進出している現象の長所・短所について触れてみた。

東南アジア地域では、インドの製油所建設・拡張工事に関する多くの情報の中から、4月以降に収集された情報をまとめてみた。この地域の情報の中で、特に注目しておきたい情報は、マレーシアの「RAPIDプロジェクト」に関するものであるが、同プロジェクトと台湾の「國光石化科技の石油精製・石油化学プロジェクト」が結び付く可能性があるように思われる。

中国に関しては、国家発展改革委員会が発表した「2011年版産業構造調整指導目録」に基づく、競争力強化のための小規模製油所の集約に関する情報を紹介する。

平成23年(2011年)4月

中東をはじめとする石油産出国における政情不安を背景に原油価格が高騰を続け、米国ではオバマ大統領はエネルギー安全保障に向けた演説を行い、2025 年までに輸入原油量を現状の66%にまで削減するとの野心的な政策を打ち出している。

この政策実現には国内原油生産量の大幅な増強を要すると思われるが、最近の米国の状況を見ると、特に内陸部での原油生産に拍車がかけられ、あたかもブームが起こっているように見受けられる。また、国内原油増産に応えるかのような製油所拡張情報も得られている。これらの情報を目の当りにすると、オバマ大統領の演説も国内状況を見据えた上で行なわれたもので、政策実現もあながち不可能とは思われない状況である。

この様な状況とは裏腹にヨーロッパでは相変わらず苦悩が続いている。今月号では東ヨーロッパにおける情報が多く収集されているので、これらについて概要を報告する。
西ヨーロッパにおいては、ドイツでE10ガソリンの販売が今年初めから開始されているが、一般国民への事前の広報活動が充分でなかった側面があり、政府の思惑通りの推移にはなっていない。

ここ数年、石油メジャーの不採算資産の整理の嵐は世界中に吹き荒れ、未だに収まりを見せていない。今月号では中南米でExxon MobilやShellが石油販売事業を売却し、この地域からの撤退を決めた情報が得られている。

オーストラリアにおいてもShellはClyde製油所を閉鎖しターミナル化する方針であるが、オーストラリアのケースは少し状況が異なっているように思われる。Clyde製油所の閉鎖に関しては、地理的にも近いアジアや中東で活発に建設が進められている輸出型大規模製油所との製造コストの比較において太刀打ち出来ない状況になっていることは理解できる。しかし、同国の場合は天然資源開発が活発で、この分野における石油製品需要が旺盛である。この需要に対応した製品ターミナルは積極的に建設されている。

その他、中東と中国の間で緊密な関係が構築されている様子、インドにおいて中断していたVizag製油所建設に向けた再開の動き、フィリピンのLimay製油所の拡張・近代化情報についても報告する。

平成23年(2011年)3月

今月、インターネット上に多く報道されたのはヨーロッパ、特に英国における製油所売買に関する情報である。英国内に9 箇所ある製油所の内、ターミナル化された製油所や、売却に付された製油所、売却が噂されていた製油所を合わせると、一時期は合計7製油所にのぼっていた。

しかし、これらの製油所も今年に入り売却先が決まり始め、1月に報告した通りINEOSのGrangemouth製油所にPetroChinaが参画することが決まり、TotalのLindsey製油所も交渉相手は不明だが、交渉が大詰めを迎えているとされている。今月は新たにChevronのPenbroke製油所がValeroに、また、ShellのStanlow 製油所がEssarに売却することが決まったとメディアが伝えている。

ヨーロッパの製油所売買に関わる情報に加え、同地域の製油所にとって地中海を挟んだ対岸のリビアの内紛が大きな懸案事項となっている。リビア原油を多く輸入しているヨーロッパの製油所が、同国の内紛が長期化の様相を見せているのに伴ない同国からの原油輸入量が滞り、従来から指摘されていた構造的な脆弱性を示し始めている。

米国においては、大型合併とは言い難いものの地域的特殊性を持つHolly Corp.とFrontier Oil Corp.の両社が均等合併し、新たに独立系精製専業会社の「HollyFrontier Corporation」が誕生している。

ロシアでは、東シベリア-太平洋原油パイプライン(ESPO)で輸送されてくる原油を処理する大型製油所を国営石油会社のRosneftがナホトカ近郊に建設するとした従来からの情報に加え、今月は国営ガス会社のGazpromがサハリン州に製油所建設の動きを見せている情報が得られた。両製油所ともに輸出型の製油所で、建設が実現するとロシア極東には既存の2製油所を含めて4製油所体制になり、日本への影響が大きいと思われる。

中東、アフリカ、中南米においては、相変わらず製油所建設情報は多い。これらの中には、実現されると思われる製油所建設計画もあるが、実現までのスケジュールが不明なプロジェクトも多い。本報告書の中では、その内の数例を抽出し、建設計画の内容を紹介してみた。

平成23年(2011年)2月

最近の1〜2ヶ月間で高級潤滑油基材製造装置並びに潤滑油再生装置の新規建設に関わる記事が非常に多く報道されている。背景には中国を始めとするアジアの新興国で工業が盛んになっていることや自動車の普及が反映されているものと考えられる。

中国自動車工業協会の発表では、「2010年、国内自動車市場の生産台数と販売台数はそれぞれ1,800万台を超え、前年比30%増を達成した。」とある。政府の政策が後押しをした特殊性はあるにせよ2011年には2,000万台を超えると言われている。

中国のみならず先進国でも今まで以上に高級潤滑油市場が拡大しつつある。今月号で取り上げた米国でのChevronによる高級潤滑油基材製造装置の建設情報、サウジアラビアのYanbu潤滑油製造設備の能力倍増情報、インドネシアにおけるShell等3社による潤滑油製造工場の建設計画以外にも、潤滑油に関わる多くの情報を集めることが出来る。
1月以降に報道された情報を列記してみると;

・Petronasが中国で潤滑油製造事業を強化するため、中国山東省のWeifang St.Maria Lubricating Oil Co.を買収。
・カザフスタンのKazMunaiGasがShymkent製油所に潤滑油製造設備を建設予定。
・インドのHPCL はMumbai製油所を潤滑油ブレンド工場に転用することを検討。
・ロシアのLukoilの子会社・LLK International傘下の潤滑油製造設備では、2010年はどの工場もフル生産状態で、
 生産量は前年比32%増加して約140万トンであった。
・セルビアのNaftna Industrija Srbije AD (NIS)では、潤滑油市場が好調で、製品の97%はアジアを主として海外向けに
 輸出している。
・バーレーンでAgas Lubas Groupが建設していた潤滑油再生装置(3.6万トン/年)が完成。
・米国の大手潤滑油再生会社のUniversal Lubricantsは、需要が拡大している潤滑油再生市場に対応して設備を拡張。
この様に、上記した項目を見ても世界各国で潤滑油市場が活気付いていることが判る。

潤滑油関連記事以外には、米国においてBP が2010年4月20日にメキシコ湾で発生した爆発火災事故の賠償資金確保のため、米国内のCarson製油所とTexas City製油所の 売却を発表したこと、Marathon Oil Corp.が上流及び下流部門を完全分離し、米国内5番目の規模の石油精製事業体を設立したこと、を挙げることが出来る。

ロシアでは燃料油のEuro-4基準対応に向けた設備のアップグレードが進み、製品として出荷され始めていること、同国極東地域にある既存製油所についても同様にEuro-4基準対応に向けた投資が急ピッチで進められている。更に東シベリア−太平洋原油パイプラインの第2期工事が、計画より早いペースで進んでいる情報が得られており、日本海を挟んだ対岸の開発が今まで以上のスピードで進められるものと思われる。

また、南アフリカのCoega新製油所建設を巡っては、政府の思惑とは反対に既存石油会社の反対が根強く、未だに建設費の予算化が出来ず、実現の難しさを示している。

その他、インド洋の孤島に製油所を建設する動きに絡んだインドとアフリカの状況、ブラジルの海底油田開発に関するPetrobrasとGulpの動きや韓国における製油所アップグレード工事の概況について報告する。

平成23年(2011年)1月

ゆっくりしたペースではあるが世界経済に回復の兆しが見え始め、精製マージンも底を打ったと報道するメディアが多いが、世界的にはまだ精製能力余剰が続き、原油価格も高止まりになっている上、先進国をはじめとする各国の環境規制は強まる一方で、精製事業の基盤はまだ脆弱であると言わざるを得ない。

温室効果ガスの目標設定に積極的な姿勢を見せている米国においては、製油所から排出される温室効果ガス(GHG)の取締りが本格的になる動きが現れはじめている。

カナダではオイルサンド事業が少しずつ活況を呈し、オイルサンドの生産量を増加するプロジェクトが現れはじめ、製油所設備投資面でも積極的とは言えないが、苦慮しながらも少しでも付加価値の高い製品製造構成に変えようとする動きが見えている。

ヨーロッパでは、一時下火だった製油所売買交渉が再び活発化し、INEOSのGrangemouth 製油所やLavera 製油所のように他社との共同運営形態で運転が継続されるところがある反面ShellのHarburg製油所のように売却先が無くターミナル化を余儀なくされるところも新たに現れている。そればかりか、未だ多くの製油所が売買交渉の席にすら就けずに置かれた状態である。

欧米の製油所が置かれている状況とは反対に中東や中国、その他開発途上国における製油所建設の動きは力強く、今回の最新情報では、特に中東で一時延期されていた新製油所建設プロジェクトが動き始めている。

平成22年(2010年)11月の動向

11月度の世界製油所関連最新情報では、米国でのSunoco社の3製油所売却/閉鎖の報道が伝えられる一方、ロシアNIS地域におけるPrimorsk製油所、アゼルバイジャンの製油所建設計画が前進、中東でのオマーン、UAE、アブダビでも製油所拡張計画、東南アジアにおけるベトナムの製油所建設計画、スリランカ、シンガポールの製油所拡張計画などの情報が伝えられている。

このような欧米での製油所閉鎖/売却とその他の発展途上国での製油所建設/拡張の動きは、今年一年を通した傾向となった。また、それ以外では中国CNPCの援助によるキューバでの製油所拡張計画など中南米諸国での中国石油企業の動きも目立っており、中国政府によるカリブ海沿岸諸国への資金援助等と合わせて、中国の世界的なエネルギー戦略が窺がわれる。

また、今年後半になってからは、一時中断/棚上げ状態になっていた中東地域やロシアNIS諸国での製油所建設計画の動きが再び顕著になっており、世界景気の回復とその結果ともいうべき原油価格上昇がこの動きの原動力となっている模様である。

また、上記の動き以外では11 月度には欧州、オーストラリアにおけるバイオ燃料関係の情報も多く得られている。ドイツでのE10 販売開始のニュースやデンマークでのセルロース由来エタノール5%混合ガソリンの販売開始のニュースはバイオ燃料導入に向けた試みが着々と進行していることを感じさせる。一方、オーストラリアでの輸入エタノールに対する税金引き下げやエタノール生産業者に対する補助金削減に起因する国内流通体制の乱れによるE10義務化時期の遅れなどのニュースからは、バイオ燃料の本格的な国内流通の困難さも感じさせられる。


平成22年(2010年)10月の動向

(1) 石油精製業の将来展望を記した2 つの資料
監査、税務、コンサルティング等各種業務を提供している英国のDeloitte 社は、グループを構成する企業の専門家へのインタビューを通じ、翌年の世界のエネルギー状況を簡単な資料にまとめて、ホームページで公開している。今年で2年目になるが、10月19日に“Energy Predictions 2011”と題する当該資料を公開した(*12)。今年は石油精製に関する単独項目を設けて記載しているので、その概要を紹介してみたい。

2009年には世界で5箇所の新製油所が稼動を開始しているが、全て中東とアジアである。特にアジアでの精製能力増加が大きく、新製油所建設と既存設備の拡張工事で増加した処理能力は100万BPD を超えている。2009年の北米における能力増強は既存設備の拡張工事による約39.3万BPDで、中東では20万BPDであった。

ある専門家の予測では、2011年から2015年の5年間でアジアでの精製能力増加は275万BPDに及ぶとしている。これまで長期に亘り、欧米が石油精製基地及び消費地として主要な地位を保ってきたが、今後はアジアがその地位に取って代わることになる。

世界の石油精製業は、「これまで欧米がその中心であったが、今後はアジアが中心となることは確実であり、大きな流れの変化となっている」ことを指摘した上で、「そのアジアでどの油種の石油製品が市場をリードしていくかを予測することは困難だが、車社会の普及と共にガソリンは間違いなく高需要を維持し、製油所の稼働率向上の牽引役を演じるだろう」と結んでいる。

Deloitte社の資料に対し、OPECが毎年更新している「世界石油展望」にも2030年までの世界の石油精製の展望が記載されている。この資料は11月4日に「World Oil Outlook 2010」として公表されているが(*13)、石油精製業にとってDeloitte社の資料よりかなり厳しい内容になっている。

OPECの資料でも2009年に稼動を開始した新製油所能力は110万BPDで、この点ではDeloitteの資料とほぼ同様であるが、同資料では、この能力増強に対して2009年の需要は130万BPD低下しているため、2009年の1年間で発生した需給ギャップは240万BPDになるとしている点がDeloitte社の資料には記載されていないことである。

OPECの石油精製業の将来展望では、現状で存在する上述の240万BPDのギャップを前提として2015年までを見通した場合、公表されている製油所新設や拡張計画を加算していくと、需給のギャップは実に合計730万BPD になるとしている。

燃料需要の低迷、新製油所の稼動、バイオ燃料の需要増加及び製品需要の変化等により、精製マージンや製油所稼働率は厳しい圧力に晒されており、これらを勘案すると、健全な石油精製業であるにはOECD諸国を中心として700万BPDの処理能力削減を要すると結論付けている。

なお、昨年のOPEC 資料を見ると(2009年7月度に報告)、2014年時点で削減が必要な精製能力は今年と同様の数値となっており、事態が改善されていないことを窺わせている。

(*12) http://www.deloitte.com/assets/Dcom-Global/Local%20Assets/Documents/Energy_Res ources/6810A_EnergyPredict10_sm5.pdf
(*13) http://www.worldenergyoutlook.org/docs/weo2010/weo2010_london_nov9.pdf


(2) 閉鎖または売却が検討された世界の製油所
ヨーロッパ地域の製油所売却情報については2010年8月時点で報告しているが、その後も状況がかなり動いている。表1 は11月17日にBloomberg社が公表した閉鎖または売却が検討された世界の製油所のリストを当センターで作成したものある(*14)。

表に記載した全ての製油所が運転を停止したわけではなく、また、売買契約が成立していないところが多い。更に、個別企業が当該製油所に持つ部分的な権益を売却し、製油所全体が売買の対象となっていない例もあるので注意を要する。ターミナル化された製油所、運転を停止する可能性が高いと考えられる製油所には、表中で黄色く網掛けしているが、これらをみると地域に偏りがある事がわかる。

ここ数年で売却が検討された製油所はヨーロッパ地域で350万BPD近くに上っており、実際にターミナル化等による運転停止で削減された精製能力は67.7万BPDにのぼると思われる。また、北米地域でもヨーロッパ地域同様に売却が検討された製油所が多く、その精製能力の合計は約157万BPDである。しかし、現状で運転を停止したところは少なく14.7万BPDに過ぎない。また、アジア・太平洋地域では売却が検討されているとの情報は殆どないが、日本では38万BPD強の設備が運転を停止すると見られる。

世界の製油所を取巻く環境は正に“氷河期”と言えるが、特にヨーロッパと日本が厳しいと言える。

(*14) http://www.bloomberg.com/news/2010-11-17/petroplus-tamoil-are-among-world-refi ners-to-shut-sites-table-.html


表1.運転停止または売却が検討された世界の製油所(2010年11月中旬現在)

Country Company Refinery Capacity
(千BPD)
EUROPE
Lithuania PKN Orlen Lietuva 200
Romania OMV Arpechim 70
Italy Tamoil Cremona 95
France Petroplus Reichstett 85
France Total Dunkirk 137
France Total Gonfreville 173
U.K. Conoco Humber 221
U.K. Murphy Oil Milford Haven Wales 130
U.K. Total Lindsey 221
U.K. Chevron Pembroke 210
U.K. Petroplus Teesside 117
U.K. Shell Stanlow 233
Germany Conoco Wilhelmshaven 260
Germany Shell Hamburg 110
Germany Shell Heide 91
Germany Ruhr Oel Gelsenkirchen 266
Germany Ruhr Oel Miro Karlsruhe 311
Germany Ruhr Oel Bayernoil Neustadt Vohburg 240
Germany Ruhr Oel PCK Schwedt 226
Sweden Shell Gothenburg 78
Sub-Total 3,474
NORTH/CENTRAL AMERICA
Netherlands Valero Aruba 275
Canada Shell Montreal 130
USA (VA) Western Yorktown 71
USA (LA) Exxon Chalmette 196
USA (LA) Murphy Oil Meraux 125
USA (WI) Murphy Oil Superior 35
USA (HI) Chevron Kapolei 54
USA (NJ) Sunoco Eagle Point 150
USA (CA) Big West Bakersfield 68
USA (NM) Western Bloomfield 17
USA (TX) Valero Corpus Christ East 20
USA (MN) Marathon St. Paul Park 74
USA (NJ) Valero Paulsboro 166
USA (DE) Valero Delaware City 190
Sub-Total 1,571
ASIA PACIFIC
Japan Showa Shell Keihin 120
Japan JX Holdings Negishi 70
Japan JX Holdings Mizushima 110
Japan JX Holdings Oita 24
Japan Nihonkai Oil Toyama 60
Taiwan CPC Corp. Kaohsiung 25
New Zealand Shell Marsden Pt 109
Sub-Total 518
TOTAL 5,563

注)黄色く網掛けした製油所はターミナル化等で運転を停止した、又は、停止の可能性が高い製油所を示す。


平成22年(2010年)9月の動向

石油・石炭をはじめ再生可能エネルギー等あらゆるエネルギーを扱う非営利・非政府組織である世界エネルギー会議(WEC:World Energy Council)の第21回大会が、カナダのモントリオールで9月12日から16日までの5日間開催された。

大会は3 年ごとに開催されるエネルギー資源に関する国際会議で、毎回世界のエネルギー事情について討議されている。今回も各国の政府高官、各種国際機関の代表、エネルギー産業からの代表及び各種研究機関の代表等が講演や発表を行っている。

5日間の会議で各スピーカーが使用したプレゼンテーション資料はWECのHPで公表されている(*10)。会議の模様や具体的な討議内容は不明だが、プレゼンテーション資料からかなりのことは知り得るので、興味のある方はHPにアクセスし、個別資料をご覧いただきたい。

なお、石油上流部門に関する事項としては、カナダのオイルサンド、米国や中国におけるオイルシェール、北米でのシェールガスに関わる問題や二酸化炭素(CO2)の回収・貯蔵(CCS:Carbon Capture and Storage)の現状が話し合われている。バイオ燃料に関わる事項ではブラジル国営石油会社のPetrobrasが進めるバイオ燃料戦略、アルゼンチンにおけるバイオ燃料の現状のほか、バイオ燃料製造技術に関するテーマも議題に上っている。

9月16日の閉会式でWEC会長は「Equality、Development、Climate(平等、開発、気候)」の3つのキーワードを掲げ、今後、継続的に「エネルギー供給の不均衡、新規燃料開発、気候変動問題」の課題に対処していかなければならないことを強調している。

WECには先進国から途上国まで世界の約100ヶ国が加盟しているが、日本での国内委員会は社団法人日本動力協会が務めている。今回のモントリオール大会の議題の日本語訳や日本からの講演者・表内容の概要の紹介がなされているので参照願いたい(*11)。なお、次回は2013年に韓国の大邱市で開かれることが決まっている。

(*10) http://www.wecmontreal2010.ca/index.php?lang=en
(*11) http://www.jea-wec.or.jp/sogo/topics/20100709-001.html


平成22年(2010年)8月の動向

国際エネルギー機関(IEA)が毎月刊行している「Oil Market Report」の最新版(10 September 2010)」(*9)によると、2010年の世界の石油需要は前年に比較し190万BPD増加し8,660万BPD になり、2011年は更に130万BPD の増加が見込まれる、としている。

これに対し、世界の製油所処理能力の増強計画を調査すると2010年での増強分は141万BPDと予測され、需要の増加を下回っていることになる。需要増を下回った分は稼動率の向上で対応することになるので、世界全体としては1%程度の稼動率改善につながる可能性を示していることになる。しかし、地域ごとに見てみると処理能力増強と需要増との間にミスマッチが観察される。

例えば、中国の場合は長期的には現在建設中、並びに計画中の設備能力増強は約330万BPD と見込まれているが、2010年の需要増76.6万BPD(2011年は3.3万BPD)に対して、2010年の製油所能力の増強は48.4万BPDである。

逆にインドでは2010年の需要増が10万BPDであるのに対し、能力増強は26.8万BPDとされ、能力増強の方が大きい。また、米国ではエネルギー情報局(EIA)の報告によると米国内の石油需要は落ち込んでいるが、2010年の設備能力は微増で、中期的にもカナダ産オイルサンドの処理を見込んだ中西部の製油所を中心に拡張工事が進められている。

(*9) http://omrpublic.iea.org/currentissues/high.pdf


平成22年(2010年)7月の動向

バイオ産業・技術に関する世界的な組織の「BIO」が去る6月末にWashington, D.C.で開催した世界会議「World Congress on Industrial Biotechnology and Bioprocessing」で、Novozymesの最高経営責任者が世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)が作成した「The Future of Industrial Biorefineries」と題する報告書(*8)を公表した。報告書自体はWEFを含む複数の機関がMcKinsey & Co.に委託して作成したものである。

同報告書には、バイオマスを原料に発酵、Fischer-Tropsch 法、エステル交換及びメタノール合成等の技術を駆使して製造するバイオエタノールやバイオディーゼル等の燃料、SNG (Synthetic Natural Gas)やBTL (Biomass-to-Liquid)、更にはこれらを原料とした化学製品を製造する一連の「バイオリファイナリー産業」がもたらす可能性について、2020年時点で想定される状況が記載されている。

その内容の一部を紹介すると以下の通りである。
@ バイオ燃料市場は現在の3倍以上に拡大し、現規制に基づき使用が義務付けられるバイオ燃料の総売上高だけでも950億ドルに達すると見積られる。
A 米国並びにEU27カ国で消費される熱エネルギーや電力分野の需要は2倍以上になる。
B バイオ・ベースの化学製品は顕著な成長を見せ、化学製品全体に占めるシェアは約9パーセントに達する。
C バイオリファイナリー産業全体の事業活動の価値連鎖(Value Chain)分析を行うと、エネルギー原料となる各種バイオマス生産分野の潜在能力は高く、この分野だけで金額にして900億ドルになるとみられる。

同報告書には上記した経済効果以外にも、世界のバイオリファイナリーの現状や解決すべき主要課題並びに要因についても記載されており、参考になる資料である。

バイオリファイナリー産業の現状は、まだ発展の初期段階にありリスクが大きいと判断されるため、単一企業の事業活動に委ねるべきではないと考えられるが、何十万もの雇用創出及び地球温暖化ガスの排出抑制の主要産業となり得るだけに各国政府が早期商業化に向けて下支えする必要があると同報告書は訴えている。

(*8) http://www3.weforum.org/docs/WEF_FutureIndustrialBiorefineries_Report_2010.pdf


平成22年(2010年)6月の動向

ケンブリッジ・エネルギー研究所(IHS CERA:IHS Cambridge Energy Research Associates)は、定期的にエネルギーに関わる幾つかの指数を公表しているが、その中の一つに石油下流部門建設コスト指数(DCCI:Downstream Capital Costs Index)がある。製油所や石油化学設備の建設コストについて、その時点の建設費が基準年である2000年を100とした場合と比較し、同等の設備を建設した場合に幾らと見積れるか検討し指数化したものである。

DCCIの推移を見ると(*7)、これまで2008年第3四半期の187を最高値とし、2009年第1四半期にはピーク時に比較して9%低下し170を示したが、その後、同年第3四半期には173を示し、上昇傾向を表していた。続く2010年第1四半期のDCCIは175で更に1.5%上昇し、ピーク時には及ばないものの製油所建設コストが昨年来、確実に上昇傾向にある事を示している。

IHS CERAの解説では、精製マージンは依然として低いが世界経済が回復基調にあり、建設資基材等のコスト上昇を促していることや不況前から開始されていたプロジェクトを終了させようとする継続的活動が指数を押し上げているとしている。

現在、北米、西ヨーロッパ及び日本では精製能力の余剰が叫ばれており、今後も合理化・整理が進められると予測されているが、石油製品需要が好調で政府の精製能力増強方針が執られている中国、インド及び中東では建設工事が継続していることは見逃せない。HIS CERAは、この様な環境下で上昇に転じているDCCIは、近い将来、2008年の最高値に到達するのではないかと予想している。

IHS CERAは簡単な説明として、DCCIは建設コストの平均的な変動を表す「消費者物価指数」の様なものであるとしている。10年前と比較して製品の品質や製油所設備構成が大きく変化している現在、DCCIが建設コストの実態を的確に表わしたものであるか否かは検討を要するが、DCCIの上昇傾向が石油精製業全体の復調を示すものであれば歓迎したい数値である。

(*7) http://ihsindexes.com/dcci-graph0608.htm


平成22年(2010年)5月の動向

6月上旬に「BP Statistical Review of World Energy-June 2010(*6)」が発表になっている。2009年における化石燃料のほか原子力、水力等のエネルギーに係わる統計が過去の経緯と共に報告されている。

資料中の石油に係わる事項を2008年との比較で見てみると、先ず製油所設備能力は196.3万BPDの増加を示し、世界全体で9,062万BPDとなっている。設備能力が減少した国は英国、日本、ドイツになっており、逆に設備能力が増加した国は中国(82.3万BPD)、インド(58.2万BPD)が圧倒的に多く、次いでタイ(6.5万BPD)になっており、この3国で世界の設備能力増加分の75%を占めている。意外に思われる国は米国とカナダで、この両国の設備能力は2008年に比較し微増している。また、OECD 諸国の設備能力は4,520万BPDであるから、非OECD諸国の設備能力がOECD諸国の設備能力を初めて上回った事になる。

製油所処理量で見ると、世界全体では前年より147.4万BPDの減少が報告されており、OECD加盟国合計では178.1万BPDの減少、EUとしては87.1万BPD の減少である。中南米諸国合計の減少も大きく61.4万BPDを示し、米国と日本は夫々33.5万BPD と31.9万BPD の減少であった。これに対し増加した国は中国が57万BPDとなっており、個別国名の表示は無いが日本及び中国を除くアジア・大洋州地域の合計が46万BPDの増加を示している。

世界の石油消費量は約116万BPD減少し8,407万BPDとなっている。これは前年比1.7%の減少に相当する。絶対値として消費量の減少が大きかった国は、米国、日本、ロシア、イタリアの順で、消費量が増加した国は中国、サウジアラビア、インド、クウェートの順になっている。

(*6) http://www.bp.com/liveassets/bp_internet/globalbp/globalbp_uk_english/reports_ and_publications/statistical_energy_review_2008/STAGING/local_assets/2010_down loads/statistical_review_of_world_energy_full_report_2010.pdf


平成22年(2010年)4月の動向

4月9日に総合資源エネルギー調査会第8 回石油分科会が開催されている。会議資料の「平成22〜26年度石油製品需要見通し(燃料油)(*4)」を見ると、日本における需要量は2009 年実績見込みで約1.92億KL であるが、2014 年には約1.61 億KL となり3,100万KL の減少が見込まれている。実に16%強、62万BPD相当の減少である。

需要の落ち込みが大きい製品は重油で、特に電力用重油の2009年度から2014年度間の落ち込みは約50%を示している。落ち込みの小さい製品は、石油化学原料としてのナフサとジェット燃料油であるが、これらの製品でも3.4〜4.6%のマイナスで、これら以外の製品は2桁台のマイナスを示す等、石油精製業にとり明るい材料は見えてこない。

製油所能力削減に関しては、新日本石油と新日鉱ホールディングの経営統合で誕生した国内最大手のJXホールディングは、2010年度中に40万BPDの削減を行う事に加え2013年度までに更に20万BPDを追加削減する計画である。出光興産は2013年度を目処に10万BD程度の精製能力を削減すると第3 次連結中期経営計画で記している。この他、昭和シェル石油は今年2月時点で京浜製油所扇町工場(12万BPD)の閉鎖を発表しており、コスモ石油でも製油所処理能力の見直しを2月に行い、8万BPD の削減を発表している。

上述の通り、現時点で各社が発表している製油所能力の削減数値を合計すると、2013年度末までに現能力から90万バレルが削減される事になるが、各社共に今後の国内需要減少に対応し、更なる削減を行う可能性が高いと思われる。

「石油製品需要の構造的な減少の要因」に関しては、石油分科会会議の参考資料(*5)で概要が解析されているが、これを見ると日本の石油産業も各国の温暖化対策、並びに原油価格動向や世界的の原油需給の変化等、世界の動きの影響を強く受けている事を感じざるを得ない。また、日本の製油所の特徴としてスケールメリット・効率性・競争力に関係する常圧蒸留装置規摸が近隣アジア諸国に比し小規模である事が示されており、今後は重質油分解能力が高い製油所へと移行する必要性が指摘されるなど、従来に増して経営努力が要求されている。

(*4) http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g100409aj.html
(*5) http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100409a09j.pdf


平成22年(2010年)3月の動向

欧州委員会は、2020年までにEU域内で使用するエネルギーの20%以上をバイオ燃料やバイオマス等を含む再生可能エネルギーとする指令(2009/28/EC)を出しているが、今年3月に各国から提出された達成に向けたシナリオをまとめた結果を公表した(*2,*3 )。
それによると、エネルギー需要全体に占める再生可能エネルギーの割合は2020年までに20.3%となり、目標値を若干上回るとの見通しになっている。

各国から提出されたシナリオを見ると、EU加盟27カ国の内、10 カ国が設定目標値以上を提示し、12カ国が設定目標値通りになると想定している。目標値を大きく上回る国はスペインとドイツである。

自国内の再生可能エネルギー資源のみでは目標値をクリア出来ない国はいわゆる「Cooperation Mechanisms」を利用し、目標値を達成出来ている加盟国から未達分を購入するか、EU 以外の第3国から独自に相当分を購入する事になる。設定目標値の未達国はイタリア、ベルギー、デンマーク、ルクセンブルグ、マルタの5 カ国で、中でもイタリアの未達分の割合が大きい。

(*2) http://ec.europa.eu/energy/renewables/transparency_platform/forecast_documents_e n.htm
(*3) http://ec.europa.eu/energy/renewables/transparency_platform/doc/0_forecast_summa ry.pdf


平成22年(2010年)2月の動向

石油メジャー各社の下流部門の整理が続いている。各社が発表した数値を見ると、2009年第4 四半期の収支は莫大な損失を計上している。BPの精製販売部門の幹部は、2010年も精製マージンの大幅な改善は望めないが、2009年の第4四半期が精製マージンの“底”であろうとの認識を示している。また、別の幹部は、この様な状況下、世界中で石油会社の精製部門の再編成も必要だと語っている。

Bank of America Merrill Lynch が発表した数値によると、2009 年の1 年間で北米とヨーロッパで閉鎖された製油所能力は100 万BPD を超えたが、今年も昨年以上の数値を示し、132万BPD になると予測している。また、米国コロラド州Vailで2月に開催された「Credit Suisse Energy Summit Conference 2010」でTesoro Corp.のCEO であるBruce Smith 氏も、「精製マージンの改善が見込めず、2010年に発生する米国内の製油所閉鎖は2009年より多くなり、主要石油会社製油所も例外ではなくなる」と予測した上で、「今年閉鎖される製油所能力は170 万BPD 近くになるのではないか」としている。

この様な欧米の状況に対照を成している地域の一つOPEC では「今後5年間で650億ドルを投資して製油所能力の拡張を図り、OPEC 諸国内外で製品販売を加速させる方針である。」とサウジアラビアのAl Riyadh 紙が伝えている。同紙が伝えるところによると、650 億ドルの内の約400億ドルはOPEC諸国内の精製能力拡張用投資で、能力を現状より200万BPD 増強して1,000万BPD とする、としている。

各種メディアが報じている通り、西欧での製油所能力が急激に下降し、中東、アジア、中南米に集約されていく様を目の当たりにしている。


平成22年(2010年)1月の動向

Ernst and Young 社が発表した調査報告書(*1)を読むと、2009年に行われた世界の石油・ガス分野の企業の合併・買収は、金額にすると前年より10%増加し1,980億ドルであるが、大型合併が比較的多く、件数としては前年実績より減少している事がわかる。

下流部門を見ると、前年から扱い件数としての減少が起こり、2009年は30%少ない153件で、金額としても400億ドルから380億ドルに減少している。件数的には153件の内の45%強に当る70件が北米で発生し、ヨーロッパでは38件、アジアでは21件となっている。石油精製に限ってみると、2009 年の件数は13件と報告されている。言うまでもなく、現在交渉中の合併・買収も数多く存在し、これらの案件は上記数値に表れていない。同報告書では、2010年は世界的な精製能力の余剰を受けて、特に、ヨーロッパ、米国で企業の合併・買収件数が多くなると想定している。

製油所稼働率について見ると、世界経済の停滞並びに需要減退を受け急激に低下し、80%を割り込む状況が続いているが、今後5年間で収益が取れると言われている83〜84%の状態に稼働率を戻すには、更に相当量の処理能力削減が必要であるとロイター紙がEnergy Market Consultants の調査報告結果を引用する形で報道している。過去、300万BPD強の能力の閉鎖をしてきている精製業界であるが、今後更に2倍以上の閉鎖が必要であると分析する専門家も少なくない。IEAの分析でも昨年10月時点での製油所稼働率 は77.5%になっているとし、1995年以来最低のレベルであると報告している。製油所閉鎖は先進諸国で顕著で、ヨーロッパ、北米及び日本に偏りを見せており、次第にSaudi Aramco、中国の3大石油会社並びにPetrobrasと言った国営石油会社に精製能力が集約されつつあるとも分析している。

過去1 年間に限って世界で閉鎖された製油所及び能力を調べてみると表1の通りで、この短い期間だけでも閉鎖された処理能力は149万BPD になっている。


表1. 過去1 年間に世界で閉鎖された製油所能力

国 名 会 社 製油所 能力
(千BPD)
停止時期 備 考
米国 Valero Delaware City 185 2009 年11 月 総処理量、21 万BPD の一部
  Sunoco Eagle Point 145 2009 年11 月  
  Big West Bakersfield 66 2009 年1 月 親会社の倒産
  Western Bloomfield 17 2009 年11 月  
アルバ Valero Aruba 235 2009 年7 月  
カナダ Shell Montreal East 130 2010 年  
フランス Total Dunkirk 160 2009 年9 月 総処理量、33.9 万BPD の一部
Gonfreville 91 2009 年8 月
英国 Petroplus Teesside 117 2009 年3 月  
スペイン Repsol Bilbao 90 2009 年9 月 総処理量、22 万BPD の一部
日本 新日本石油 水島 110 2009 年7 月〜 総処理量、40万BPDの一部
        2010 年3 月予定  
    富山 60 2009 年1 月  
  コスモ石油 四日市 85 2009 年11 月 総処理量、17.5 万BPD の一部
  1,491  

尚、この表には稼働率を極端に低下させている製油所や火災事故等で一時的に運転を停止させている製油所、ナイジェリアの製油所の様に保守点検上の問題で長期運転停止している製油所等は含ませていない。

(*1) http://www.ey.com/Publication/vwLUAssets/Global_Oil_and_gas_transactions_review_-_2009/$ FILE/Global_oil_and_gas_transactions_review_2009.pdf